主題歌の妙

最近、私が子供の頃に聴いていたアニソンを聴いているのですが、イントロが妙に記憶に残っている曲が数曲あって、「同じ作曲家ではないか」と調べてみたら、どんぴしゃり。宇野誠一郎さんでした。

 

宇野誠一郎さんの楽曲は、独特の浮遊感というか、不思議空間のニュアンスがあって、イントロやメロディー(和声進行も含め)に特徴が表れています。

 

宇野誠一郎さんの独壇場というか、特徴が顕著に表れているのが、「アンデルセン物語」テレビ主題歌のイントロ、「一休さん」テレビ主題歌のイントロです。子供心に記憶に残っている人も多いんじゃないでしょうか。

 

アンデルセン物語のイントロ。GrageBandに打ち込んでスコアを作りました。‥‥が、異名同音の間違いがあるのは機能の限界ゆえ、見逃してください。

‥‥GarageBandは三連符の表示が出ないみたいなので、12/8解釈ですと以下。

*3小節目の「レb」は、正しくは「ド#」です。GrageBandは記譜上の異名同音を修正できないのです。3小節の3拍目は、コードで言えばAメジャーになります。ちなみにLogicだと異名同音〜エンハーモニックの指定ができます。

 

 

一休さんのイントロ。

 

 

豪快な平行移動が耳にこびりつきます。このイントロの印象は、もはやそれぞれのアニメ作品本編の「正面入り口=エントランス」とも言えるほど強烈です。

 

 

このイントロの平行移動が醸し出す雰囲気は、アンデルセン物語の「お話、ちょっぴり、狂ってる」という歌詞そのままです。聞き慣れたメジャーコードのトライアド(長三和音)が、イントロの旋律に合わせて平行移動することによって、響きとしてはシンプルなのに何か可笑しなニュアンスを放つのです。

 

一休さんのほうは、「奇想天外なとんち=飛躍した発想」を体現するかのような、Cm>1オクターブ下のDmaj>Cm>1オクターブ下のDmaj‥‥の飛躍した進行です。、Cm>Dmaj>Cm>Dmajではダメで、あくまで1オクターブの跳躍が効いているのです。「考えもしないような突飛で飛躍した、一休さんのアイデア」をイントロからド直球で表現しているわけです。ライトモティーフ的に言えば「とんちの主題」と呼んでも良い音節です。

 

なぜ、昔のアニメソングがアニメ作品の内容と共に記憶に残っているのか。

 

明らかな理由は、上述のように、アニメ作品本編の内容とシンクロしているからです。アニメ作品の内容やテーマを主題歌でもたっぷり表現していたことに、子供の頃は気づかなくても、今はよくわかります。子供の頃は、そうした工夫を無意識にでも感じ取って、絵と音を一体物として受け入れていたわけですネ。

 

作品の印象と音楽の楽想が織りなす表現。‥‥そういった意味では、アニメだけでなく実写も同じ構造が通用して、例えば、本多俊之さんの「スーパーの女」のメインテーマも大好きなんですよネ。本編の泣き笑い悪戦苦闘のストーリーを体現している楽しい音楽です。あまりにも好きな曲なので、今さらではありますが、サントラを出してくれないかな‥‥。

 

 

音楽の趣味趣向は時代によって変わりましょう。しかし、アニメや実写作品における楽曲において、作品を旺盛にイメージして作曲する態度‥‥というか姿勢の必要性は、時代の移り変わりに関係ないように思います。

 

キャラクターの絵を描く時、作劇上のキャラクターの性格や生い立ちを無視して、単に可愛いパーツだけ・流行りのパーツだけを寄せ集めて描くでしょうか。‥‥否、ですよネ。‥‥もしかしたら、そういう人もいるかも知れませんが、普通は、どんな性格をしてるんだろうとか、どんな生い立ちを背負っているんだろうとか、いろいろ想像して描きますよネ。

 

映像作品の音楽も同じだと思うのです。その時々の流行りの曲を寄せ集めてサントラ‥‥だなんて、少なくとも私は「作品を観る気が失せる」のです。映像作品のために、音楽を真に作って欲しいと思っています。

 

主題歌も歌詞だけに頼るのではなく、楽曲の趣きや進行にも作品性を反映して欲しい‥‥と願います。

 

 

 

 


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