ケーブル

機器を結線するために用いる配線材。すなわち、「コード」や「ケーブル」ですが、8〜12年の周期くらいでどっさりと廃棄処分になります。なぜかというと、機器の更新に伴って、ケーブルが必要な規格基準を満たさなくなるからです。

 

昔懐かしいSCSIケーブルは大量に処分しましたし、民生のビデオケーブルももはや使う機会があまりにも少なく、「いざという時のために少しだけ残して」大半は捨てました。

 

最近また、そんなフェイズに差し掛かっているケーブル規格があります。

 

HDMI、DP(ディスプレイポート)の旧規格のケーブルです。

 

HDMIは2.0か2.0a以上、DPは1.2以上が明確に必要になります。そうしたバージョンが明記されていない、「Hi-Speed」表記や「4K対応」表記は、あてにならないどころか、混乱の原因です。

 

HDMI2.0未満のケーブルでもHi-Speedとか4K対応とか、パッケージやネット通販の説明に書いてありますが、実際はHi-Speedでも18Gbps未満の以前の規格バージョンだったり、4K対応でも30Hzどまりだったりと、かなり注意して購入しないと意図せぬ残念な結果になります。

 

でね‥‥。これは商売の常‥‥なんでしょうが、現在最新ではない規格のケーブルのパッケージや購入ページには、HDMI2.0非対応!‥‥とか、4Kですが30Hz止まり!‥‥とか、わざわざマイナス要素を書くことは少ないのです。

 

現在店頭やネット通販で「売上ナンバーワン」のケーブルが、必ずしも最新である保証はありません。

 

HDMIに関しては、4K HDR 60pで映像を映し出したい場合は、

 

解像度

リフレッシュレート

 

‥‥の全てを確認する必要があります。規格を満たしていないと、どれかが期待しない結果となります。買う際に、スペックの表記ではなく、「2.0」というHDMIのバージョン(DPなら1.2)が明確に記述してあるケーブルを買ったほうが手っ取り早いです。そして、購入して実際に結線したら、上記の3要素を必ずチェックすべし!‥‥です。

*DPは1.3や1.4があるようですが、現在普及しているのは1.2ばかりです。

 

厄介なのは、解像度とリフレッシュレートは、2.0未満のHDMIでもしばしば4K60Hzを伝送できることです。それで「4kHDR60pに対応している」と早合点しがちになりますし、実際にメーカーがどんなケーブル材を使っているかなんてアウトサイダーにはわかりません。

 

最近、ケーブル1本の規格が原因で色のトラブルがありましたが、幸い、複数台のミラーリングと、ちょうどトラブルが判りやすい色味だったので、すぐに気づきました。もし、シングルモニタだったら、ケーブルの旧規格が原因で色がズレて表示されても、「そういう色なんだ」と思い込んで、オリジナルのカラーデータのほうをイジってしまう「一番マズい状態」に陥ります。

 

なので、大量に廃棄。今すぐじゃなくても、いずれは廃棄。

 

いつ買ったのか、どのような経緯で買ったのか、バージョンがいくつかもわからない(ケーブルに記述があれば良いのですが‥‥。ネットワークケーブルのように、Cat.5eとか6とか)、覚えてなくて紛らわしい、昔のケーブルは厄介のもとです。

 

現在、私が自分でケーブルを買ったり、作業場で購入する場合は、非常に「ケーブルのバージョン」を気にして、ピリピリしながら買いますし、購入をお願いする場合は明確に仕様と規格を伝えます。まあ、システムスタッフさんは、その辺は勝手知ったるで、私以上にピリピリっとしていますから安心ではあるのですが、一応、私のほうでも「ケーブルは何が必要なのか」を理解しておくことも含めて、事前に色々と調べてから買うようにしています。

 

 

 

旧規格のHDMIケーブルやDPケーブルは、近い未来に一気にゴミと化すぞ‥‥。

 

今さ‥‥100baseのネットワークケーブルって、もうどうにもならんじゃん。「いやいや、ご家庭のネットワークはそもそもWAN側が50Mbpsにも達していないことが多いから、使い道はある」‥‥とも言えるのですが、少なくとも、新しく買うのは最低でも1Gbps対応の5eでしょう。

 

2年前くらい(2016年頃)に、実家のテレビラックの後ろから、10baseのハブが出てきて驚愕しました。ケーブルテレビのネット回線を使っているので、30Mbpsくらいは出るのに、10baseのハブで全て台無しにしていた‥‥という。

 

2016年まで、10baseの同軸までついているハブを使い続けてた‥‥って、スゴいですよネ。

 

ご家庭ならば笑い話になりますが、映像制作のプロの仕事ではそうはいきません。

 

機材を4K時代の最新機器にリプレースしたのなら、今まで使っていたケーブルは再検証して、ダメなものは潔く「2Kまで対応」と書かれたダンボールに詰めて一定期間保管したのちに、潔くリサイクルに出すべし‥‥です。少なくとも私個人はそうしないと、部屋がどんどん、昔の使えない物品で圧迫されます。

 

新しいケーブルの購入費用も新規機材費として、ぬかりなく計上すべし!‥‥です。

 

 

大量消費社会にうんざりする‥‥でしょうか。私も、ふと、「後から後から次々と新しいものに乗り換える」日常に疑念を抱きかけることもあります。

 

しかし、抱きかける‥‥だけで、決心するには至りません。まさにアニメそのものが「大量消費社会の寵児」だと再認識するからです。

 

どんなにエコを気取っていても、現代社会で電気を使い電車にのって会社に行って仕事して‥‥という時点で、消費社会の一員です。どのくらい「表面上は手を汚していないか」だけのレベルで、例えば、豚肉のソテーを食べられるのだって、豚ちゃんを誰かが屠殺しているから‥‥であって、豚肉を食している時点で豚を殺しているのと同義です。だからって、豚肉やまぐろは誰でも食べるでしょう?

 

アニメを作る‥‥なんていう仕事は、大量消費社会を自ら体現しているようなものでしょう。紙時代だって、口パクの閉じ口だけで紙1枚を使って、不要になったら大量の産廃‥‥ですからネ。アニメーターになったころに、「アニメは随分と紙を使い捨てる産業なんだな」と思ったものです。そして今は、コンピュータはその処理能力ゆえに電力消費と排熱がすごくて、その冷却のために空調でガンガン冷却して電気を消費する様を毎日見ています。

 

そもそもアニメは電気がないと成立しない産業です。そして、大量消費のスキームの中で商品を売ります。

 

であるならば、高性能な機材を少数人数で使いこなして、制作を成立させるような「エネルギー効率の高い現場」を目指すしかないと思っています。その一環には、「しかるべきケーブルを購入し、機材のポテンシャルを必要十分に引き出し、人間の能力の拡張につなげていく」ことも含まれましょう。

 

そういう意味では、旧来の現場の「人間が生み出すエネルギーの燃焼効率」は極めて低いと言えます。曲がりなりにも、絵が上手いと少年少女の時代から言われてきて、さらに研鑽を積んで高レベル技術者にもなろうという人間が、動画で月5万円しか稼げない燃焼効率って、いったい、どれだけエネルギー損失率が酷いんだよ???と思います。

 

ケーブルをこれだけ大量に廃棄処分にして、旧式化した機材の累々とした残骸の上に立つのなら、より良き作品制作とより良き現場を志したいと、真に思うわけです。

 

 

 


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