根性の使い道

4KHDRで60pのアニメーション制作は、何を言ったところで、根性は必須です。そりゃそうだ。‥‥今までとは格段に繊細な絵と動きの品質を問われるわけですから。

 

なので、1日の根性は絵を作る事で使い果たします。作業段取りに根性を割いている余裕などありません。

 

だから、雑事の自動化です。

 

絵を作ること・映像を作ること「以外」の作業は、出来うる限り自動化せねば、身が持たず、ブラック産業に後戻りです。

 

ゆえに、

 

俺、コンピュータ音痴だから

私、プログラムなんてわかんな〜い

 

‥‥なんて、何の冗談にも愛嬌にもなりません。みんなで最低限のプログラム知識は持ちましょう。それが現場で1日中コンピュータをいじくって仕事する人間の、未来の姿・素養です。

 

 

日本語を覚えても、誰もが人を感動させる詩や小説を書けないのと同じく、プラグラムを覚えても高度なソフトウェアを作れるわけではありません。

 

しかし、日本語を覚えれば、状況を他に伝達し、達成目標を伝えることはできます。詩的な言い回しなど必要ありません。

 

同じくプログラムも、高度なソフトウェアは作れなくても、雑事を軽減するヘルパースクリプトくらいなら作れます。

 

DIYの日曜大工で家は作れなくても、椅子や棚は作れますよネ。それと同じです。

 

 

「勘」は人間の優れた能力の1つです。しかし、「勘」に頼り切ると、いつかどこかで破綻します。要は、「勘」に頼る部分と、「合理」に頼る部分とを、切り分ければ良いだけです。一緒くたにするから、迷走するのです。

 

プログラム能力を身につけることは、合理性を大きな要素として体得することに等しいです。勘であてずっぽうにコードを書いても、プログラムは動作しませんからネ。

 

アニメーション制作では、すべてが勘で乗り切れるわけもないですし、すべてが合理性で解決できるわけでもないです。矛盾した要素が同居するのが、「商業作品の作品制作」というものです。

 

商業作品に従事する映像作品制作者は、クリエイティブな側面と事務的な側面の両面を併せ持つのです。ゆえに、事務方面のルーチンワークは自動化で処理して、クリエイティブ方面に力を注ぎ込むと、作品の表現にウェイトを置くことが可能になります。

 

じゃあ、何をすれば良いのか。

 

ちょっと前にも書きましたが、表計算で日々の雑事を集計してみるのは良いでしょう。関数を使いこなして、自分の日頃の経費などを日記代わりに表計算に記録するのはアリです。

 

あともう1つはESTKですかね。アドビのスクリプト環境です。アドビのPhotoshopやAfter Effectsなど様々なソフトウェアがプログラムコードで自動化できます。

 

ESTKはアドビだけでなく、ファイルシステムの自動化も可能です。

 

例えば、レンダリングのうっかりミスで「A下セル」を「Aセル」の間違った名前で書き出しちゃった‥‥とします。

 

 

 

ファイルは72枚もあり、手動で名前を変更するのはアホ過ぎますし、連番はそのまま残しておきたいので、誰かの作ったリネームソフトの都合ではなく、自分の都合で「a」の部分だけ差し替えた変更処理をしたい‥‥と思います。

 

なので、ESTKでたった3行のプログラムを作ります。以下。

 

 

var theFolder=Folder.selectDialog("フォルダを選択してください");
var theFiles=theFolder.getFiles("*_?????.tga");
for(var i=0;i<theFiles.length;i++){theFiles[i].rename(theFolder.name+"_"+theFiles[i].name.split("_")[theFiles[i].name.split("_").length-1]);}

 

 

ブログのスペースの都合で文が回り込んで4行に見えますが、実際は3行です。

 

親フォルダの「a」を「a-un」に変更すると、ファイル名は親フォルダの名前を継承する‥‥という内容のスクリプトです。ESTKはAfter EffectsやPhotoshopだけでなく、ファイルシステム上のリネームや移動なども処理できるのです。

 

早速、実行しましょう。一瞬で「a_00001.tga〜a_00072.tga」が「a-un_00001.tga〜a-un_00072.tga」にリネームされました。

 

 

 

たった、この3行のプログラムが書けないばかりに、誰かの作ったフリーソフトを一生懸命探して、そのフリーソフトに不具合やOS未対応があっても手も足も出せず、泣く泣く他のフリーソフトを探す‥‥みたいな「ネット漁り」をしなければなりません。

 

能力の貧富の差が著しく表れるのが、コンピュータの世界の怖いところでもあり、痛快なところでもあります。

 

コンピュータを使って一日中、映像や絵を作っているんでしょ? ‥‥だったら、コンピュータを使いこなせたほうが俄然有利じゃないですか。

 

コンピュータに対して、手も足も出しましょうよ。

 

 

根性は、絵作りと映像作りのために使い切りたいものです。しかし、往々にして、コンピュータの作業でも雑事は付きまといます。

 

だったら、早期にプログラムの「いろは」を学んでおいて、自分が映像作りの中心的人物になる頃には、スクリプトプログラムくらいは手足のように使えるのが好ましいでしょう。「コンピュータを使いこなして映像世界を具現化する」ために必須ですヨ。

 

ソフトウェアが発達したから、コンピュータのことなど知らなくてもソフトは使える‥‥なんて、20年前の売り文句に過ぎません。

 

むしろ現代は、コンピュータの深部にどれだけ斬り込めるかで、映像表現の具現化=生産性が大きく上下し、個人だけでなく、集団の「能力の貧富の差」がはっきり作品に表れる時代です。

 

 

根性の使い道をわきまえることで、作品のクオリティに反映するだけでなく、「ブラック」と言われ続けた現場の未来をも左右することになるでしょう。

 

 


関連する記事

calendar

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>

selected entries

categories

archives

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM