扉の鍵

tga1.jpg今は亡き、演出・監督のわたなべぢゅんいちさんと出会った頃、教えてもらった楽曲のひとつに、山下達郎の「夏への扉」という曲がありました。

*追記:おぼろげな記憶だと、わたなべさんが好きだったのは、山下達郎バージョンではなく、難波弘之「センス・オブ・ワンダー」バージョンだったように記憶しています。

 

私は、山下達郎ハインラインも馴染みがなかったので、いわゆる70〜80年代のフュージョン系アレンジの楽曲、AOR系の曲というのが第1印象でした。聴くうちに、徐々に愛着も増していき、今では、iPhoneの中には必ず入っている定番となっています。

 

歌詞は、そのまま、小説の内容を反映していますが、あらすじを要約するような無粋なものではなく、物語の心情的なエッセンスを表現しています。

 

今にして思うと、なかなか、グッとくる節もあります。

 

もしか君 いまここで

やり直せなくても

さびしく生きることはない

 

あきらめてしまうには まだ早過ぎる

扉の鍵を みつけよう

 

 

今の時期、別にアニメ業界だけでなく、日本全体にも、なにか妙にキモチに響くものがありますネ。

 

わたなべさんが、当時の20代前半の「迷える」私にこの曲を聴かせてくれたのも、なにかピッタリくる感じような雰囲気があったのでしょうかね。そして、わたなべさん自身にとっても。

 

 

わたなべさんが死んで、もう10年‥‥だと昔からの仕事仲間の方から聞きました。

 

ただ、私は結構定期的に、わたなべさんのことを思い出しているので、10年とか聞くと、ちょっと意外な感じもします。

 

わたなべさんが生きていた時、「墓参りなどしなくても、その人のことを、どれだけ思い出しているかのほうが、大事だと思う」と話していたことがありました。

 

たしかにそうかも知れません。冠婚葬祭の儀式とは別に‥‥な。

 

今はもう一緒に仕事をしていなくても、あるいはもうこの世に存在していなくても、今でも私の心の中に響き続けるコトバとビジョンがあります。即物的に一緒に居ることやネット経由で文字をやり取りするだけが、繋がりの全てではないのです。

 

 

むしろ、深い繋がりというのは、目の前の近い距離に実在してたり、頻繁に手軽にSNSでやり取りすればするほど、見えなくなっていくようにすら、思います。

 

でもそうした日々の馴れ合った関係とか、瑣末な文字のやり取りの中に、後になって輝きを放つ原石のような何かが埋もれていたりもするんですよネ。

 

 


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