用語

前々回、タイムシートの記述に対して、「妙な具体的なフィルタの指示は無意味」と書きましたが、では、どのような指示が良いのか、思いつくままに書いてみました。

 

タイムシートはフィルム時代の産物で、「該当なし」も多いのですが、とりあえず。

 

ガウスブラー

滑らかブラー

=「ボケ」「ぼかし」

 

カメラレンズブラー

ボックスブラー

=「ピンぼけ」「アウトフォーカス」

*豆知識)「ピンぼけ」は意図せずしてピントがボケてしまった状態、「アウトフォーカス」は映像表現として意図的にピントをぼかした(外した)状態をいいます。‥‥でも、アニメだと実質、アウトフォーカスもピンぼけも同義です。

*予備知識)アニメでよく使われる「背景ピンぼけ大、Aセルピンぼけ中、Bセルピンぼけ小、Cセルにピント、Dセルピンぼけ大」‥‥のような指示は、原理的には「被写界深度の浅い状態」であって、決してピンぼけではなく意図的なフォーカス表現です。とはいえ、この場合も、タイムシート上の指示では慣用的に「ピンぼけ」で構わないでしょう。

 

ラジアルブラー

放射ブラー

シャイン

ラジアルファストブラー

=「ラジアルフィルター」「放射状のぼかし」

 

移動ブラー

方向ブラー

モーションブラー

=該当なし‥‥なので、「動きに合わせてブラー」とかでしょうかね

*余談)その昔「ゴーモーション」という実写の技術があり、ミニチュア撮影でもモーションブラーの表現を実現していました。現在はCGに取って代わられているようです。ゴーモーションについては、Wikipediaを参考

 

コーナーピン

メッシュワープ

ベジェワープ

パペットツール

ゆがみツール

=該当なし‥‥なので、「変形」「ディストーション」あたりでしょうか。

 

エコー

ブレンド

後幕&先幕シンクロ

=「OL(カット内OL)」「ストロボ」のほか、該当なしの効果もあります。

 

特殊な効果〜レインボーフィルタ、スマートブラー、スターグローなど

=あらかじめ作品の中で用語を決めて指定(他作品に通用する互換性はなし)

 

 

 

要は、「使用するエフェクト固有名や機能名」ではなく、「それによって得られる映像の状態」を記述すれば良いのです。

 

 

変に気を回して「CC Radial Fast Blur」なんて書かずとも、欲しい絵の状態=「放射状にブラー」と書けば、コンポジターは絵の雰囲気に最適なエフェクトの選択肢「Radial Blur」「ブラー(放射状)」「Trapcode Shine」などから適宜選択して、映像効果を付与してくれます。

 

中途半端な知識で中途半端に指示するのは、ぶっちゃけ、一番みっともなくブザマです。

 

だったら、「こういう絵にしたい」とイメージが伝わるシンプルな指示で良いのです。

 

 

「シンプルな指示では伝わりきらない、微妙なニュアンスを撮影さんに…」というのであれば、もう、そう思う本人が撮影をするほかありません。絵コンテと原画の関係性は、そのまま、タイムシートと撮影の関係性に通ずるものがあります。

 

もしくは、「つー、かー」で「いい感じが伝わる」撮影監督さんやビジュアルエフェクト担当者、グレーダーを「スタッフとして身内に取り込む」しかないです。

 

実写の撮影監督は、映画監督の女房とも共犯者とも言うじゃないですか。アニメでも同じです。

 

 

絵の細かいディテールやタイミングの1コマまで自分の思う通りに原画を描いてもらうには、絵コンテだけ書いていてもダメでしょう? 自分で原画を描くか、作監を兼任するしかないですよネ。

 

それと同じく、何から何まで自分の思う通りに撮影してほしいのなら、自分で撮影を兼任するしかないのです。タイムシートの指示だけで自分の思う通りに撮影をコントロールできるわけがないのです。自主制作ではなく、アニメ業界の商業アニメ作品は、あくまで「共同作業の成果物」なのです。

 

 

とは言っても、たしかに、タイムシートの性能が、現代の作品制作技術のニーズからどんどん旧式化して、古めかしいものになっているのは否めません。

 

何度も書いていることですが、Z軸の操作をT.B.とT.U.でしか表現できないのは、After Effectsなどの現用ソフトウェアの性能から鑑みて、著しく「タイムシートの規約そのものが旧態化」しています。Z軸だけでなく、様々な要素においても、です。

 

ただねえ‥‥、じゃあ、どこで「仕切り直し」をするか‥‥というと、アニメ業界の一番「苦手」な部分じゃん?

 

現在、仕上げと撮影が完全に「デジタル化」して久しいのだって、決して、業界が一致団結して「仕切り直した結果ではない」ですからネ。2000年初頭に「デジタルアニメーション化」に成功した一部の制作会社をみて、尻馬に乗るようにしてあっちもこっちも追随して、今の状態があるだけですもん。

 

結局は、生き馬の目を抜く勢いの制作集団が、どんどん新機軸を展開していって、流れを変えていくだけです。

 

これから先、10年20年30年後に、タイムシートがどんなことになっているのか。‥‥私としては、旧来のタイムシートは「メンテナンスモード」で運用し「保守」状態で維持できればベターで(=劣化を防ぐ)、本命はどんな映像フォーマットでも対応できる新しい指示シートです。

 

まずは、2025年までの成り行きを、新しい取り組みもおこないながら、見ていくのが良いでしょうネ。

 

 



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