近くて遠い

導入予定のEIZOの4Kモニタ「CG318-4K」のデモ機で、現在進行中のプロジェクトや過去の4K制作アニメを表示する機会があったのですが、アニメこそ、実は4Kに一番近い(か、2番目)制作技術であると再確認しました。

 

線画のキレ、意図通りの発色、その気になればとことん高詳細に作り込める絵作り。

 

4K8Kはまさに「描いた絵のためにある」のではないかと錯覚するほど、CG318-4Kはあくまで精緻に、作った絵をそのまま表示してくれます。描線の細部まで克明に表示されるさまは、苦労した甲斐があろうというものです。

 

2K制作のままなら今までの2〜2.5Kモニタで十分ですけど、4K以降の映像世界をどんどん開拓していこうと思うのなら、今のところ、CG318-4Kしか選択肢がないのが現状です。他のモニタも色々と探してみたのですが、生粋の4Kを制作するのなら、2017年11月現在は少なくとも、CG318-4Kしか適材が見当たらないんですよね‥‥。

 

でもまあ、4Kモニタにしても4Kテレビにしても、映像データそのもの、絵作りそのものは、何よりも重要です。過去のフィルム作品にしても、2Kスキャンではなく、4Kに応じた再スキャンは必要でしょう。

 

4Kネイティブのアニメ映像は、EIZOのリファレンスモニタ(300万のやつ)でも映し出したことがありますし、レグザの普及機でも映したことがありますが、どれも4Kの高詳細と60pの滑らかなモーションの元データでこそ、ハードウェアの威力を発揮できます。

 

Macと4Kモニタを接続するケーブルによっては、4K24pでしか映らないこともありますが、もはや60pでなく24pであるだけで、「ひと昔前」の映像のように見えるので、すぐに接続異常が解ります。人間の視覚というのは総合的に形成されるらしく、動きが24pに落ちるだけで、絵全体の解像感も低くなったように見えるのです。絵がいきなり「もさっ」とするので、接続のヘルツ数を確認するまでもなく、視認だけで判別できます。

 

今後、映像のプロスタッフだけでなく、一般の人も、徐々に24p/30pと60pの差を「体で覚えて」いくことと思います。現在、家庭のテレビが2Kでも、10年後には普通に4Kでしょうから、応じて、人々のテレビを見る感覚も4K60pに慣らされていくことでしょう。

 

 

 

新しい技術ベースでアニメを作れば、格段に4K60pが現実的になります。iPad Proで4K以上で描けば、いきなり、ドットバイドットで4Kが実現できます。AfterEffectsで動かせば、フレームレートは自由自在で、60pは身近な存在となります。

 

一方、3DCGの関係者の方々からは、今でも2Kフルサイズ(2Kのドットバイドット)がキツイ‥‥なんて話を聞きます。3DCG制作は、そもそもマシンのスペック要求からしてハードです。2DCGの比ではありません。加えて、映像作品として3DCGを用いる場合、より一層の細かい仕込みと作り込みが必要になるようです。ゆえに、3DCGを4K60pでドットバイドットなんて、相当困難だと思われます。

 

同じ手描きベースのアニメとは言え、旧来の現場の維持、旧来のスキームを継承しよう‥‥だなんて話になると、全く逆となって、4K60pに対して一番遠くなります。旧来の技術ベース=A4〜B4程度の用紙と低いスキャン解像度、二値化で太くなりがちな描線、8fpsベースで動くモーション‥‥と、現アニメ業界の現場と4K60pは、まさに水と油、どんなに一生懸命馴染ませようとしても、「分子レベル」で決して結合できません。

 

 

 

アニメは、新技術を用いれば、4K60pなどの未来の映像技術とどんどん距離が近くなっていきますが、旧来技術ですと離れて遠ざかる一方です。同じアニメであっても、全く状況が異なります。真逆と言っても良いです。

 

アニメ制作はその結果物が「絵」なので、モニタにアニメの絵を映し出してみれば、制作技術や制作現場の状況が「絵を介して」映し出されます。

 

‥‥と同時に、自分たちが進むであろうアニメ制作の未来も映し出されます。

 

 

 

平成は2019年で終了‥‥だとか。

 

平成時代にアニメは随分と進化しましたよね。その平成があと二年で終わり、団塊ジュニアのピーク世代(1973年生まれ前後)はアラウンド50になります。

 

平成が終わった後の、新時代のアニメ作りは如何なるものか。

 

あと10年くらいで引退しようと思っている人は、新時代など意識せずとも「今までのやりかたで逃げ切る」ことを考えれば良いのでしょうが、この先、20年、30年、40年とアニメを作っていこうと思う人は、今までのやりかたがどれだけ未来に有効なのかを、目を背けず直視して見据えなければならないでしょう。今までのやりかたが通用しない未来も、しっかりと想定しておくことが寛容です。

 

4Kモニタに自分らの作った映像を映し出して、何も感動することがないのなら、未来の有様もそうである‥‥のでしょう。「4Kテレビに映しても、何も変わらねーじゃん」とがっかりするのなら、がっかりする未来、失望する未来が待ち受けているということです。

 

私は、自分たちで作った4Kネイティブの映像を4Kモニタで映し出すたびに嬉しくなります。例え今は小さなプロジェクトでも、出来栄えに歓喜して、未来に対する自信と確信が1歩ずつ深まるような、新時代のアニメ制作を進めていきたいと思います。

 

 



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