雑感

作業の標準化を図ろうとして、使用ソフトウェアを統一しよう‥‥というのは、初心者の頃に誰もが考えることです。かつて私も、1990年代後半から2000年代始めまで、そんなことを考えてみたこともありました。

 

でもね。それだと、ガラパゴス化するんですよ。

 

自由にソフトウェアの選択ができなくなります。しかも、ソフトウェアの独自形式のファイルまで共用しようとすると、バージョンやプラグインまで縛りが生まれます。

 

ハイ。閉鎖空間の孤島のできあがり‥‥です。

 

 

 

技術の発展を主体として考えた場合に、ソフトウェアに縛りが生まれ、ソフトウェアが動作するためのハードウェアの縛りが生まれ‥‥と、あまりにも「その考え方がマヌケ」なことに気付いたのは、2000年代中頃の10年以上前のことです。

 

アニメ業界の中だと閉鎖空間ゆえ気づけないことが、色々な映像ジャンルの方々と仕事をした時に、外からアニメ業界を見て、その「ガラパゴスの孤島ぶり」を認識しました。

 

様々な映像ジャンルの仕事で、作業の受け渡しをする時に、お互いの作業者・技術者同士で決めるのは、「どんなファイル形式でやり取りするか」です。

 

もちろん、そのファイル形式は広く世界中で用いられている汎用性の高い形式が選ばれます。

 

画像をフラット化した可逆圧縮のTIFFやPSD、DPX、OpenEXR、QuickTime、MXF‥‥など、用途に合わせて選択されます。あくまで、汎用性が高く、マシン個々の環境依存度が低いファイル形式を選びます。

 

「それじゃあ、細かいレイヤー分けが受け渡しできないじゃんか」

 

‥‥と思う人もいましょうが、その考え方自体がNGです。作業のやり取りをする際に、自分のとっちらかったままのプロジェクトを引き継いで貰える‥‥と思うその考え方がネ。

 

会社間、セクション間の受け渡しには、自分の作業をできるだけシンプルにまとめあげて、できるだけ簡素な状態での受け渡しを考えるのです。それこそが「標準化」の第一歩です。

 

受け渡しに用いられる汎用性・流通性の高いファイル形式に準拠すれば、ソフトウェアもハードウェアも、当該の集団や個人のコスト管理や成長戦略に合わせて、いくらでも自由にチョイスできるわけです。

 

 

 

アニメ業界はさ‥‥、基本的に低くみられてんのよ。ソフトウェアの使い方、ファイルの受け渡しの方法の、素人っぽいそのやり方ゆえに‥‥。

 

一方で、たとえ豊富なプロ技術を内包していようと、その作り方自体に対して「2018年の現代に、1970年代を引きずった非効率的な運用のままなんですか?」と驚かれても、言い返す言葉も見つからないでしょう。どこぞの西陣織フロッピーの話を他人事にしていられない現実はアニメ業界に満載です。

 

ゆえに、コンピュータ運用の素人集団、時代から取り残されたコンピュータ音痴、映像技術音痴たる自身の姿にも気付かず、「馬子にも衣装」「裸の王様」とばかりに、先進技術にラップされた後進技術に甘んじるのです。

 

 

 

イイ大人が無知を指摘されるのって、恥ずかしいことですが、もっと恥ずかしいのは、その無知を年長者ゆえのマウンティングで誤魔化すことです。そして無知を放置することこそ、最大に恥ずかしいことです。

 

無知って、伸びしろでもあるのです。

 

今のアニメ制作従事者に、コンピュータや映像技術の専門知識が備わったら、どんな伸びしろが得られますか? ‥‥それはもう、いろいろな発展や成長が見込めるでしょう。

 

 

 

無知は無知のままで良い。与えられたソフトウェアだけをイジっていれば良い。適当な管理方法を考えるから。‥‥ということに対して、まずは気付いて、腹をたててみても‥‥良いんじゃないすかね。

 

腹をたてた後は、実践です。

 

無知から脱し、ソフトウェアやネットワークを自在に活用し、独自の成功例をどんどん増やしていけば、やがて全体に変化は表れると思います。お歴々の思惑とは裏腹にネ。

 

 

 


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