いきなり!4K

技術は後退したことがほとんどありません。自動車が馬匹に戻った地域社会があるか。携帯電話・スマホが公衆電話や黒電話に戻れるか。ハイビジョンデジタル放送はブラウン管時代のSDテレビ放送に戻ることはあるか。カラー放送をモノクロ・白黒放送の時代に戻せるか。インターネットによるネット通販を捨てて、テレフォンショッピングの口頭伝達による注文に戻せるか。


2000年に突入する寸前の前世紀末、「携帯電話」は皆が所有したい「技術成果物」の筆頭でした。今は、携帯電話・スマートフォンを持っていない人のほうが珍しいくらいです。

 

未来も同じことを繰り返すのは明白。映像の技術成果物だって、同じです。4K HDR 60pもやがていつのまにか身の回りのテレビやスマホで普通に見れる日が来ましょう。

 

じゃあ、アニメ業界は4K HDRに対応できるか。60pはあまりにもハードルが高いので今は除外しても、4KとHDRに対応できるかは、かなり深刻と言わざる得ません。未だに手を出せない制作会社も多いでしょう。

 

世の中の一般技術の移り変わりで言えば、4KHDR、そして60pが「普通の日常の風景」の1つになる中で、アニメ業界だけは1.5〜2KでSDRで24コマの古い技術で成果物を量産し続ける可能性が高いです。

 

別の見方をすれば、アニメ業界は進行する社会からズレ始めます。‥‥今のままの作り方だとネ。

 

思うに、2020年代になった頃から、慌てて4Kや60pを意識し始める会社が続出します。今までの4Kに対する懐疑的・否定的なスタンスから早変わりして、尻馬にのるいつものアニメ業界の光景です。

 

でも全く技術は持っていません。なにせ「アニメは2Kで十分」と言っていた人たちの集団なので、何の知識も準備もないです。

 

そこで付け焼き刃のあらゆる模索が始まります。

 

そう‥‥、まるで今の「いきなり!AI」のように、です。

 

面白い記事を目にしました。読んでで思わず吹いてしまった箇所もありました。

 

 

「AI開発ミステリー 〜そして誰も作らなかった〜」 とある大手製造業の怖いハナシ

 

 

この「AI」部分を「4K」に置き換えると、未来のアニメ会社の姿がなんとなく浮かび上がってきますネ。

 

面白いのは図でも同じで、

 

 

 

‥‥の図は、近い未来の「なんの実感もないまま、社会の風潮に翻弄されて4Kに手を出す」アニメ制作会社を予感させます。詳しくは、ITmedia newsの記事をお読みください。

 

同記事の最後のページ「そして誰も作らなかった」は、まさにミステリーですネ。

 

 

私は今、まさに4Kに取り組んでいるので、リアルに4Kの色々を実感しています。どこがどう難しいのか、どのようなスタッフがこれから必要か、どのような制作意識が根本に必要か‥‥など、頭で考えるだけの空論では体験できない様々な要目と現実に取り組んでいます。

 

特に深刻なのはアニメーター。4Kに対応できるアニメーターは現在業界には個人としても集団としても「枠」が存在しません。未来のアニメーターは、線画だけ液タブで描けてもどうにも立ち行きませんから、新たに育成する必要があります。

 

記事の中で、

 

そこで問題だ! どうやってAIを開発するのか? 3択で1つだけ選びなさい 

 

 

 少年漫画ならば1か2になりますが、残念ながらこれはIT業界のお話です。

 

 

‥‥のくだりがありますが、この文中の単語を

 

AI→4K

エンジニア→アニメーター

IT業界→アニメ業界

 

‥‥に読み替えれば、必ず「答え3」になることは、言わずとも予想できますよネ。

 

 

 

別のITmediaの記事で、

 

結局、地道だけど人材の育成に取り組むしかない

 

‥‥という現場単位での意識、そして、当事者本人においても、

 

勉強し続ける気概、情熱が大事だ」

 

常にアップデートし続けないと生き残れない

 

‥‥も、改めて重要なことですネ。既存のシステムに腰かければ生きていける‥‥なんて、どこかで通用しなくなるのは、いつの時代も変わらないとは思いますけどネ。世代はあまり関係ないです。

 

 

 

4Kは2Kの延長線上の「ちょっとした仕様変更」では済みません。大げさな話ではなく、現場=制作会社の体質の入れ替えすら必要になりましょう。2Kで通用していた演出論は4Kでは通用しなくなります。2Kで通用していた作画技術の慣習は、4Kではプア過ぎて見窄らしいです。

 

アニメを2Kで終わらせて消える運命にあるのか。

 

4Kをむしろ武器として新しい足場を獲得するのか。

 

 

「じゃあ4Kだ」と意気込んでも、意気込むだけでは何も得られません。自分自身の手で4Kの絵を描き、HDRで色を塗り、そして60pで動かすからこそ、実感が得られるのです。

 

自分たちを助けてくれて、自分たちを未来へと導くのは、結局は最後、自分たちでしかない‥‥ですよネ。

 

 


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