年長と若年

練習はどうしても不可欠。しかし、一人で練習していると7日間かかって気づくことが、既に「同じ道を歩んだ」経験のある先人から教えて貰うことで1時間で気づくこともある‥‥のは、まさに技術が人と人との繋がりによって高められる「典型」です。

 

技術習得にショートカット(=習得工程のスキップ)はないと思っています。しかし、一定の技術を習得して、次のステップに進もうとする時、新たな技術ハードルの超え方を模索する時間は「時短」できます。

 

技術を習得するのに必要な時間はどうしても必要ですが、習得に至る道を探し出す時間は、先人に「こうしてごらん」と道を教えてもらうことで大幅に短縮できるのです。

 

同じ年齢層で固まっているとどうしても気づけないことが、年長の層の厚みによって様々なヒントが得られ、ハードルの超え方を見つけ出すことができます。時には、5年かかっても見つけ出せないことが、たったの数日で‥‥です。

 

 

勘違いしてはならない‥‥のは、突破口を見つけ出した後には、突破する過程のキッツい修練が待ち構えていることに変わりはない‥‥ことです。突破口が見えたからと言って、その突破口を必死決死の行動で実際に突破するのは本人‥‥ですもんネ。

 

実際、多くの人は、ここで思い違いします。「突破口が見えたら、解決だ」と。

 

年長者や経験者は自分に突破口を指南してくれるだけです。実際に行動するのは自分です。

 

突破するための長く苦しい道のりは、本人が歩むほかないのです。そして、突破した暁には、新しい技術の世界が広がります。

 

 

‥‥まあ、新しい技術を習得しても、その先にまた新たなハードルが待ち構えていますけど‥‥‥ネ。

 

人生、突破、突破の連続‥‥‥ですネ。

 

 

 

コンピュータによる映像制作技術は、特にアニメ業界においては、フィルム時代のワークフローで固着している感があります。ツールを「デジタルに差し替えただけ」の進化止まりです。

 

現場状況の内情を考えてみれば、「オールコンピュータ時代の新しい技術」に対応するための、若年から年長の「厚い層が形成されていない」がゆえとも思います。

 

新時代の技術に厚い層なんて‥‥と思われるかも知れませんが、新時代の前段階の層は、徐々に形成されてしかるべしです。しかしながら、アニメの制作現場は「CS6でバージョンアップ停止」問題でもわかる通り、ここ10年前後の間、新時代の根底となる技術革新を無視し続けてきた経緯があります。新しい技術を持った層が育まれない状況に陥っています。

 

上述の考えで言えば、若年にアドバイスする年長者が、古いタイプの道先しか教えられないがゆえに、一向に新しい道が開けていかない‥‥とも言えます。年長者の多くが、昔のやりかたしか指南できない‥‥のです。

 

昔の技術を全年齢層が継承する‥‥というのは、「もろ刃」なのでしょうネ。慣れ親しんだ技術を継続して作業工程を流通できるが、新時代の映像技術品質には打つ手をもたない‥‥という点において。

 

例えばアニメーターについて言えば、形や動きの捉え方、情景の描き方、配置やアウトラインなどの平面構成など、豊富なアニメーション技術を、先輩やベテランに様々に指南してもらえるでしょう。‥‥しかし、4KHDRテレビや4K本放送を迎える未来社会にアニメはどのような技術を新たに獲得して実践するか‥‥は、紙時代の技術をメインに継承し続ける年長者層では具体的に指南できない現実がありましょう。

 

そうした現場の状況の限界は、アウトサイダーがどうこう言って改善されるものではありません。現場の運命は、現場の人間たちが変えていく他、ないのです。ゆえに、現場それぞれの性質が表れ、現場それぞれの未来性に変化が生じるのです。

 

蛍光灯で透過する作画机を、ペンタブに切り替えて「デジタル作画机」にすることくらい‥‥しか思いつかない年長者が、これから先の変動期において、若い人間たちにどうアドバイスするのか。

 

 

2020年代以降の道しるべを年長者がどう示すか‥‥は、実はとんでもなく重要だけれど、現状の水面下にあって、隠れて見えない極めて深刻な問題‥‥かも知れませんネ。

 

 

 

 


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