BG透過光

HDRで使えなくなる演出&作画技法は色々ありますが、特に「BG透過光」はその筆頭です。

 

イメージ・心象としてのBG透過光は使い方次第でHDRでもイケると思いますが、「露出オーバーで白とびして透過光」というのはダメです。BG透過光がむやみに目に刺さるだけです。

 

そもそも「露出オーバー表現のBG透過光」は、暗部から明部に至るダイナミックレンジ=DRが狭いゆえに、暗い部分に露出を合わせたら、明るい部分が露出過多になってフレアを伴って白くとんじゃった‥‥という表現の簡略表現ですから、DRがHigh=HDRになった映像技術・フォーマットにおいては「意味不明」になりやすいのです。

 

HDRで眩しいから‥‥といって明るさを鈍く抑えたら、なぜ白くとばしているのかコンセプトが崩れますし、300〜1000nitsのレンジをもつHDRでレベルオーバー表現をしようものなら、視聴者の目を殺す気か‥‥ということになります。安易にBG透過光など使おうものなら、見てて眩しくて疲れます。

 

「露出オーバー表現のBG透過光」は、やがて「SDR時代の遺物」となりましょう。

 

例えば、心情のショック表現で赤色のBG透過光‥‥というのは、HDRでもありでしょうネ。アニメーションの画面設計は、グラフィックデザインとしての一面も担いますから、なんでもかんでも現実に縛られる必要もないので、「心象のデザイン」としてのBG透過光はHDR時代でもアリだと思います。透過光の色も、心象の表現ならば、必ずしも目に刺さる眩しい色にしなくても表現は成立しますしネ。

 

BG透過光に限らず、すぐ先の未来の高性能・高品質の映像フォーマットにおいては、今までのアニメ作画や演出の手練手管は、通用しなくなるものも結構増えると思います。

 

新しい表現技術は、旧時代の慣習を引き合いに出して「何がOK、何がNG」という比較によって獲得するのではなく、あくまでHDRや4K、そして60pの特性を鑑みた上で、新たに構築していくものです。「昔と比べることばかり」の思考では、新しい技術を積極的・効果的に作劇に取り入れることなど、ままならないですからネ。

 

新しい技術に「対応」しようとする人は、ぶっちゃけ、古いタイプの人です。「対応」という考えが根っこにある時点で、やがてフェードアウトしていく類いの人でしょう。必要な意識は、「対応」じゃなくて、「活用」ですからね。

 

BG透過光をHDRで見て、「ああ、この表現はもう使えないね。HDRならではの新しい表現を考えよう。」と即座に頭を切り替えられる人こそが、新しい技術で新しい時代を切り開ける人です。

 

そういった意味で、ここ5〜6年の期間は、そこら中に「未来への試金石」が転がっています。そのいくつもの試金石を前にして、先に進める人、立ち止まる人、去る人‥‥を分けていくでしょう。

 

 


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