サブスク

サブスクリプションは、最新版を常に使用できる利点があります。「買い切り購入スタイル」では、最新バージョンに更新するにはその都度出費が必要ですが、サブスクリプションでは常に新しいバージョンを維持し続けられます。私はAdobeをはじめとした絵&映像のソフトウェアの維持に、公私共々、相当苦しんできたので、サブスクリプションは願ってもいないソリューションでした。

 

例えば、私はAdobe社のソフトウェアで言えば、

 

After Effects

Photoshop

Dreamweaver

Illustrator

Premiere

 

‥‥あたりを常備したいのですが、買い切り&都度バージョンアップの方法では、まず買うのに、

 

After Effects=10万

Photoshop=10万

Dreamweaver=5万

Illustrator=8万

Premiere=6万

*おぼろげな記憶なので、正確な価格ではないですが、ほぼこんな感じでした

*定価が安くなった頃の価格でこのくらいで、20年以上前はAfter Effectsだけで20万円くらいしました

 

‥‥くらいのコストがかかり、バージョンアップに、

 

After Effects=12000〜25000円

Photoshop=12000〜25000円

Dreamweaver=12000〜25000円

Illustrator=12000〜25000円

Premiere=12000〜25000円

 

‥‥をほぼ毎年のように繰り返していました。ゆえに、「バージョンアップできない」ソフトウェアが出始め、どうしても最新版を維持したい「After Effects」「Photoshop」だけは何とかマイナー・メジャーバージョンアップに毎年出費していました。メジャーバージョンアップが重なると出費はキツくて、自宅の場合は5万円をドカンと自腹で出費していましたし、会社の場合は「バージョンアップの必要性」を説き伏せて何とか維持していました。

 

ゆえに、DreamweaverやIllustratorなどは、旧バージョンのままで我慢せねばならず、最新のOSや規格に適合できないソフトウェアもちらほら増えていきました。

 

Adobe製品だけで、この大変さ。‥‥他の製品を含めると、かなりの額を出費していました。

 

ハッキリ言って、買い切りは辛かったです。ソフトウェアを含めた総合的な環境を、まともに更新してメンテしようと思えば特に、です。

 

ですから、アニメ業界のAdobe製品がCS6止まりで、最新版に更新できない会社が存在していても、不思議では無いです。容易に状況は想像できます。

 

 

そして、サブスクリプションが登場しました。私には願ってもないソリューションでした。たとえ、年額6万かかろうと、常に全Adobe製品の最新版を維持できて、OSのバージョンアップにも新しいコーデックにも対応できるからです。

 

Adobeはサブスクリプションを開始する前の頃、「毎年何らかのバージョンアップをする」と宣言しており、傍目から見ても「維持にお金が必要なんだろうなあ‥‥」と感じていました。「開発にはお金がかかり、世間の技術進化に歩調を合わせるためには、継続的な収益が必要」なんだろうなと、ごく自然に感じ取りました。

 

つまり、ソフトウェアを使う方も、提供する方も、一蓮托生、運命共同体のようなところがあるわけです。

 

例えば、自動車。‥‥購入するのに、150〜300万円も支払いますが、それで出費は終わりではないですよネ。必ず、古くなって痛んでくるので、メンテにお金を少なからずユーザーは投入しますし、自動車産業も「自動車のライフサイクル」があるからこそ商売として成り立ちます。

 

もし、「俺はこの車を買うのに、300万円も出費したんだ。以後、どんな故障があっても、無償で修理して、常に新品の状態をメーカー側でケアしろ」なんて言い始めたら、産業・商業は破綻して成り立ちませんよネ。

 

自動車だったら、そんな無茶なことはユーザーサイドでも言い出しませんが、なぜか、ソフトウェアは「買ったら、以後はタダで維持できる」と思う人も少なからず存在します。ソフトウェアの劣化は、目に見えにくいので、実感がない‥‥‥のでしょうかね?

 

 

‥‥で、「お金がかかるから」という理由で、環境を更新しないままで営業し続けているのが、「数兆円規模の市場」を支えるアニメ業界だったりします。

 

メンテもできないほど古くなった自動車で走行して、色々な現代的な機能・サービスも導入できず、公道で渋滞を巻き起こすような状態でも、お金の問題でどうにもならない‥‥のでしょう。

 

ぶっちゃけ、なぜ、Adobe CCの最新版をアニメ制作団体や個人は、使わない人が多いのか?

 

金‥‥ですよネ。

 

CCのサブスクリプションを毎月支払うのも金。最新版のソフトウェアが動作するようにマシンや周辺機器を買い換えるのも金。金、金、金の問題です。

 

でもさ。これから先の未来、いや‥‥今までだって、産業・商業として必要なお金だったんですよ。ソフトウェアの環境維持のコストは。

 

それをずっと後回しにして省いて、今まで来てしまって、サブスクリプションを受け入れられない体質を自ら作ってしまっていたのです。

 

今後、サブスクリプションは、絵や映像でプロとして食っていくための、いわば「ライフライン」なのです。ライフラインが止まったら、生きていけないですよネ。電気代にお金がかかるからと言って、電気を止めるわけにはいかんでしょ。

 

つまり、生きるのに必要なコストとして、サブスクリプションのソフトウェア形態を捉える必要があります。プロのライフラインならば、ね。

 

 

 

「なぜ、そんなに大変なんだ。昔のままでアニメを作れば、それでいいじゃないか」

 

‥‥と言いたくなる気持ちもわからなくもないです。だったら、紙に描いて、トレスマシンでセルに転写して、絵具で塗って、フィルムで撮影して、テレシネすれば良いです。

 

「デジタル」でも、ライセンスサーバが導入される前のAdobe製品群で、Windows98やMacOS9を使い続けて、「外界と遮断したスタンドアロンの環境」で制作すれば良いです。

 

そのかわり、フィルム撮影台ならば、クロス引きに制限はあるし、特定のセルだけ拡大縮小の撮影なんてできないし、ペイント色のブレンド(セレクトブラー)なんて無理だし、旧時代の「デジタル」なら720x486=D1程度の「ミニサイズ」で作るのが妥当です。

 

都合の良いところだけ「デジタル」に頼って、都合の良いところだけ「現代の映像技術」にのっかって、都合の悪い部分だけ「昔のままで良い」なんて、成立しないのです。

 

昔のままの環境で作って、2KSDRまでしか対応できなくても、誰も文句は言わないですが、確実に時代のギャップは広がっていき、やがて忘失の彼方に消えていくでしょう。「おじいちゃん、おばあちゃんの頃は、アニメを手で描いてたんだよ。今とは比べ物にならないほど古い品質だったけどねぇ。最近のテレビアニメは手描きではなくなってしまったねぇ‥‥」と思い出話にしたい人がいても、それはそれで仕方ないです。

 

しかし私は、アニメをそうした「過去の産物」にはしたくないです。「数兆円規模の市場」なんて言われても、何の未来の保証にもならないのは、古今東西のアレコレを見ればわかりますよネ。どんな規模だろうが、廃れる時には廃れます。でも、私は廃れさせたく無いし、消滅させたくもないです。

 

時代とともにアニメが進化して生き続けるためには、「今まで作りかたで十分だ」なんて言ってたら不可能です。「今までの作りかたから変えていく」からこそ、時代の新しい技術を、アニメの血肉として吸収できるのです。

 

手で絵を描くのを止めたくないのなら、人間が絵を描く「未来の技術」を、新しい映像技術とともに生み出していくことは必須です。

 

 

 

CS6で停滞するのは、「昔のまま変われない現場」「どんどん古くなる現場」の象徴です。古い体質を変えられない人々を、CS6がまさに代弁しています。

 

CCをはじめとした各種サブスクリプションに対応できるのは、新しい制作体制・体質の象徴です。ソフトウェアの維持更新を「制作のライフライン」の「負荷」ではなく「推進力」として取り入れて、新しい技術で新しい現場を形成し、未来を掴もうとする意欲の表れと言えます。

 

アマチュアの人なら、「買い切り」で古いバージョンのまま、好きなように自分の趣味の範疇で作れば良いです。

 

でもプロフェッショナルで、現代の映像技術の体現者であろうとするのなら、それ相応の覚悟と度胸、技術と経験と知識、そして作業環境は必要になるでしょう。

 

 

 


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