辺境は魔境

もう10年以上前に、After Effectsの米国の開発者の人々とお話したことがあるのですが、その際に「何か要望はあるかい?」的な話題になったので、「dpiを任意に設定できるようにしてほしい。Mac由来の72dpi固定ではなく。」と言ったら、「???? 何を言ってるんだい? 極東の人よ。」的な顔をされたことがありました。ファイナル段階の映像効果の際に印刷(スキャン)解像度など必要ないだろう?‥‥的な。

 

その話の流れの中で、当時(2000〜2004年くらい)としてはAfter Effectsは、まさに「アフターのエフェクト」な認識であり、米国本国の開発者の人々にとっては「実物の紙とデータのやりとり」のことなど想定外・Out of 眼中なのが感じられ、「After Effectsをアニメで使うなんて、隅っこの使い方」なのをひしひしと気取ったものです。

 

東洋の辺境の地で、After Effectsを「アニメとやら」に使い始めているらしいが、まあ、ご自由にどうぞ。日本のアニメで使うために特に機能強化やサポートはしないけど。‥‥的な空気を感じたわけです。

 

時は流れて、2018年。

 

今も変わってないよネ。その基本スタンスは。

 

でも、それで良いと思っています。

 

正式な機能としてAfter Effectsにタイムシートを!‥‥的な要望もあったと聞きます。私はそういう要望はしませんでしたけどネ。なぜかというと、After Effectsをアニメの撮影ソフトウェアに染めたくないからです。コアレタスのようになっては、絶対にイケないと考えていました。そんなことをしたら、After Effectsの良さが「アニメの作業慣習に毒されて」どんどん消えてしまうと思うからです。

 

After Effectsはボルトやナットからゼロから作れる、中庸・中道な「スクラッチ性」「カスタム性」が、実は1番の魅力なのです。アニメの撮影ソフトでも実写や3DのVFXソフトでもなく、アニメの撮影ソフトでも実写や3DのVFXソフトでもあり‥‥という、「のらりくらり」感が最高なのです。何らかのワークフローに縛られないところが良いのですヨ。

 

なので、72dpi(macOSの場合)固定の状況も、変わらず仕舞いで良いと今は思うようになりました。‥‥まあ、解像度の設定くらいはあってもバチはあたらないとは思いますが、無くても良し。

 

 

まあ、大体、どんなソフトウェアも「開発者の想定外」の使い方をユーザがし始めて、「真のポテンシャルが覚醒する」と思っていますから、アドビはAfter EffectsをAfter Effectsとして、世界規模の映像フォーマットの進化に追随するようにして、整然と開発し続けてもらえばそれだけで十分です。「思いもしない使いこなし」はユーザ側でやるので。

 

仮に、天地創造の神がいたとして、生物としては身体的弱者に属する人類が土や木を油をこねくり回して「人を乗せて空を飛ぶ金属」を作るようになるとは、まさか、思わなかったでしょう。

 

辺境・魔境の自分の立ち位置を、むしろ愉快痛快奇々怪々に楽しんでこそ。です。

 

そういった意味では、旧来アニメの本流から脱して、新しい取り組みに没頭するのも、これまた辺境・異境の境地、愉快痛快なAfter Effectsの使い方です。まさか、アドビも「こんなふうに」After Effectsで「アニメの作画のソフトウェアに魔改造」されるとは思ってもいまい。

 

 

まあねえ‥‥。アニメの撮影にAfter Effectsを使うのだって、昔は「物好き」のやることだったしね。未来はどうなるかよくわかんないですよネ。

 

 

 


関連する記事

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< December 2018 >>

selected entries

categories

archives

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM