スキーム

旧来技術によるアニメの作り方とその完成物と、未来の新技術によるアニメの作り方とその完成物では、同じ「絵が動いて映像作品を形成」するとはいえ、絵の描き方から塗り方、映像の画面密度や色彩や時間解像能まで、何から何まで違うので、ひとくくりで考えるのは難しいです。


「アニメ制作スキーム」を比較すると、両者はまるで異質です。もはや、別物と考えた方が、話は早いでしょう。

 

 

旧来のアニメ制作技術においては、とにかく膨大な何千何万もの枚数を描いて塗らねば成立しません。ゆえに、1枚絵に所要する作業時間や、全体の作業人足が、コストを大きく上下させます。現在の作業単価は、その制作技術上の特性の強い影響を受けています。

 

新しいアニメ制作技術は、枚数を今までのように膨大に描く必要はありませんが、高密度の4Kに相応の美麗さ・繊細さを表現するため、1枚絵にかかる負担は比例して重くなります。

 

つまり、お金の使い所が大きく変わります。

 

今までの原動仕のシステムの上に、4K60pHDRの新しいアニメーション技法は運用できません。4K60pHDRは新時代の制作スキームが必須です。そのスキームは当面は「内製化」によって実現することになるでしょう。

 

これは逆に言えば、今までの原動仕のシステムでは、4K60pHDRには対応できないことも暗示します。60pHDRはこの際抜いても、4K映像フォーマットを活かす絵作りは、旧来のスキームではかなり難しいです。金が破綻するか、人間が破綻するか、どちらか1つです。

 

 

そもそも未来の4Kに、アニメが合わせる必要があるのか。

 

それはアニメ制作者サイドが決めることではなく、未来を生きる人々が決めることです。理屈ではなく、直感的に、未来の人々が‥‥です。

 

 

私らは去年、アップコンなしのネイティブな4K60pHDRのアニメーション映像を作りましたが、2K24pSDRと比較してみて、そのあまりの品質の格差に、我ながら愕然としました。

 

そのあまりの差を、映像の専門職ではない一般の人々が見たとしても、気づかないわけがない‥‥と私らは確信しています。

 

実際、4K60pHDRと2K24pSDRを比較してデモすると、ほとんど全ての人が映像品質の差異に驚きます。今まで見てきた映像が、画面密度が1/4でボヤけて不鮮明で、24pで動きがフリッカーのように見え、Rec709で色が濁ってヌケが悪いのを見ると、みなさん、「こんなにハッキリわかるんですね」と言います。

 

 

ただ、私は4K60pHDRに全てのアニメが移行すべきだとは思っていません。

 

むしろ、世界には、色々なアニメがあって良いと思います。

 

アニメの作り方や表現が4K時代に全て染まる必要はないですが、同時に、1970年代のテレビアニメの延長線上で支配されるべきではない‥‥とも考えます。

 

今までの慣習や愛着でアニメの可能性を封じて束縛するのではなく、新たな美しさと楽しさをもって、アニメ映像表現の可能性を大きく広げたいです。

 

私が少年時代にみたアニメから、4K60pHDRの新時代のアニメまで、古今東西色々なアニメの選択肢によって視聴者を魅了するのが、まさにアニメーション制作従事者としての私の理想です。

 

 

 

 


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