テレビこそ

現在、色々な仕事をチャンポンで作業していますが、やはりテレビは過酷です。仕事の依頼を受けた時点でスケジュールがないことも多いですし、作監をお手伝いしようものなら中々にハードな内容(パースから直すような根本的な直し)も多々ありますし、劇場や短尺を丁寧に作る仕事とは全く内容も作業意識も異なります。

 

で、テレビを作業してみて思うのは、テレビシリーズこそ、iPad作画などの「デジタル」作業仕様が活きる‥‥ということです。テレビシリーズのようなスピード重視の制作体制でどれだけカットを「底上げできるか」という作業目的においては、様々なコンピュータの利点を作画作業でも最大限に活かせます。

 

ただまあ、既に紙で流れているカットに、途中からiPad作画を介在させるのは、かなり面倒です。なので、「紙ベースの作品は、基本、紙で」の方針は変わりませんが、作監をやりつつ片手間でレイアウト(=絵コンテから描き起こす最初の工程)を作業する際は、タップ貼りのロスを差し引いても、iPadで作画したほうが格段に作業が速くなるのを実感しました。

 

特に、パースのアシスト機能は超便利。パース技法を習得済みで、パースの原理さえ解っていれば、こんなに便利ツールはなく、乱立する高層建築などもスイスイ描けます。定規でVP(Vanishing Point=消失点)に合わせながら描く手際を、Procreateが「定規の動作」をアシストしてくれるので、フリーハンド一発で建築構造物が描けます。キャラの位置を微調整してカメラ位置(ホリゾンタルライン、VP)の調整も容易です。

 

ただねえ‥‥フローがね。

 

紙とデジタルデータの混在は厄介至極。何の制作ドクトリンもなしに、混在できるほど甘いものではないです。

 

原画周りだけ作業性が良好でも、全体の取り回し的にNGでは、立ち行きません。なので、今はまだダメかな。流れの具合が悪い。

 

 

ただ、遅かれ早かれ、紙はその物理的限界により、未来の映像フォーマットには対応できず、なし崩し的に「デジタル」へと移行するようにも思います。時代がアニメ業界の台所事情に都合よく2Kのままストップするわけないのです。

 

紙に鉛筆で描くのは、「鉛筆の持ち味」を活かすような高級なニュアンス(もちろん、階調トレスだよね、その場合は)を必要とする作品以外では使われなくなっていくと感じます。「線画のインプットメソッド」として捉えるのなら、作業性においても品質的な観点でみても、今のA4〜B4サイズの作画は2Kが終着駅で、紙の時代は「旅の終わり」に近づいています。まさかA3用紙を標準フレームにするわけにはいくまい? でも実は、「拡大作画」で似たこと(=作業サイズを部分的にアップする)はかなり前から実施されており、映像フォーマットと作業サイズの不整合は「拡大作画」を以って、既に未来を暗示しているのです。

 

 

私は数年後に公開する作品においては、2Kで作品を作るべきではないと考えています。数年後の2020年代に発表される作品が2Kだったら、その時点で随分と見劣りすることになるからです。鳴り物入りで公開される2020年の作品が2Kだったら、ショボいの一言です。一生懸命作っていた当時は2Kは妥当でも、完成した時には既に古いものと化していた‥‥なんて、悲劇ではなく喜劇です。最低でも4K24pあたりでしょうネ。未来を着地点とする技術開発や作品制作は、その当時は「非常識」「非現実的」「荒唐無稽」といわれるくらいで「丁度良い」のです。

 

これから先、アニメ制作は、どんな技術展開を見せていくのか。

 

以前の時と同じく、大型の高予算作品から切り替わっていくのか、それとも利便性に気づいてテレビから切り替わっていくのか。どちらにしても、「新しい作り方を確立」したグループが台頭することでしょう。

 

 



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