果てしない水汲み

アニメを未来に渡って作り続けるには、どうしたら良いんだろう。

 

若手アニメーター、月給10万円未満が50%超 「死に体で支えている」苛酷な生活実態とは(調査結果)」を読むと、今の作り方の限界を感じます。おそらく、誰もが。

 

こうした話題を前にした時、多くの人は制作費のことを持ち出しますが、私が考えるに、今の作り方を維持しつつ、原画・動画だけでアニメーターが歳相応に正常に生活できるようになるためには、現在の作業単価の4〜5倍は必要で、さらに単一単価制度は廃止しないと、問題は大きく改善できないでしょう。

 

でも、それをできる会社、ぶっちゃけ、ないですよネ。

 

「大変な作業を請け負えば、相応の報酬が得られる」というあたりまえ過ぎることを、まずは現場で成立させないと、お金はいつのまにかどこかへと消えていくだけです。

 

作画だけじゃなくて、撮影でも同じで、派手で大変なドンパチのカットが盛りだくさんなシーンを、他の日常芝居のシーンと同じ「秒単価」でぬけぬけと伝票を切ってきた時は‥‥‥‥‥

 

 

でもね、もういいんだよね、そういうのは。

 

過去の幻影です。

 

 

現場の技術自体、現場の制作構造自体、現場のお金の感覚自体、現代とあまりにもズレすぎているのです。

 

どうやったら、よくなる? ‥‥なんて、「今の住処」に居続けたまま、話し合うだけ無駄。

 

どうせすぐに、内輪で「あなたのほうが1畳多いのはズルい。」「あなたのほうが日当たりが良くて不公平だ」なんていう骨肉の争いが始まるだけだもん。彩色単価からお金をカットして動画単価に補填すべきだ‥‥なんていう人がいるくらいだからね。

 

そんな人々が集う狭い住処で、現在の基準だと建蔽率でひっかかるから、柱だけは残して、全面改築だ!‥‥なんていう取り組みが、果たしてどれだけ有効か。

 

 

数キロ離れた川に、バケツを両手にもたせて、水を汲みにいかせといて、「大した量を運べない奴だな」なんて、あまりにも酷い話です。でも、アニメ業界の制作技術って、延々と現在でも、そういうことをやってるんですよ。

 

バケツによる水汲みは大変だから、水の単価を上げよう!‥‥って、アホすぎると思いません?

 

なぜ水路を作って、電気でポンプを動かそうとしないんだろう? 電気は電球を灯すだけにしか使えないと思っているのだろうか?

 

バケツの水汲みをしていた人は、水を扱う様々な新技術の技術者として再出発すれば良いのです。

 

でもね‥‥、「水路を作るのって、大変じゃん」‥‥というのが、業界の総意なんだよね。

 

 

まあ、だから、私はもう、既存の現場にどうこうと提案するのはやめたのです。今までの現場の流儀が気に入っている人々に、余計なお節介なんて、すべきではないと達観しました。

 

だってさ‥‥。今の場所に、新しい住処を作るのって、実質的に無理じゃん? 今いる人々を一旦でもどかさないと、新しい建物なんて建てられないですもんネ。

 

 

 

必要なのは、古い考え方に固執する人がいない、今の現場とは違う場所に、新たな設計に基づく、新たな住処を建築することです。少なくとも、私はそう思います。

 



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