なので、iMac 5K。

iMac Proの値段が明らかになって、「やっぱり買えない」と思っている個人は沢山いるかと思います。まあ、Apple的には、はなから業務用をターゲットにしているのでしょうネ。

 

4K業務に使うのなら、まあ、iMac Proは妥当でしょう。アニメとはいえ、映像制作会社なのですから、4Kなど未来の映像ビジネスで勝ちにいきたいのなら、相応のコストと覚悟は必要です。

 

iMac Proくらいの値段でビビっている会社は、そもそも4Kなんぞに手を出すべきではないですし、1.5〜2Kの処理の軽度な解像度で実質8〜12fpsでアニメを作り続けるのがよろしいです。そうすれば、機材もソフトもずっと昔のままで作り続けられます。

 

ただ、未来の「時代と社会」が、その「今まで通り」を許容するかは、なんとも言えません。

 

アニメ業界関係者の発言で奇妙なのは、「未来もずっと、2K/24p止まりで映像技術が発展・普及しない」のが「暗黙の大前提」である‥‥かのように思えることです。映像技術の発展と普及は、アニメ業界の内部事情など御構い無しに、どんどん進行していくのに‥‥です。

 

RGB/非圧縮で計算しますが、以下のように、アニメ制作会社の現標準の2K映像データ量と、未来に対応する4K映像データ量の差は歴然です。1秒あたりの計算です。

 

現在のアニメ:10(bit) x 3(RGB) x 1920 x 1080 x 24(fps) / 8(バイトに) / 1024(KBに) / 1024(MBに)

= 178MB/秒

 

4K60pのアニメ:12(bit) x 3(RGB) x 3840 x 2160 x 60(fps) / 8(バイトに) / 1024(KBに) / 1024(MBに)

= 2136MB/秒

 

実際は、映像コーデックの圧縮が効きますので、もっとデータ転送量は抑えられますが、2K24pSDRと4K60pHDRの対比はこんな感じのイメージです。「アニメの撮影」で出力する際は、いまどきはどの会社も8bitではなく10bit以上でしょうから、その辺も考慮して計算してます。

 

2Kと4Kでは、あまりにも差があり過ぎて、4Kから見れば2Kはとても小さく可愛いものに見えますネ。逆に2Kから4Kを見れば、単にデータ量だけでも超えがたい壁のようにそびえ立ちます。そして、作画する内容まで4Kに合わせて‥‥となると、そりゃあ、「見なかったことにしたい」「考えないことにしたい」気持ちは察しはします。

 

しかし、いくら「未来が変わらない」願望を抱き続けて、今だけ凌いでいても、いつかは時代の流れに押されて限界はきますから、2020年代、2030年代‥‥と、どのように生きていくのか、まさにリーダーの腕のみせどころです。古き良きものとしてアンティーク・骨董の希少価値にシフトしてもよし、「俺の代で終わらす」と潔く店を畳んでもよし、一大決心で新しい映像世界を開拓するもよし、今後の10年で各社各人の道筋も見えてきましょう。

 

 

では、個人の状況はどうでしょうか。

 

ちょっとBTOで肉付けしただけで100万円オーバーのiMac Proなんて、簡単には買いようもない個人は?

 

画像編集1セット(スキャナとかメモリ増設込み)でQuadraが百数十万とかしていた時代=乗用車を1台買う覚悟だった時代を思い起こして、昔話をしたところでキリがないですから、現代の現実的な路線を考える必要があります。

 

多少処理能力が落ちても、せめてコンポジットと編集作業は個人で購入できそうなギリギリの50万円前後で4K環境を整えたいところです。個人制作は次世代ムーブメントの強力な中心的存在ですから、アマ・プロなど個人の立ち位置に関係なく、自宅に揃えられる環境作りは重要な案件です。

 

個人の場合、iMac Proではなく、やはりiMac 5Kが現実的な選択となりましょう。

 

iMac Proより処理能力は劣るとしても、プロ同等の映像レンダリング結果を得ることの可能な環境は、iMac 5K 最上位機種相当のマシン(とディスプレイ)を基幹に据えることで構築可能でしょう。Windowsマシンは安い製品がいっぱい有りますが、安いのには理由がありますので、あくまでiMac 5KくらいのWindowsマシンが必要です。MacでもWinでも、4096px以上(3840ではなく)のディスプレイを含めたマシンの基礎構成は、30万円前後になります。

 

2017年冬現在のiMac 5Kだと、以下のような環境が考えられます。

 

 

最新のiMac 5Kは、Thunderbolt3はもちろんのこと、USB3.1も実装しているので、4K60pをリアルタイム再生するためのデータ置き場はThunderbolt3、日々の取材写真や中間ファイルなど大量のファイルを置く場所はUSB3.1 Gen2‥‥と、両方とも高速データ送受で環境を構築できます。

 

4Kで、しかも60pとなると、先述の通りデータ転送量は2K24pの比ではありません。次世代は、巨大データをリアルタイムで再生できる環境性能が必要になります。

 

日々の実感‥‥ですが、転送速度6Gbps(理論値ではなく実測)だとギリギリ足りない感じです。高速な転送‥‥といえば、M.2/PCIeのSSDですが、そもそもiMacの内部接続って、M.2でしたっけ? ‥‥どちらにせよ、iMac 5KのBTOで2TB SSDにしようものなら、15万上乗せですし、内蔵は全く融通が利かなくなるので、外付けのRAID路線で考えるのが宜しいように思います。

 

とはいうものの、M.2のRAID0を組むのはハードルが高いみたいだし(私のリサーチ不足ではありますが)、昔ながらのSATAで4K60p時代のストレージを組むのが、無難な路線ではあります。

 

まあ、M.2路線もまだ可能性としては考えています。M.2ですと、圧倒的に速いのではないか‥‥と思いますが、私のiMacはThunderbolt2なので、試しようがないのです。

 

*ムービーファイルをリアルタイムで読み出すディスクを、M.2で組めれば、4Kでも相当イケそうな感じです。

 

*M.2のSSDと、Thunderbolt3のPCIe外付けボックスを組み合わせれば、SATAに頼らない高速な作業スペース(テンポラリやキャッシュ、スクラッチなどの用途)を構築できるように思いますが、私はまだ一度もこの組み合わせを自分で組んだことがないので、どんなものなのか(どれだけ速いか、どんなトラブルがあるか)は未知です。M.2 SSD2連のRAID0で組んだ時に、どんなスゴいことになるのか、全く判りません。‥‥だれかもう、やった人、います?

*そもそも、変換アダプタを介して、M.2 SSDがPCIeボックスで動作するのか、基本的なところから検証しないとダメっぽいです。(私は所有していないので、わかりません)

 

 

 

まあ、M.2でなくても、Thunderbolt3仕様で、内部はSATA接続のRAID箱「Thunder3 Quad」なら5万円で買えますし、512GBのSATA SSDは最近1.5万円で売られている製品もあるので、昔だったら個人では金銭的に無理だったSSD並列4連装のRAID0が12万円くらいで組めます。‥‥まあ、安いとは言えませんが、30〜50万とかよりは良いでしょ。


iMac 5Kにおける4K対応は、ぶっちゃけ、外付けのムービーファイル置き場がどれだけ高速か?‥‥で決まります。再生が頻繁にフレーム落ちする、ちょっとしかファイルを置いておけない小容量‥‥では作業にならんですからネ。メモリにバッファできるほど、4K60pはデータ量が軽くないですし。

 

 

一方、大量に増えていくデータを余裕で収納できる別立てのストレージも必要ですが、そちらは大してハードルは高くないです。箱買って、HDDをぶっこめば良いだけです。速度は重視せずに「そこそこ速ければ」良い用途だったら、USB3.1はかなり心強い味方です。箱は2万円前後で買えますし、その箱に内蔵するSATAのHDDは3TBが0.75万円、5TBが1.5万円で買えます。

 

私はRAID0(ソフトウェア)で運用するのに慣れていますし、ゆえにバックアップ体制は必ず敷きますが、人によってはRAID5のほうが良いと思う人もおられるでしょうから、その辺は各人のお好きなように‥‥です。

 

 

映像制作を個人で自主制作する際、TimeMachineバックアップ(のような履歴バックアップ)は絶対に必要ですけど、それも現代の大容量低価格の時代なら、5TBを2つのRAID0でサクッと解決できます。10TBが3万円で購入できる時代‥‥ですもんネ。

 

まあ、実際は無停電装置とかも必要ですが、オムロンやAPC製のでも最近は安いみたいで、とりたてて贅沢な装置でもないです。データを失いたくないのなら、TimeMachineと無停電装置は必須ですネ。

 

 

この「iMac 5K スペシャル」環境を、高いと思うか、適当と思うか、安いと思うかは、人それぞれです。私は、百数十万、数百万円でしょっぼい320px〜720pxの映像しか作れなかった時代を体験していますので、50万円前後でコンピュータ本体込みの「4K60pの2DCGコンポジット」環境が整うは、価値を鑑みれば相当安いと感じます。

 

 

私の今使っている初代iMac 5Kは、AppleローンのオリコWebで調べてみたら4年のローンを組んでいるようで、私自身そそっかしいもので「長期ローン」の5年=60回で組んだと勘違いしていました。‥‥なので、あと一年でローン完済。

 

ということは、来年には買い替えができる‥‥ということです。コンピュータは作画机と違って、時代の進化とともに、定期的な買い替えが必要です。私は未来の映像フォーマットをアニメで味わい尽くしたいので、定期的なマシンのリプレースは必須なのです。

 

おそらく、来年は上図のような作業環境を自宅に構築すると思います。一度には無理なので、散らしてちょっとずつ‥‥。

 

 

 


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