お金のこと

「ゆとりちゃん」のMac版が終了して以来、家計簿をつけなくなってしまった私‥‥です。家計簿ソフトは圧倒的にWIndowsに選択の幅があり、一時はWindows版の家計簿を使ってはいたのですが、家計簿をつけるたびにWindows仮想環境を起動するのが億劫になり、途絶えてしまいました。

 

Macはこういうのは弱いよねえ‥‥。

 

まあ、Numbersで自作すれば良い‥‥とは思うのですが、日々の仕事に流されて、途絶えたままです。

 

しかし、自分のこともさることながら、作品作りにおいても、お金の問題からは逃げられません。

 

WindowsならExcelで‥‥となるところですが、Macの場合はNumbersを駆使して、お金の計算を習慣化することが必要に思います。

 

新しい技術による新しいアニメーション制作は、費目が旧来とは大きく異なるゆえに、いわゆる「制作予算表」の慣例がまったく通用しません。かなり周到にお金の計算をしておかないと、どんなに「少数精鋭」型制作現場でも破綻してしまいます。

 

旧来のアニメ制作現場が採り入れようにも採り入れられない「スケーリング」の構造を最初から導入し、単価面、人足面の両面から、精査して枠組みを練る必要があります。過去の慣習に思考を束縛されることなく、大胆な手法も取り入れなければならないでしょう。

 

やっぱり、運用技術面で大々的にコンピュータのパワーを導入するほかない‥‥というのが、率直なところです。アニメの場合、ほとんどが人件費ですから、ワークフロー管理を人力でおこなっていたら、把握しきれない情報量でオーバーフローする上に、人件費もかさみます。

 

コンビニのATMに銀行員が24時間体制で必ず一人常駐する‥‥なんていったら、とんでもない人件費がかかるでしょうから。

 

 

うまくやっていくしかないのは、新しい現場も旧来の現場も同じです。人件費で苦労するのは、技術が新しかろうが古かろうが同じです。

 

新しい現場は、その設計の新しさを武器とし、現在のインフォメーションテクノロジーのパワーをうまく活用して、気を許すとすぐにでも膨れ上がる人件費をできるだけ抑え込むしかないです。

 

ただし、人件費を抑えるのに、旧来現場が犯してきた過ちを踏襲するつもりは一切ありません。1枚のピザを100等分する「わびしい」料金体系を再演するような、同じ轍は踏まんです。‥‥だって、私は旧来現場の「一律単価制」に苦しめられてきた人間ですからね。

 

 

 

旧来のアニメ制作はさ‥‥、人を呼び込み過ぎなんですよね。エンドクレジットの名前の数を見れば、人が多すぎな事は誰でもわかるはずです。あれだけ多くても、まだ「名前さえ出してもらえない」人々も潜在しているのです。ゆえに、一人に与えられる金額が散り散りのハシタ金になってしまうのです。

 

旧来のアニメ制作現場にいる人々全員が、「休みも取れて、収入も十分」と実感できる額で、制作予算を試算すると、それはもう恐ろしい額になると思います。「休みもちゃんと取れるスケジュール」となると制作期間は長くなり、時間=金で、より一層、制作費は「うなぎのぼり」です。30分のアニメ1話だけで8千万〜1億とか平気でいっちゃうんじゃないですかね。

 

でも仮に、そうした制作費で作ったとしても、どの会社でも大体似たようなクオリティ‥‥となると、そもそも「価格に見合う価値がない」という本末転倒な状況に陥るのです。

 

私は以前、「どこの会社でも作っているような、同じ絵柄の同じ品質のものが、一番「お金を出す側は」困る」と話されたことがあります。‥‥私も「自分がお金を出す側で考えたら」同じように思います。代わり映えしない似たような商品は、平均価格・従来価格で買いたいですもん。

 

今のアニメ業界全般の挫折点は、わたし的にはもう分析できていて、「膨大な人足が必要な制作体制ゆえに、制作費を細切れにするしかなく、作業者に行き渡る報酬が少ないゆえに、新しいアイデアを生み出す余力はなく、新しい基軸を盛り込む機運も生まれず、平均的な内容に留まってしまう」のです。業界内で人的リソースを共有する構造も技術の均質化に拍車をかけ、どの会社も似たり寄ったりの「平均的な内容」となります。

 

その「平均的な内容の作業をすればOK」的な慣習が、「いつもと同じものしか作れない技術集団」を形成してしまい、いざ、高額の制作費を獲得できても、高額なりの価値を生み出せなくなる‥‥のです。

 

 

一方、私の進めている新技術の制作システムは、人足をできる限り抑える=少数精鋭のスタイルです。人数が少ないので、ピザは100等分ではなく、10等分で済む‥‥的な考え方です。

 

そんな都合良くいくのか?‥‥と考える人もおりましょうが、現に、私は原画だけでなく、一人で極めて絵の細かい動画200枚相当を1日で作業できたりもします。まあ、200枚ガチで描いているわけではないですけどネ。コンピュータのパワーを使いこなせば‥‥です。4K60pをフルモーションで動かすことも普通に可能です。

*もう少し丁寧に言うと、新しい現場では「動画枚数」という概念自体が無いのです。4K60pのフルモーションなんて、動画枚数換算にしたら、1枚200円でも制作費は破綻します。旧来の動画の概念は、新しい技術フィールドではまったく通用しません。

 

そんな話を聞けば、お金の問題なんて解決できそうに思える‥‥のは、少々早合点、浅い考えです。今まで1枚200円とかで人を動かしていた金銭感覚ではなく、ちゃんとした技術職に値する報酬を支払うようになるわけですから、人ひとりの金額ボリュームが大きくなって、思ったほどには人件費は軽くなりません。

 

運用には極めて慎重な金銭的な運用計画が必須となります。単価でバラまいていたやり方は、まったく通用しません。

 

「絵柄に制限がなく、どんな細かい絵柄でも動かそうと思えばフルモーションで動かせて、しかも少人数体制で完結する。しかし、作業者一人の作業責任と報酬は大きくなり、今までとは異なる時間と金銭の管理が必要となる。ワークフローの管理はとりわけ繊細でシビアになる」わけです。

 

とても高いハードルではありますが、これを超えられずして、新しい未来はない‥‥と私は思っています。

 

お金のハードルは、特に手強いですが、逃げずに取り組んでいこうと思います。

 

 

 

高いハードルだから超えられない?

 

難しいからできない?

 

私は作業しながらラジオがわりに、NetFlix配信の「プロジェクトX」(NHKの旧番組)を流してたりしますが、もちろんテレビ番組ならではの演出脚色はあるでしょうが、不可能を可能にしてきた人たちがいて、現在のスタンダードがかたち造られたことを、番組を見て感じ入っています。旧来アニメ技術だって、不可能を可能してきた繰り返しだったのです。

 

アニメ業界の人々は、いつから技術を革新することを忘れてしまったのか。

 

いつから、自画自賛の人々となってしまったのか。

 

そりゃあ、誰にだって「理由」はあるでしょう。でも、「理由があるから、できない」なんて言う人が全員だったら、時代とともに進化してきた身の回りのほとんどの物は存在しないんじゃないですかネ。

 

 

でもまあ、ぶっちゃけ、他人の無気力や挫折なんて、どうでもいいやって感じなのです。無気力な人・挫折した人を奮い立たせるほど、私は善人でもボランタリーでもないですしね。

 

幸いなことに、「アニメ業界という全体主義」に依存しなくても、新しいアニメーション技術と制作システムは前進できます。世界規模の映像技術の進化が、追い風になってもくれます。

 

気力のある人々、立ち上がって前進するのを恐れない人々と、一緒に未来を切り開いていければ、それだけで心強いのです。

 

 

なので、「お金のことを、うまくやる」のを正面から取り組んで、土台をしっかりと形作る所存です。どんなに気力がある人々が集結しても、相応の報酬が供給されなければ、プロジェクトは頓挫します。

 

精神論なんていうものは、自然発生的に自己の中から生まれ出でるものです。他人が強要すべきものではないです。ましてや、その精神論で現場を動かそうなどとは、愚の骨頂です。現場は金でこそ動き、新たな表現と品質こそ人間が作るのです。

 

「お金という土台」があってこそ、色々な困難にもチャレンジできると思うのです。

 

 

 



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