夜明け前

今までの役職ありき、今までの工程不動のままで、「デジタル化」を導入するのは、業界にありがちな傾向です。しかし、その「デジタル」の実体=コンピュータ機材やソフトウェアやネットワークの本来の「ポテンシャル」を有効に活用できるか否かは、必ずしも今までの役職や工程を踏襲するだけでは「YES」「TRUE」とは言えません。

 

今まで役職名や作業項目の先頭に「デジタル」を付与する行動、すなわち‥‥

 

デジタル演出

デジタル作画

デジタル美術

デジタル彩色

デジタル撮影

デジタル編集

デジタル制作

 

‥‥なんていう命名は、コンピュータの有効活用の是非よりも、今までの慣習に染まりきって思考停止した人々の姿が浮かび上がります。

 

そのうちに‥‥

 

デジタルカット袋

デジタル作画用紙

デジタルタップ

デジタル修正

デジタル差し替え

デジタルリテーク

デジタル納品

 

‥‥と、何でもお構いなしに「デジタル」を付与するようになるかも‥‥知れませんネ。

 

さらには、子育て家庭で「在宅ワーク」が導入され、サーバにアクセスして作業を開始したログが記録されると‥‥

 

デジタル出社

 

‥‥とか言い出しかねませんし、コンピュータやiPadやスマホで、音声や映像のチャットで打ち合わせをするのを‥‥

 

デジタル打ち合わせ

 

‥‥とか言い出して、さらには、何かをやらかして、サーバにアクセス禁止のパーミッション設定処置を取られたアカウントのユーザは‥‥

 

デジタル出禁

 

‥‥とか言うようになるかも知れませんネ。

 

まあ、安易に「デジタル」を使うことが、どれだけ「幼い」行為であるかが判ろうと言うものです。

 

 

 

私が本格的にコンピュータを導入したアニメ制作に関わり始めた1990年代後半、「デジタルアニメーション」と命名されて紹介されていました。そのネーミング自体が、コンピュータ導入の黎明期、「夜明け前」、「技術が幼い頃」の象徴だったと思います。

 

20年が経過した、2018年の今。

 

まだ「デジタル何々」なんて言ってんのか。長いなぁ‥‥。

 

つまり、いつまで経っても、アニメ業界の「次の日の朝」は明けない‥‥ということでしょう。

 

 

 

別によくないですか? コンピュータを使おうと、「作画」「演出」の素のままで。

 

Adobe CCがあれば、PhotoshopもAfter EffectsもIllustratorもPremiereもAuditionも全部使えますし、無償版のDaVinci Resolveだってありますよネ。それらソフトウェアを使って、映像を作れば良いことです。「デジタル」なんて言葉は、どこにも必要ありません。

 

映像だけでなく音にアニメ映像を合わすのだって、After EffectsやDaVinciに音声データを読み込んでタイムラインに並べて、波形の形と実際の出音に合わせりゃ良いだけだし。‥‥難しいことなんて、何もないでしょ。むしろ、以前より格段に簡単になりましたよ。

 

何でも「デジタル」を語句の先頭に据えたい人って、何をもったいぶって、自らめんどくさく、遠回りしようとしてるんでしょうかネ。

 

 

 

「人の一生は重き荷を負うて 遠き道を行くが如し 急ぐべからず」

 

コンピュータを主軸に据えたアニメ制作の道のりは、まだまだ未来へ続きます。「デジタル」の語句で事を済まそうとする光景も、淘汰の潮流の中に消えゆく情景の1つだと思えば、それはそれで、傍観してれば良いんだな‥‥と思います。

 

「デジタル」なんていう語句に惑わされることなく、未来への道を一歩ずつ、踏みしめて参りましょう。

 

 


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