時代とともに

今年の7月に、開発元‥‥というか所有者のAdobe自身によって「Flashは2020年で終了」が告げられたわけですが、結局私はFlashは一度も積極的に使うこともなく、その盛衰顛末を見届けることになりました。

 

Shockwave時代に買いかけたこともありましたが、お金がFlashに回らないまま、Adobeに買収されてAdobeブランドに移行しても買わないまま、CCで追加出費なしに使えるようになってもほとんど使わないまま、今まで過ごして、2020年には終了です。

 

なぜ、私は使わなかったか‥‥というと、私自身がゲームを開発するほどゲームに熱中していたわけでもなく、映像制作に対してFlashを本格的に活用するには性能が心許なかった‥‥というのが正直なところです。

 

Flashの一番の得意分野が、私の求めるフィールドとほとんど噛み合っていなかった‥‥というだけです。

 

セキュリティの問題が云々‥‥のあたりは、私はその道の本職ではないので、時代の流れに合わなくなってFlashが消えていくんだな‥‥という感慨程度です。

 

実際、Webを見ていて「Flashを使用するにはここをクリック」なんて表示されると、クリックしてまで見る気にはなれず、そこでページを閉じてしまいます。Flashそのものよりも、Flashを使い続けているWebの主催者(=ショップの会社…ですね)にげんなりして、そのネットショップのページを閉じて、他のお店を探せば良い‥‥という気持ちになります。

 

 

Flashを使用しないと、商品がどういうものか、全然わからない‥‥という状況。「商品を紹介して購買意欲を誘うページ」というコンセプトが破綻しております。

 

こうしたことからも、Flashが世間から消え去るのは、言わば、時代の移り変わりゆえの暗黙の了解です。消えるべくして消えるんだな‥‥と思います。

 

 

一方、アニメ制作会社でFlashを使っている事例はほとんど聞いたことがないので、おそらくアニメ制作的にはFlashが消えても特に影響はないでしょうしね。

 

ただまあ、Flashではなく、他の事に置き換えれば、アニメ制作は色々な未来の不安を抱えたままです。Flashを対岸の火事のように眺めているほど、アニメ業界は安泰でも盤石でもないです。

 

4Kに対応する術なんてまるで講じていないどころか、永遠にSDやHD/2K時代の作り方が続くと思い込んでいる人がかなり多いアニメの現場。今、作業している内容を「デジタル」に置き換えれば未来に生き残れる‥‥という発想はお粗末至極。その発想の通りでいけば、「デジタルそろばん」や「乗用メカホース(機械の馬)」が世間に存在するはずですが、そうはなってないですよね。今の形を一旦壊して、新しい時代に相応しいアニメの作り方に変えるからこそ、未来に生きていけるのです。

 

未来の話がリアルに感じられないのなら、今現在はどうでしょうか。WindowsのQuickTime問題はどうしたん?

 

WindowsにとってFlashと同じセキュリティの問題で、今やQucikTimeは危険な存在になったはずなのに、Windowsでアニメの撮影を作業している会社は、ほとんどが今でもQuickTimeの「mov」をずっと使い続けていますよね。

 

まあ、いち部署がどうこう叫んでも全体の状況を変えられない事情は解るんですが、その事情に付き従っているままでは、自分たちでは何も変えられないことになりますよね。‥‥ゆえに、アニメ業界は‥‥なんですけどネ。

 

 

昔のままがいい、今のままがいい‥‥と言っても、どうにもならんのです。

 

変わっていく時代の様相から目を背けては生きていけないということを、Flashの盛衰は物語っています。

 

一時期は至る所Flashを用いたWebだらけで、トップページがFlashゆえにFlash無しでは先に進むのもままならないデザインが横行していた時代すらありましたが、今や「まだFlash使ってんの? ユーザのセキュリティは無視なの?」と散々な言われようです。

 

 

映像制作の世界も同じでさ‥‥。次にテレビを買い替える時に、多くの人が4Kテレビを選択するでしょう。2Kを選ぶ意味は、どんどん薄れてきています。映像の周辺事情も徐々に確実に変わっていきます。

 

HD=2Kが登場した頃は、テレビはもうこれで十分と思ったものですが、10年くらいで品質基準は移り変わっちゃうんですねえ‥‥‥‥。

 

4K60pHDRに慣れてきちゃうと、2K24pSDRって凄く古めかしい映像に見えます。かく言う私だって24pが作業の中心だった頃には、カクカク・カタカタした動きの感じなんて無意識だったのに、60pを散々見た後で24pを見ると「なにこれ?フレーム落ち?」と簡単にそのスペックの低さを見分けられます。人間の感覚はあっけないほど簡単に、よりハイクオリティのものに慣れてしまうのです。

 

2017年の今はHDRなんて言ってもピンとこないかも知れませんし、古い世代の人々ほど「今のままで十分」と思うかも知れませんが、それは「SDRのフォーマットに慣らされてきた」からです。例えば、古いフィルムの作品であっても、HDRこそ「少年少女の頃、映画館でみた、あの色彩だ」と思うはずです。最近立ち会ったUHD BDの案件では、過去のフィルム作品の色域を表現できるのは現在の狭いレンジのSDR/HDではなく、レンジたっぷりのHDR/4Kだと言うことをよくよく思い知りました。SDRは、人間の視覚に合わせたわけでなく、旧来映像フォーマットや機器の都合でしかなかったのです。私は旧作のフィルム作品こそ、どんどんHDR化するべきだと、考えを更新した次第です。

 

時間の流れを止められないように、時代の移り変わりを拒絶することは極めて困難です。

 

現代社会とは無縁の人里離れた土地で生きるのでなければ、何かしら現代社会と関わりをもつのなら、時代は拒絶するのではなく、活用してこそです。

 

時代を活用する‥‥と言っても、マイナスとマイナスを掛け合わせてプラスに転じることだって可能ですから、ことさらに時代の「流行」に従属しなくても、時代の「技術」を利用することは可能です‥‥よね。

 

 


関連する記事

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< December 2017 >>

selected entries

categories

archives

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM