パンサーを成仏さす

連休中に自宅の部屋を整理してたら、20年以上前に作りかけで放置していた「パンサー中戦車」のパーツが出てきました。‥‥ので、この機会にちゃちゃっと完成させて「成仏」させてやるべく、作りかけの作業を20数年ぶりに再開しました。

 

 

記憶は曖昧ですが、おそらく、20年前の時期は、私がコンピュータを使い始めた頃で、プラモデルやバイクや画材よりも、コンピュータのほうに時間とお金をかけ始めるようになって、尻切れトンボで放置されたのだと思います。

 

パッケージの値札を見ると、「にのたか」との表記があり、三鷹の「にのたか模型店」で購入したことがわかります。三鷹を昔からご存知の方は懐かしさを感じるかも知れませんネ。まあ、模型店という存在自体、模型店でプラモを買うという行為自体が、今となっては懐かしい限りです。

 

 

 

ちなみに、現在でも同じ商品は継続して販売されておりますが、定価は税別で「2200円」で、値札の「1020円」の表記で推測しても、購入した年代が大体わかります。私の小学生くらいのころは800円前後で販売されていた記憶があるので、随分とプラモデルも時代とともに価格が上昇したことになります。車体下部に記された刻印は「1969」なので、金型は相当古いですネ。私が2歳の頃ですもんネ。

 

箱の内側を見ると、タミヤの出版物の広告が印刷されています。最近は見かけませんけど、もうやめたのかな?

 

 

隅に溜まったホコリが、20年の月日を感じさせますが、「モ子ちゃん」のキャラも完全に80年代テイストで、時代を語っております。現在皆でこぞって描いているキャラの方向性もかなりデフォルメやデザインに癖がありますから、20年後には相応に時代を感じさせるキャラになっていることでしょうネ。

 

 

 

話を戻して、作りかけで20年以上放置され続けたプラモはこちら。

 

エアブラシで迷彩を塗装した後に、何年かおきに手をつけながら、思いつきで斑点などの迷彩パターンも足して、さらに残念な出来栄えになって、すっかりあきらめて放置した様子です。

 

斑点や円の模様はさ‥‥、もっと丁寧に時間をかけて描かなきゃダメですよネ。細かい模様で無数に描く必要はありますが、だからといって、筆で「ちょちょい」なんて描いたら、「傷口」がどんどん広がってしまいます。まさに下図の通りに。

 

 

加えて、砲身は真ん中から折れて(おそらく、エナメル塗料の墨入れによる材質の劣化により脆くなっていたと思われます)、細かい部分も折れて紛失していたりします。「修理」してくっつけて、サーフェイサーの1200番を筆塗りしております。

 

 

砲身の付け根、防盾の影の部分に塗料が回っていないあたり、随分とテキトーでイーカゲンな制作です。昔の私の大雑把さがよくわかります。

 

現在の私は、プラモに関しては達観しており、妙な虚栄心は失せておりまして(=模型雑誌に出ているような素晴らしい出来栄えを目指そうと考えるのはやめた)、「人に自慢できるか」よりも、「自分の部屋に置いて、自分なりに良いと思えるか」程度の、低いハードルです。雑に作ろうとは思わないけど、人に見せて自慢することを目標にはしない‥‥とでもいいましょうかネ。このパンサー中戦車も「棚に並べられるように組み上がっていれば良い」程度の目標で、1日未満の作業でフィニッシュしちゃいます。

 

なので、ダークイエロー一色の、大戦中期以降のドイツAFVの標準色で仕上げることにします。

 

塗装は、「田中式塗装術」からヒントを得た、「アクリル絵画式」で今回もいきます。プラモデルの塗装を、「実物ミニチュアの塗装」でなく、「立体物をキャンバスにした絵画」と捉える方法です。

 

ゆえに、現状の塗装は、うってつけの下塗りテクスチャとなります。絵画ではよくやる技法です。

 

 

 

見ての通り、かなり薄めたタミヤ・アクリル塗料で油彩や水彩を描くようにして、塗料をのせていきます。薄め‥‥ということは、溶剤をたくさん含んでいることですから、塗った直後は筆致が多少盛り上がっていても、溶剤の揮発とともにフラットになるので心配ありません。

 

「筆ムラを活かして、表現にする」のは、絵画では「いわずもがな」の大前提であって、むしろ工業製品の塗装面のように一切のムラなく描くほうが異質です。実物のミニチュアとしてではなく、ボックスアートが立体になったような雰囲気で捉えるのがヨロシイです。

 

 

面積が広いので時間はそれなりにかかりますが、エアブラシの装置の手入れや、マスキングに血道をあげる手間は全く不要で、気楽に塗れるのが、田中式塗装術の最大の利点‥‥とも言えますネ。

 

もともとの塗装が下から透けて見え隠れして、表面の色彩に影響を及ぼす‥‥というのは、まさに絵画の常套テクニックです。美術館で実物の絵画をいろんな角度で自由に見ると、画家の技法が垣間見えますが、そうした技法をプラモの塗装にも活かせるのが、筆塗り塗装術の表現上の特徴です。

 

 

 

細かい部分を残して、大まかに塗り終えた状態が以下です。

 

 

既に転写したデカールはそのまま活かすことにします。ダークイエローの塗料で、デカール周辺を塗りつぶしていきます。

 

ルーペ極細面相筆さえあれば、デカールの数字だけを浮き立たせる塗装も、さして難しいものではありません。面倒がらずに丁寧に筆を動かせば、このくらいは誰でもできるでしょう(その作業が好きかどうかは別として)。

 

ただ、逆に言えば、「ルーペ極細面相筆がないと、よほどの視力の持ち主でもない限り、不可能」です。ルーペと面相筆に限らず、適切な道具があれば不可能は可能になり、道具が不適切だと不可能なまま停滞するわけです。

 

細かい対象物さえハッキリと見えれば、意外なほどに、自分の手の動きは精密な対象を処理できるのです。

 

 

 

 

数字は小指の先ほどの小ささですが、ルーペと極細面相筆でスイスイ作業は進んでいきます。塗った直後の塗装面がボテッとしても、「223」の最後の写真を見ればおわかりのように、乾けばフラットになるのです。

 

細かい部分が終われば、あとは墨入れだの、予備の履帯などの小道具の組み立てなどをして、完成は間近です。下図は、暗めのグレーに調色した墨入れ用エナメル塗料で、各部に墨入れした状態です。この後、はみ出した墨を拭き取っていきます。

 

 

 

‥‥で、とりあえず、完成しました。

 

実はワイヤー類の小道具パーツをまだ取り付けていないのですが、この頃のタミヤのキットは、「プラを炙って曲げてね」と言う、なかなか「ちゃんとやろうとすると結構難しい」ことを要求するキットでもあるので、今のところは割愛しちゃいます。気が向いたら、繊維の紐を使って自作してくっつけることにします。(現在の1/48のミリタリーミニチュアのやりかたですネ)

 

 

時代考証とかはまるでなし。実車は存在しません。砲身のキルマークも含めてフィクションです。

 

とにかく、「中途やバラだと飾りようがないので、飾れるくらいまでには仕上げた」感じです。砲塔左側のフックが折れてたり、車体上下を組み付ける役目の車体前部の切り欠きが折れていたりと、知っている人が見れば中々なオンボロ具合ではありますが、全体をサッと見た瞬間の雰囲気は、悪くないと思っています。

 

これで20年越しの「パンサー中戦車」もようやく成仏できそうです。

 

しかし、この他にも、やはり20年越しの1/48のオオタキ(アリイ)の三式戦飛燕、四式戦疾風、五式戦、etc‥‥が「早く成仏させてくれ」と棚の中からこちらを見ているので、「筆塗りで気軽に仕上げられることがわかった」今は、あまり長引かせずにフィニッシュしていきたいと思います。

 

 



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