今後のタブレットとHDR

iPadもFireも、どんどん進化していくのが楽しくてしょうがない私ではありますが、まだまだ進化を期待する部分もあります。

 

その中でも一番、今後に期待したいのは、「色域」です。

 

つまり、ハイ・ダイナミック・レンジ=HDRです。

 

HDRはおおまかに分けて2種類あって、ここで言うHDRとは、10年くらい前からデジカメで話題のHDRではなくて、映像技術における記録レンジの大幅な拡張を意味するHDRのほうです。

 

*三角形で示された色域が広いほうが、HDRの1つ、Rec.2020です。緑の色域が飛び抜けて拡大されているのがわかります。

 

 

現在、DVDやBD、ネットの映像の大半は、SDR=スタンダード・ダイナミック・レンジで、単位で表すと100nitです。しかしHDRは、300〜1000nitで、規格上は10000nitとその差は歴然です。

 

根本的なこと‥‥ですが、現在標準のRec.709やsRGBは、人間の目はおろか、フィルム時代の色域に遠く及びません。日常で見慣れている色域なので、「いつのまにか騙されて」いますが、テレビやネットの映像や画像は、肉眼に比べて著しく鈍い色彩です。

 

正直、私も数年前までは、「映像におけるHDR」と聞いてもピンとこなかったのですが、「HDRの使い方」を見たり聞いたり、自分でも意識するようになって、ようやく、HDRの有用性を理解できるようになりました。

*デジカメのHDRについては、ソニーのコンデジでHDR機能の有無で買ったり、PhotoshopのほかにHDR専用の複数のソフトを買ったりしてました。‥‥なので、映像の分野でHDRと聞いて、少々混乱したことを思い出します。

 

SD=DVDやVHSの時と同じく、SDRでも「今の色の見え方でいいじゃん」と思う人は、2017年現在はまだ大半だろうと思います。しかし、それは見る対象が「テレビやパソコンモニタ」で「テレビ放送やネット」の映像を見ているだけだからです。

 

今、映像はHDサイズが当たり前で、「SDサイズは小さくて絵がボケてる」と皆が思うでしょう。同じように、HDRの視聴環境が整ってくれば、「よくまあ、あんな狭いレンジの薄暗い映像を何十年も見てきたよなぁ」と、SDRを古めかしく感じる時代がやがて到来します。

 

要は、「テレビだから」「肉眼ではなく、映像だから」と手加減していた色域に、ようやく「改善のメス」「のびしろ」が与えられるわけです。

 

実際、4Kのメインモニタ、最新のiPad Pro、そしてRec.2020やDCI-P3の色域を日頃から見ていると、Rec.709やsRGBは「過去の色」です。

 

HDRだと四六時中キンキンに眩しい映像になる‥‥と誤解されやすいのですが、そうではなくて、今まで全く再現できていなかった緑の発色とか、どんなに明るい部分でも濁ったグレーだったりとか、「削られていた部分が削られなくなって、現物に近くなる」のです。

 

1000nitあるからって、映像をケバケバしい絵にする必要はないです。あくまで今までの絵作りの感覚で、旧来のビデオ機材の制限がなくなるだけです。そして、旧来の制限がなくなったことで、新しい絵作りも生まれるでしょう。

 

 

で、今後のタブレットは、HDRの色域をカバーするモニタへと進化していって欲しいです。カジュアルに毎日見るものだからこそ、高品質な絵が必要なのです。

 

そうなると、俄然注目されるのは、有機ELのパネルでしょう。作業場のメインモニタは液晶の4KHDRですが、色々な場所で有機ELの4Kテレビとかマスモニを見ると、「こういうパネルがどんどんモニタやタブレットに実装される未来が早く来ないかなぁ‥‥」と思います。

 

 

 

4KHDR60pが標準化して身近になってくると、外に出かけてiPhoneで気楽に撮影した映像が、自宅のテレビやiPadやFireで綺麗に映し出されるようになるので、「世界を歩き回るが楽しく」なります。もちろん、その時のテレビやタブレットは4K60pHDRに対応していることが前提です。

 

そして、今、私らが開発を進めている4K60pHDRのアニメーション技術も、そうした未来で威力を発揮することを前提としています。ぼんやりとボケて、白濁した薄い膜に包まれているような、現在の4K24(30)pSDRではない、新しい品質基準のアニメが、未来のHDR対応のiPadやFireやテレビで手軽に再生されるようになるでしょう。

 

「未来の映像の楽しみ」に向けて、全てのハードやソフトが徐々にリプレースされていく現在。

 

アマゾンもAppleもNetFlixも、最近、4KHDRの映像配信を宣伝文句として売り出してきています。となると、当然、Appleもアマゾンも、4Kはともかく(7〜10インチに4K解像度が有効かは検証の余地あり)、HDRに対応したタブレット端末をやがて用意する流れになると思います。部品コストの問題が製品開発のリアルな課題であったとしても、部品供給の状況は一年毎にどんどん状況は変わっていきます。

 

 

 

画面解像度、リフレッシュレート、その次は、いよいよカラーレンジです。

 

ディスプレイの宣伝文句もさ‥‥、「明るさ何%向上!」ではなく、「色域の豊かさをアピール」するようなものに変わっていく必要があるでしょう。そんな売り文句じゃ、イメージが伝わらないって‥‥。

 

今や、明るさを気にするユーザって、ほとんどいないような気もします。少なくとも、私の身の回りでは。‥‥むしろ「眩しい!」と言っている人の方が多いように実感します。

 

タブレットは今や、十分、綺麗な画質を有していますが、新世代の映像フィールドは、すぐそこまで迫っています。そのフィールドの恩恵を享受できる、新世代のタブレットの登場を、日々の技術開発の傍、期待しながら見守っていこうと思います。

 

 


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