未来の機材

iMac Proは紛れもなく4K時代の標準的な作業マシンです。高価過ぎて個人では中々買えないマシンでもありますが、高価なりの理由は本体にギッシリ詰まっています。‥‥ゆえに、特にThunderbolt3周りで2018年現在は苦労することになりますが(ケーブルがね‥‥)、細々としたことはいずれ時間が解決してくれましょう。

 

内蔵のSSDの速度は高速で、外付けのSATAベース・Thunderbolt3の8発RAIDを凌ぐ速度です。

 

 

 

アニメ制作作業の場合、WRITEよりもREADのほうが重要度が高いのですが、WRITEはメーター振り切れ、READも2200〜2400MB/sを常時キープしています。MB/sなので、ギガにしてbpsに単位を変えると、18Gbpsにもなります。ProRes4444 XQだけでなく、422の非圧縮を、60pで送出して余るREAD速度です。

*18Gbps=18000Mbpsがどれだけ高速かというと、DVDビデオの転送速度は9Mbps、Blu-rayビデオでも50Mbpsですから、かなりの超速ではあるのですが、プロ用途の綺麗な画質で4KHDR60pで10〜12ビットともなると、ProResで3000Mbps前後になるので、トラックを数本持つだけですぐに限界に近づきます。

 

つまり、「ここ数年」だけでなく、結構先まで、制作作業に耐え得るマシン‥‥と言えます。現在のフォーマットに合わせて機材調達や作業をすると、未来に想像以上の負のリスクを背負うことになりますから、数年先を見越して取り組むのが「新時代を切り開く」鉄則です。

 

 

その昔、「デジタルアニメーション」〜仕上げ以降をコンピュータで作業&処理する制作技法がスタートした1990年の中頃、映像フォーマットは今よりも格段に品質の低い内容でした。ゲーム機は特に低く、PS1は、ビデオ解像度もフレームレートもSDの「ハーフ」で320px(横幅)で15fpsでした。

 

320px、15fps。アップコンして現在に蘇らせるのも難しいスペックです。

 

私が当時制作に取り組んでいたプレステの攻殻ゲームの映像パートは、幸いにも、640〜720px前後(細かい数値は忘れました)の30fpsで作っていたので、今でもかろうじてアップコンで画質を保てます。しかし、他のプレステ作品の映像パートは320pxで作っていたので、映像品質的に後年に全くつぶしの効かない「過去の遺物」になってしまいました。

 

‥‥320pxって言ったら、macOSのアイコンのサイズと大差ないじゃんか。

 

でも当時は、「320pxだと軽くて作業が楽」と喜ばれていたのです。その「楽」さの代償として、二束三文的な解像度で作り飛ばしたわけです。過渡期ゆえの出来事‥‥ですネ。

 

「過渡期」というコトバ、状況を忘れずに、未来に何がスタンダード足り得るかを、特に先進的な映像制作に従事する人間は、耐えず意識せねばなりません。

 

2Kが4Kになった、SDRがHDRになった、24or30fpsはそのまま‥‥なんてことは考えにくいわけで、24or30は、48or60に次第に塗り替えられていくでしょう。2018年の今はインフラの質がそこまで到達していなくても、2023年、2028年はどうでしょうかネ。

 

ですから、iMac Proを基幹とした作業環境も、当然、未来を見据えて調達するのが大事です。「フレームレートだけは24のままで考えてます」的な機材調達は、未来を読まずに安物を買って銭を失うことになりかねません。ゆえに、60pも動作する環境を整えて、現在は24pに対応しつつ、24から60までの幅を有しておくのが肝要と心得ます。

 

未来をみくびってはいけないのです。

 

過去、フィルムさえ映画館から一掃した「未来の世界」(=つまり現在)ですヨ。何が起こるか、現在だけの視野では「未来の世界」は読みきれません。

 

さて、「今度の未来」は何が一掃されるのでしょうか。

 

私は、まさか24fpsが消えるとは思っていませんが(ハリウッドでは24fps支持が強いと聞きました)、かたくなに24fpsオンリーでもない‥‥と予測します。なぜって、新技術では枚数制限(=枚数という概念)がなくなるので、24fpsに固執する理由も消失するからです。アニメ現場が多かれ少なかれ新技術系を導入する必要に迫られるのは、「ブラック」と比喩(揶揄?)される制作構造・技術構造から脱出するためにも必然でしょう。

*ちまたのツイートでは「今の作りかたのまま、窮状から救ってほしい」みたいな論調を目にしますが、技術改革なくして窮状からの脱出もありえません。アラブの大富豪が現れて野放図にアニメ会社に投資してくれる‥‥のを待つのでもなければ、他の業種や産業の技術進化と構造改革をお手本にして「総合的な解決策」を実践すべきです。

 

 

 

4K60pHDRのアニメ映像は別格に美しいです。24fpsが30fpsになったのとはまるで違います。アニメの新世界と呼ぶにふさわしいです。

 

その新世界を切り開くのは、iMac Proをはじめとした高性能の機材です。

 

まあ、10年後に「iMac Proとか、4K HDRモニタとか、昔は金がかかったよねえ‥‥」と酒の肴にする日を楽しみにしつつ、今は高価な機材に見合う高品質なアニメ映像制作に邁進する所存です。

 

 


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