謹賀新年

2018年が明けました。

 

今年もよろしくおねがいします。

 

本年も変わらず、アニメを中心とした映像制作に関わりますが、アニメの制作事情は、インターネットが定着して久しい昨今においては作業の実情が情報として広く伝播し、批判の的になることも多く、私としては、何年も前から取り組んでいる新しいアニメの作り方に今年も変わらず取り組んでいく所存です。

 

アニメ業界の未来について、それこそ私が小学生・中学生だった40年前から、アニメージュでは「どうなる・どうする」みたいな記事が載っていました。年末か新年のアニメ雑誌記事に、スタッフ座談会の記事が載っていたことを思い出します。

 

2018年現在は、SNSで情報が一般に出回るようになったゆえに頻繁に見聞きするようになっただけで、根本は変わんないすネ。つまり、商業アニメ、特にテレビアニメの、そもそもの制作構造に無理があったとも思えます。何千枚も描いて塗って、テレビの制作費予算枠に収める‥‥という根本のカタチ自体が、金のかかるアメリカンアニメーション方式を継承した日本のアニメ制作では既に制作設計時点で破綻していたのかも知れません。

 

そろそろ潮時かなと思っています。

 

従来のアニメ制作技術に関しては潔く開発終了し、昔ながらのニーズに対しては「メンテナンスモード」で保持、開発の主力は新技術体系に移行すべきと(少なくとも私は)考えます。

 

とはいえ、「デジタル作画」は新技術ではないです。道具をペンタブに持ち替えただけのバージョンアップにしか過ぎません。

 

最近のアニメ制作で「デジタルへ移行」とか言っている人々のほとんどは、「デジタル作画」、いわゆるペンタブ作画で次世代に対応しようとしているのでしょうが、ハッキリ申しまして、そんなんでは次世代には対応できません。4K時代に対しペンタブ作画で何千何万と描くのですか? 60p時代に対し、24コマの3コマ打ちシートでどうやって対応するのですか? アップコンで視聴者を誤魔化そうとしても、新時代の新しいアニメ品質が台頭してきた時に、酷い落差で、その前時代的な旧品質が明らかになってしまいます。

 

4K60pHDRのスペックなんて、ちょっとネットで調べれば、画面寸法もフレームレートも色域も簡単に情報を得られるのに、アニメ業界スタッフの多くは「その辺の難しいことは苦手」と自嘲して、故意に「未来の映像技術を知ろうとしない」フシがあります。

 

多くのアニメ業界関係者は、どうしても「プロペラが回っていないと空を飛べない」と無意識に考えてしまうようです。なので、ジェット機なんて想像できないのかも知れません。

 

*誰もが認めるレシプロ機の傑作、P-51。決してプロペラ機がダメなわけではなく、時代の進化に追随できなくなっただけの事‥‥ですが、それがすなわち、技術の世代交代なのです。ジェット時代になって、P-51(大戦後はF-51と改称)は第一線の戦闘機から外され、戦闘爆撃機や地上攻撃機など支援用途へと役割を変えていきました。

 

加えて、未来の技術スペックやロードマップを知ってしまうと、自分たちの作っているアニメ技術の行く先が不安になるから‥‥だとも思います。

 

 

今、正しいとされていることが、未来に正しいとは限らない。

 

「正しい」の定義は色々あるでしょうから、「正しいか否か」を持ち出したいわけじゃありません。現在「普通」とか「主流」とか言われているものは、未来で等しく「普通」で「主流」とは限らない‥‥と思うのです。

 

作画の低賃金に喧々囂々する以前に、何千何万と描いて動かす技術基盤そのものをまず疑いたいと思います。「アニメを作るには、このやり方が正しい」なんて思い込んで盲信したくないわけです。

 

それにアニメ業界は、いわゆるアニメ制作者集合体であって、国家行政機関でも大財閥でもありません。集合体の構成要素個々に目を向ければ、例え会社規模でもあっけなく倒れる存在にしか過ぎません。また一方で、「今までアニメは安く作り過ぎたので、これからはテレビ1話8千万円で受注します」なんてやったら、アニメを作ろうとする機運は激減するでしょう。

 

アニメ制作に関わる個人も会社も、今までの「正しい」「普通」「主流」は「メンテナンスモード」に入った過去のものとして、新しい業態・ビジネスモデル・制作技術体系を模索するのが、アニメ制作を生業として生き残る唯一の道だと確信します。

 

まあ、今はね‥‥、新しい技術体系や制作システムは、広く一般に理解されなくても全然構わないと思ってます。逆に、旧来の脳で考える人々が困惑したり懐疑的に思ってくれた方が良いくらいです。古い人たちの怪訝な態度は、新しさのバロメータになります。‥‥簡単に理解されちゃったら、それは新しくもなんともない‥‥ということですもんネ。

 

 

さあ、今年もジェット機をどんどん飛ばしていこう。しばらくは、プロペラ機と一緒に。

 



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