CCのコスト

AdobeのCCが発表された2012年、とびつく勢いですぐに契約しました。なぜかというと、バージョンアップの料金に毎年苦しんでいたからです。

 

記憶が曖昧ですが、メジャーバージョンアップが2.5〜3万円、マイナーバージョンアップが1.5〜2万円くらいだったように思います。それをメインのソフト=After EffectsとPhotoshopで2つをほぼ毎年、サブのソフト=Dreamweaverを2年間隔くらいで、更新するのは相当キツかったです。

 

キツいと言っても年間6万にはなりませんでしたが、その代わり、IllustratorやPremiereやInDesignやFlashはハナから諦め、Dreamweaverなどサブ使用のソフトは数年前の古いバージョンに甘んじなければなりませんでした。

 

Creative Suite=CSのセットをまず最初に買うには、手頃なセットで20万くらい、フルセットだと30万越えだったようにも記憶します。それでも単体で5〜15万円のソフトを個別に買うよりはずっとお得でしたが、そのセット内容を全部、年ごとのバージョンアップに対応させるのは、個人の自腹では相当厳しい状況でした。そのうちに虫食いバージョンアップになって、放置していたソフトはバージョンアップ有効期限を失効する‥‥なんていうオチになります。

 

つまり、そもそもイニシャルコストが捻出できず、無理してCSのセットを買っても、その後の維持=バージョンアップがままならず、節約すればそのぶん使うソフトと機能が限られ、どんどん状況が変化する映像産業の技術に追随しにくくなる‥‥という痛い箇所ばかりでした。

 

なので、月5千円=年間6万円とは言え、すべてのAdobeアプリケーションが、すべて最新版で使用できる、2012年の新しいソリューションの「CC」にとびついたのです。

 

 

 

年間6万円。‥‥微妙な値段です。安いとは言えず、むしろ高いとは思いますが、月5000円の引き落としでアドビの最新版フルセットが使えるのは、昔からそれなりのお金をつぎ込んで使ってきたユーザとしては、決してバカ高いわけではないです。

 

最近は同じ月5千円のアカウントで、iPadで使うiOS版のアドビのアプリも制限なく使えます。来年リリースとの公式アナウンスのあったiOS版Photoshopと、「ようやく」アドビが繰り出したドローソフト「Project Gemini」も、同じ提供形態になると思われます。

 

そうなんだよね‥‥。1ライセンスいくら‥‥で買ってた頃は、新しいアドビのソフトが発売されても、手が出せなかったんですよネ。だって、まず最初に5〜15万くらいかかるし、その後のバージョンアップ料金の負担も1ライセンス分増えますし。

 

 

 

今まで何度も書いてきましたが、コンピュータはかなりの金食い虫です。アドビの月5250円だけで済むわけではなく、クリスタもサブスクリプションですし、定期的なマシンや周辺機材の買い替えも毎月の支払いに換算すれば、相当な額に達します。

 

アニメの作画机が一生物だった頃とは、キッパリ大きく愕然と、状況が変わります。毎月、お金を「環境を維持するためだけに」吸い取られ続けます。

 

金を食われる状況に身を置くのなら、食われたぶん、自分の状況のプラスに作用させないと、ただの食われ損です。

 

コンピュータを導入する前と後では、たとえ個人レベルであっても、ビジネススキームの違いをハッキリと認識して、日々の仕事と作業に反映させることが重要です。じゃないと、単に趣味でコンピュータが好きな人に留まるだけです。

 

もしコンピュータを自分の絵や映像を作る仕事のツールとして導入したのなら、その導入が大きな実利をもたらすように、アクションを変えねばならないでしょう。

 

 

 

「自分はただ純粋に絵を描いていたいだけなんだ」と思う人もおりましょう。しかし、絵を描くのを趣味ではなく仕事にしちゃったのなら、仕事としての損得勘定、ビジネスとして展開上の「狡猾さ」は、どうしても必要です。

 

絵を描くことを職業に選ぶことは、決して、大人になっても子供の感覚のままで生きるための隠れ蓑ではないはずです。

 

「あなたの才能に惚れ込んだ。あなたは自由に絵を描いていればそれでいい。必要なお金は全部私が用意する。」‥‥みたいな、夢のようなパトロンでも出現しない限り、自分自身の行動によって、自分の仕事が有利に展開するように、戦略と戦術を練る必要があります。それが絵を描く本筋と隔たっていたとしても、ホビーをビジネスに変えた人間の宿命なのです。

 

 

 

Warez(今はほとんど聞かないスラングですね)で凌いできた人ならともかく、正規のルートで対価を支払ってソフトウェアを購入&維持してきた人は、そのコストがどれだけ積み重なって生活費に影響を及ぼすか、強い実感があるはずです。時には、ソフトウェアの更新に合わせて、予定になかったマシンの買い替えの必要性にすら迫られますしネ。

 

「私はアニメ業界のアニメーターです。」という旧来のスキームから抜け出して、アニメ以外の画業も自分で開発していかなければ、コンピュータ機材を主軸とした自分の作業環境を良好に維持するのは不可能です。アニメの作画料金だけで維持できるほど負荷は軽くないです。

 

他の出費を抑えて充てる‥‥という思考だけでなく、自分のビジネスとしての、画業のとしての、「生涯視野のスキーム」を再考する必要があるでしょう。たとえ社員として雇用された若いアニメーターでも、20〜40年後の自分はどうなっているかを考えれば、「会社に依存しきる」のはNGです。

 

自分の身を守ってくれるのは、会社でも業界でもなく、最後は自分ですもんネ。

 

CCをはじめとしたサブスクリプションを、どう自分の「生涯の仕事」に作用させていくか。

 

ストラテジーとか言うと大げさかも知れませんが、個人レベルでも戦略規模でものごとを思考して、確実かつ地道に実践していくことが必須だと思います。

 

 

まあ、メーカーとしてのアドビは、耳障りの良い宣伝文句ばかりを押し出してきますが、それはそれで適度に受け取って適度にスルーしておきましょう。「我が社の製品を導入すると、こんなに負担が増えますよ」なんて宣伝する企業は、どこにも存在しないですからネ。

 

なので、宣伝文句ばかりに浮かれず、月5250円の負担を冷徹に捉えて、自分の仕事に作用させてどのように実利へと導いていくか。

 

その程度はあらかじめ考えておいても、「考えすぎ」にはならないと思ってます。

 

 


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