タミヤのラッカー塗料

プラモデルのラッカー塗料は、クレオスの一強時代が長らく続いていて、クレオスの虚を衝く商品展開でガイアカラーが近年好評を博している状況です。そこにきて、今、なぜか、タミヤがラッカー塗料に新規参入してきました。

 

 

私はプラモ色塗りのほとんどの作業を、アクリル筆塗りに切り替えたので、ラッカー塗料の新製品で出てもいまさら‥‥とも思ったのですが、タミヤが強豪の支配する市場にあえて新規参入するのだから、何か今までとは違う要素があるんだろう‥‥と期待しました。

 

今までのタミヤの傾向からして、キットでもツールでもそうですが、「ユーザビリティ」を積極的に高める「ユーザ思い」の商品開発が、ラッカー塗料にも活かされているのではないか‥‥と予測しました。

 

クレオスなどのラッカー系塗料で、何が一番キツいか‥‥というと、強烈なシンナー臭です。

 

つまり、タミヤが今わざわざラッカー塗料を発売するのなら、匂いを抑えたラッカー塗料で押し出してくるのではないか‥‥と。

 

で、興味本位で、基本色あたりをまずは買ってみました。

 

*アマゾンではまだ在庫していないようです。私はヨドバシで買いました。

 

蓋を開けて、恐る恐る匂いを嗅いでみたところ‥‥やっぱり‥‥

 

あんまり臭くない!

 

今頃になってタミヤがラッカー塗料を発売するのは、何らかの改善点が盛り込まれているだろうと踏んでいましたが、臭気の抑制はとても判りやすい改善点です。

 

水性のように‥‥とは言わないまでも、ラッカー系塗料の悩みのタネだった「あの独特の強いシンナー臭」が格段に抑えられております。

 

匂いの雰囲気は、ホームセンターのペンキのような感じで、刺激の強い鋭い匂いというよりは、どんよりと鈍い匂いです。

 

実のところ、タミヤのアクリルも、アクリルならではの独特の臭気がしますが、強烈なシンナー臭ではないので我慢できています。同じように、新しいタミヤのラッカーも、アクリルより強めの臭気ですが、クレオスのシンナー臭より相当マシです。

 

ただし、全部の色が同じ匂いではなく、匂い抑え気味の赤や黄色に比べて、シルバーはシンナー臭が若干強めでした。とは言え、クレオスよりは弱い匂いで、色によって臭気の大小はあるようです。

 

 

ラッカーは、アクリルやエナメルによって溶けて侵食されない性質があるので、下塗りには最適です。今まで臭気の問題だけで下塗りもアクリルを使っていましたが、タミヤのラッカーなら臭気も我慢できるレベルなので、試しにテキトーなキットを使って下塗りをテストしてみます。

 

私の下塗りの段取りは、油彩などの絵画技法をもとにプラモに応用したもので、金属系の2〜3色を故意にムラ塗りして下地とします。

 

基本色の赤青黄を調色して、銀や黒なども混ぜて、私の標準下塗り色である「黒銀」「赤銀」「青銀」を作りました。

 

*タミヤのスペアボトルを使っているので、瓶の大きさが既成の塗料と同じです。

 

 

その昔、一生懸命「プラモデルの作り方を踏襲」しようとしていた頃は、ペイントを「塗装」のように捉えておりましたが、今では発想法をきっぱりと変えて「彩色」と考えてペイントしています。数年前にたまたまアマゾンで見かけて読んだ「田中克自流飛行機模型筆塗り塗装術」のおかげで、色々と頭が柔らかくなりました。

 

要は、プラモデルを「実機のミニチュア」と考えるか、「立体の絵画」と考えるかの、思想の違いです。どちらの考え方でも構わないと思いますが、私は今のところ、後者のアプローチが気に入っています。

 

下塗りをしてみたのは、3つ。ハセガワの1/72スケールの「P-51D」モデルコレクトの同じく1/72の「E-50対空戦車」「E-100超重戦車」です。

 

*P-51はタミヤエアフィックスなど良キットが多いですネ。このハセガワのキットもちょっとだけバリがありますが(金型が古いんでしょうかネ)、繊細なキットです。

 

*ちょっとマニアックな「E-50系列」戦車の対空砲バージョンです。E-50(計画車両)は、末期ドイツでの量産性を上げるために足回りの転輪構成がスカッとしていますネ。

 

 

下塗りは、故意にムラを作って、本塗りの下から表情が垣間見えた時にええ感じに色彩が混ざる効果を狙います。綺麗にムラなく塗ると逆効果になります。

 

プラの成型色も1色と考え、ムラ塗りします。私は最初に「赤銀」から塗り始めます。

 

 

 

マティエールが交差することを考えて、方向性を意識しながら塗ります。

 

「赤銀」でムラ塗りしたあとは、「黒銀」を使ってマティエールが交差するように、同じくムラ塗りします。ラッカーは乾くのが速いので、スイスイ作業が進みます。

 

*赤銀、黒銀と呼んでいる割に、ラベルには銀ではなく、「鉄」と書いているのを、自分ながら今さら気付きました。

 

黒銀は、マットブラックとシルバーとグレーにほんの少量のブルーとイエローを混ぜれば、ええ感じの黒光りの銀になります。もし既成のカラーならば、メタリックグレーやダークアイアン、黒鉄色あたりで代用できます。

 

 

 

マティエールの重なり具合も相まって、たった2色で様々な色を含む下地が出来上がりました。この下塗りは、実際は直接見えなくなるのですが、ペタっとした下地の上に本塗りをするより、下地が微妙にスケて複雑な色味になって、深み・奥行きがでます。(=筆塗り技法においてです。エアブラシの場合は、薄く重ね吹きするスタイルであれば、下地効果を発揮できると思います)

*こうした重ね塗りの技法は、水彩や油彩、アクリル画では、ごく普通の定番の技法です。

 

実は、タミヤ製のラッカー溶剤を買い忘れた!‥‥ので、塗料瓶の初期状態の粘度で塗っており、ちょっと皮膜が厚くなっています。「お好み焼き」の粉溶きよりも薄い粘度の「たこ焼き」の粉溶き=サラサラ状態で塗るのがベストです。通常は、溶剤を足して、粘度がほとんどないメディウム(=サラサラで速乾のメディウムが混ざった絵具のような状態)で重ね塗りしたほうが良いです。

 

今回の場合は、軽く800〜1200番のペーパーで均せば大丈夫だと思います。(幸い、全部、スジ彫りのキットでした)

 

で、ここまでで、ラッカーによる下地塗りはお終いです。下塗りに使う筆は、ダイソーの100円筆セットの筆で十分です。その分、面相筆は高いのを買って、丁寧に塗ります。

 

「田中式塗装術」から着想を得たアクリル重ね塗り技法は「むやみに同じ場所で筆を動かさない」のがポイントですので、下地がアクリルでも問題ないのですが、やはり「溶け出さないラッカー」だと安心感がありますネ。

 

 

 

タミヤの新製品「タミヤ ラッカー塗料」を2時間くらい使ってみた感想ですが、さすがにいくら臭気が抑えられていても、長時間連続で使うとラッカーの匂いはしんどくなってきます。私は歳喰ってから、特にラッカーの匂いがダメになったので、下塗りで1時間くらい使うのがちょうど良いです。‥‥あくまでも私の場合、ですけど。

 

一方、クレオスの従来のラッカー系塗料ですと、1時間も塗っていると部屋に臭気が充満し、3時間は換気しないと部屋が元に戻らなかった事を考えると、タミヤのラッカー塗料はとても使いやすい製品です。

 

ラッカーで下塗り‥‥という選択肢が生まれて、タミヤさんに感謝です。

 

 

 


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