運用してみそ

新型のiPadが出ましたネ。iPad AirでもProでもminiでもない、無印iPad。

 

新型のiMacやiPad Proはしばし御預け、今年の秋頃という予想もありますが、私はあと2年は今のiMac 5K(初期型)を使うので、ゆっくりと待ちます。

 

新型のiPadは、普及価格帯のとりたてて秀でた特徴のない平凡なモデル‥‥ですが、そのぶん、「Appleとしては」購入しやすい価格となっています。2KのRetina、1080p30fpsのビデオ、スローモーションは120fps、Touch IDのボタン‥‥と、必要十分な性能です。

 

2台目、3台目のiPadにはぴったりな製品ですネ。

 

 

* * *

 

 

iPad Proで原画を描くとき、私はiPadとFireを設定ビュワーとして使っていますが、設定ビュワーは最低でも2つは必要です。できれば3つあると便利です。内訳は「設定用に2つ、絵コンテ用に1つ」です。

 

全部をiPadで揃えるとお金がかかるので、昔使っていたiPad(iPad 2とか無印のminiとか)を使ったり、Fireの8インチモデルなどを買うと、安く環境を揃えられます。絵コンテを確認する用途だけに限るのなら、Fireの7インチでもなんとかいけます。設定閲覧用だとさすがに最低8インチの画面の大きさは必要でしょうネ。

 

「そんな‥‥いかにも贅沢な‥‥」と言われそうですが、実際、設定を見なければ原画は描けませんし、絵コンテも随時確認する必要があります。

 

せっかく、iPadに切り替えて、机が広く、クリーンに作業ができるようになったのに、設定や絵コンテは相変わらずの紙のまま‥‥では、台無しです。

 

絵コンテ&設定ビュワー、「大量にストックできる自分の資料棚」としても活用できる、iPadとFireは、制作環境の欠かせないアイテムです。指先で全ての操作を完結できるので、邪魔なキーボードを置く必要もありません。

 

 

「でも、iPadを買っても、打ち合わせでは紙のほうが便利だし、大量にストックできると言っても、実際に使うときは検索が面倒」と思う人もいましょう。

 

実は私も、環境を揃えるまではそう思ってました。絵コンテをPDFで読み込んでも、打ち合わせのメモを書き込めないんじゃ意味がないですし、作品のキャラ設定から美設から色見本から全部iPadに詰め込んでも、あまりにもページ数が多いと、見つけ出すのが大変ですよネ。

 

しかし、それは作業の準備を整える習慣を身につけていなかった‥‥からです。紙ではなく、オールデジタルで原画を描くときの準備‥‥です。

 

私のこの1年は、まさに、iPad原画の「実証運用」のような1年でした。事前にどんなに頭で考えても、実際に運用してみないと見えてこないことはたくさんあるものです。

 

私の実感として、以下のような作業前の準備が必要です。

 

  • PDFに直接書き込めるAppのインストール
  • 設定の抜粋とPDF化
  • クラウドの運用と端末間の相互通信

 

まず、打ち合わせ前に、絵コンテや設定をPDF化して、さらにPDFに直接手書きで書き込めるアプリもインストールして使えるようにしておきます。そうしないと、PDFを眺めるだけで、メモを書き込むことができません。なので、何らかの「PDFに書き込むことができるアプリ」を購入します。私は「MetaMoji Note」(1000円くらいだったような)を使っています。

 

打ち合わせが終わったら、自分の担当する箇所に必要な要素だけを抜粋して、作画作業集中用のPDFを作ります。macOSには「プレビュー」というソフトウェアがあって、簡単な操作で、ページの抜粋や削除ができます。自分の担当シーンに出てくるキャラや美術、小物(プロップ)、色見本、参考資料などを、1つのPDFにコンパクトなページ数でまとめます。

 

これをしておかないと、ページ数のあるPDFを延々とスワイプしたりいちいちインデックスを表示してページ移動しなければなりません。必要のないページは削除して、自分の作業に必要がある設定や資料を抜粋することで、格段に作業の煩わしさが減ります。‥‥もちろん、編集するのはコピーしたファイルを使い、オリジナルはとっておきます。

 

紙の作業でも、同じこと=ページの抜粋をしている人は多いかも知れませんネ。分厚い紙の束はなにかと、作業するには扱いにくいですもんネ。

 

そうして出来上がった自分用の設定書類PDFを、各iPadやFireに供給する必要があるのですが、いちいち、ケーブルで繋いでiTunes経由で送ってたら、まどろっこしくてお話になりません。面倒この上ないです。

 

iPadの場合、母艦のMacやiPad間で、自由に簡単な操作で、Air Dropにてファイルを受け渡しすることが可能です。もし、Air Dropだと自分の期待する動作にならない場合(=Procreateで開きたいのに、違うアプリが受け取ってしまう‥‥など)は、クラウドを使います。AmazonのFireにPDFを共有する際も、クラウド経由です。

 

もちろん、WiFiの環境は作業場に作っておきます。iPadやFireは「有線なんて知らん」という仕様なので、WiFiの環境は必須です。

 

 

‥‥とまあ、どんなに機器を揃えても、実際の運用のコツを掴まないと、紙と鉛筆がタブレットに変わっただけの環境止まりです。コンピュータ機器を導入して作業をおこなう醍醐味は、様々な要素がネットワークを通じてリンクしバインドすることですから、描く時だけ「デジタル」ではもったいないです。その昔、クジラを捕鯨して油だけ絞って他の部分は捨てていた西洋人のごとく‥‥です。「デジタル」を使うのなら、骨の髄までコンピュータをしゃぶり尽くしてこそ‥‥です。

 

ぶっちゃけ、今の私は、紙の現場の仕事でなければ、1枚も紙を使わずに作画の仕事ができます。iPad、Mac、サーバ、無線&有線ネットワークのWANとLAN、クラウド‥‥で、すべてカバーできます。

 

運用してみて初めて実感できることは多く、実感したからこそ思いつく新しい作業上のアイデアも出てきます。石橋を叩いたところで、どうにも判断できず、結局渡らず仕舞い‥‥よりも、まずは運用してみて‥‥ですネ。

 

 

 

でもねえ‥‥。iPadに変わっても、作画は大変な仕事‥‥だよね。しみじみ、思います。

 

来る日も来る日も、四六時中、iPadで作画して、疲労が溜まってくると、iPadのボタンすら押す気になれなくなるのは、自分ながら驚きました。「頼もしく見えたiPad ProとApple Pencilが、うんざり見える」と。

 

あと、忙しくて疲れてくると、恒例の「紙のくせ」がひょいと出てきます。新規レイヤーを作らずに、棚に紙を取ろうとして手を伸ばす‥‥とか、相変わらず、朝一番で作業するときに「スターン!」と作画机のライトのスイッチをONにしたり。

 

‥‥簡単には、紙の癖は抜けんですネ。

 


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