1/4インチ8トラックMTR

倉庫所有者の廃業により、20年の長きに渡り借りていた倉庫から引越しすることになり、それはもう、色々な物品が出て来ました。懐かしく眺めている暇もないのでどんどん移動していますが、モスボール保管する前にいくつかiPhoneで写真を撮っておきました。

 

その中の1つが、私が20代の頃に使っていたマルチトラックレコーダーです。

 

これ。

 

 

FOSTEXの「MODEL 80」。

 

たしか、当時で198,000円だったと思います。その他も含めて、50万円のローンを組みましたが、生まれて初めての巨額のローンでした。当時の原画マンの原画単価はテレビで2400円前後でしたから、相当なお買い物でした。

 

8トラックのレコーディングミキサー、TX81ZやMT-32などのMIDI音源、各種エフェクト類(ラックマウントの)、ケーブルなどを合わせて買って、録音機材一式を揃えました。

 

今だったら、iPadやMacを買えばついてくるGarageBandで全く同じこと&それ以上のことができるので、「時代」としか言いようがないです。時代の古さゆえに、50万円のローンに苦しんだ‥‥という事です。

 

この「MODEL80」のスペックは、1/4インチのオープンリールテープを毎秒38cmで走らせる豪快なもので、テープの収録時間は10分くらいだったような記憶があります。90分テープ(ステレオ往復)として売られているテープが片方向の8トラック使用でまず半分の45分になり、通常は9.5cmの記録速度が38cmなのでさらに1/4になって11分。‥‥とまあ、かなりのランニングコストをかけて録音していました。

 

テープは大体2500円くらいでした。Ampexの456, 457が楽器屋さんに売っていたのでせっせと購入し、楽曲の制作をアニメーターの作業と同時進行でおこなっていました。20代のバイタリティって我ながら凄いです。今だったらそんなに手が回らんです。

 

 

おそらく、背面にトラック8だけノイズリダクション(Dolby-C NR)をOFFにするスイッチが付いていた‥‥と記憶します。

 

8番目のトラックは、各種シンクロの信号を記録するトラックとして使えるよう、シンクロ信号の記録に悪影響となるNRをOFFにできたのです。私はMIDIタイムコード(MTC)を記録し、レコーダーをマスターにして、MIDIシーケンサーをスレーブで操作していました。

 

8トラックあっても全然足らなかったので、生演奏ではないMIDI音源はミックスダウンと同時に再生して、トラックを稼いでいました‥‥が、それが後々、「再現が困難」な状況を生み出す原因とはなったのです。まあ、当時から問題は認識しており、できるだけテープオンリーで完結するように、トラックをまとめる習慣にしていました。‥‥ただ、トラック8から漏れる「ピーギギギー」というシンクロ信号のクロストーク(隣接するトラックの音が漏れて聞こえてくる)には手を焼いた記憶があります。

 

このあたりの知識を、独学とはいえ音楽制作で経験済みだったので、「デジタルアニメーション」と呼ばれた1996〜2003年くらいのアニメ制作の転換期に関わった際に、「信号レベル」に関するすることや「タイムコード」が何のためにあるのかなど、考え方を応用できました。

 

ちなみに、私は「テープをつなぐ」ことは全くしなかったので、一応スプライシングテープは所有していたものの、使わずじまいでした。フットペダルによる「パンチイン録音」(曲の一部分・一区間だけレコーディングする)は頻繁にやってたんですけどネ。

 

もう1度、音を出してみたい衝動にもかられますが、何しろ、環境を整えるのが大仕事(=重い、デカイ、場所を取る)ですから、いつかまた会う日までモスボールの中でおやすみ‥‥です。

 

 

 


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