AI

たまに沸き起こっては消える、「自動中割り」の話題。ただ、自動の「中割り」なんていうと、それこそキーフレーム間の各中間点も「広義の中割り」とも言えるので、「自動作画」「自動動画」と呼んだほうがピッタリくるように思います。だって、「自動中割り」なんて言う人のほとんどは、「自動動画作業」を望んでいるんでしょうから。

 

数年前に「デジタル作画」が話題になった時に、抱き合わせで「自動動画」の話題もツイッターで見かけました。恐ろしく気が早い話で「いつ、実用化されて発売されるのか」みたいなニュアンスで。

 

まあ、どんな時でもどんなジャンルでも、噂話しか耳にしない人ほど、妄想を膨らませてしまって、一足飛びに「実用」の話までワープしてしまうものです。実際の開発の現場にいる人間は、「何が今可能で、何が今不可能か」をしみじみ実感しているので、簡単には「なんでもできます」なんて言わないものです。

 

現在の「自動動画」機能は、画像補完、フレーム間補完の技術で、「人間が頭で考えて作画する」ものとは全くの別物です。ゆえに、「おお!これはイケるね」という結果を叩き出すこともあれば、「こんな簡単な作画すら割りミスするのか」と落胆することもあります。つまり、局所的、部分的にしか使えない機能で、とても「人間の代わりになるものではない」のです。‥‥いじったことがある人なら、お判りですよネ。

 

アニメの作画が、なぜ、実写のフレーム補完のようにうまくいかないのか。‥‥理由は簡単です。

 

すでに、大幅な省略=情報が大量に間引れた画だからです。

 

しかも、その省略の基準は人間のさじ加減で、原画は動きのポイントだけの断片的な状態です。

 

一方で、なんてことのない「数本の描線の所作」が、もんのスゴい重要な意味をもつこともあります。

 

つまり‥‥

 

 

間引かれた情報から「暗黙の情報量」を導き出すことが不可欠です。

 

 

ゆえに、導き出す知能を持たない各種補完機能では、「明らかな割り先がある絵しか、動画ができない」のです。「簡単なタップ割りができる」内容の動画しかできません。つまり‥‥

 

 

  • グーからパーへの手(指)の動き
  • 近似形がウヨウヨ周辺に存在する細かいディテールのケムリ
  • 1本から2本へと分裂する髪の毛
  • 引き出しを開けると中身が見える動き
  • 歩きや走り(左右の足=2歩を原画2枚で描くスタンダードでの)

 

 

‥‥など、補完技術では動画作業が困難な内容は、いくらでも列挙できます。「人間が判断することで成立する動画」「デッサン割り(という言葉は俗語でしょうが)の動画」は、コンピュータの補完機能では不可能です。‥‥‥まあ、走りや歩きの1歩を原画1枚で済ます方法は、原動画の作業システムゆえなので(走りの動きを原画で追うのなら1歩につき最低2枚の原画は必要でしょう。ちゃんとやろうと思うなら、ほぼ全原画になりますわな)、コンピュータに同等の動画を要求するのは酷ではあるんですけどネ。

 

 

そこでピンとくるのが、「AI」です。作画には知能が必要だ‥‥というのなら、「artificial intelligence」の活用は誰もが考えること‥‥ですネ。

 

動画の作画は、人間の知能が不可欠ですから、補完技術なんていう視座ではなく、人工知能という考え方で、「自動動画」‥‥いや、「AI動画」にすれば、未来にはひょっとして実現可能なのかも‥‥と思えなくもないです。

 

しかし、私はAI開発の現場に居合わせることもなければ、実際のデモもみたことがないですし(その場で描いた絵を、その場で即座にAIが動画作業する‥‥という「仕込みなしの実演」をネ)、軽はずみなことは言えません。

 

噂だけで鵜呑みにするのは、ツイッターの騒ぎだけで十分。実際の仕事の現場では、「モノを見てイジって使ってみてから判断」しなければ‥‥ネ。

 

ゆえに、現段階の私の見解では、「AI動画」は未知数としか言いようがない‥‥です。

 

 

 

動画作業は、相当、高度なAIが必要になるはずです。

 

おそらく、動画作業をAIができるようになる日には、「人間の思考を、ほぼ踏襲できた」ことになるでしょう。もう少し、現場寄りに具体的に言えば、

 

 

AIが自律的にアニメ作画をできる=AIが作画技術を保有する

 

 

‥‥ということです。

 

うわぁ‥‥‥すげえ、難しそう‥‥‥。

 

「なぜ? ‥‥‥動画って、そんなに大変なの? 元絵があるのに?」とAI開発者の人が思うのなら、実際に3〜6ヶ月くらい、動画作業を体験してみれば解りますヨ。真に「動画の素晴らしい仕事」を体現しようとするのなら、かなりの高度な判断力と推測力、そして想像力(‥‥という名の膨大な経験値の蓄積)が必要になることを痛感するでしょう。

 

「中割り」なんていう言葉に踊らされず、原画も動画も「絵を作ること=作画だ」とちゃんと認識すれば、「そうとうヤバい領域に踏み込んでしまった」と思うことでしょう。

 

「自動動画」「AI動画」が「使えない動画を量産」するのでは、全くもって意味がないです。人間の代わりになるような存在でないと、導入の意義がそもそもありません。

 

「自動動画」「AI動画」が生成した「マズい動画」を、結局人間が手作業で修正してたら、何のためのコンピュータか‥‥です。

 

通り一遍の「どこにでもあるようなキャラをAIが「中割り」できた」って、それは「下の下」の仕事でしかありません。どんどんアニメのクオリティは面白くも美しくもないものへと拍車がかかるでしょう。

 

「AI動画」を導入するのなら、「こんなの人間じゃ何日かかるやら‥‥」と絶望するような動画を作業して結果を出してこそ‥‥です。

 

 

 

ただ、私は「AI」がアニメ制作に少なからず関与するのは、否定しません。「AIが動画をできるようになる日」が来るのなら、それはそれで、「作品表現と作品制作に活用できる」とも思います。

 

実際、現在進行中の新しいアニメーション技術では中々難しい領域を、AIの動画作業でカバーできるのなら、ググンと技術の性能が向上します。いわゆる「ハイブリッド」です。

 

なので、「AIが発達して作画作業」ができるようになるのなら、喜ばしいことです。

 

 

 

まあでも‥‥かなりヤヴァいぞ。「作画」なんぞにAIが手をだすのは。

 

分析とか、学習とかで、絵が描けるようになるのなら、世界中で天才画家や鬼才漫画家が続出しているでしょうしネ。

 

なぜ、人は絵が描けるようになるのか。そして、上手い人、下手な人、絵を描くこと自体を諦める人など、千差万別なのか。そもそも、絵の上手下手とは何が基準なのか。‥‥その辺りの領域をAIは踏み込むのかな。

 

上手い動画を描けるAI。‥‥さて、どのくらいの「学習」の年月が必要か、今後を見守ることにしましょう。

 

 

私としては、「AI動画」も良いけれど、まずは制作システムを完全にデータベースの管理下において、そのデータをAIに処理してもらいたいですネ。危険予測や未来展望など、人間の感情や習慣のバイアスが作用しない「ジャッジ」をAIが提案して、その上で人間が最終判断する‥‥というような、「文武両道」というか「マンマシン両道」の制作システムは、見果てぬ夢‥‥です。

 

 

 

 

 


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