クリスタのTIFF

クリスタの使用頻度が徐々に増えるようになって、色々と改善点を感じるようになりました。

 

今回ハマったのは、アニメーションセルの出力における落とし穴です。

 

なぜか、TIFFにアルファチャンネルがつかない

 

‥‥というナゾ仕様です。TIFFはごく普通にアルファチャンネルが持てるファイルフォーマットで、アルファチャンネル付きで書き出す代表的なフォーマットです。

 

しかし、現バージョンのmacOS版のクリスタはTIFFにはアルファチャンネルがつきません。どうして???

 

PNGやTARGAではアルファチャンネルが付きます。TIFFにアルファチャンネルがつかずに白背景になるのは、どういう根拠に基づく書き出し仕様なのか、理解できません。本当はアルファがつくはずなのにバグ? 内部事情なので外部からはわかりません。

 

そもそも、「アニメーションセル」出力での各ファイルフォーマットのオプションが指定できない仕様は、無駄なエラー&リトライをユーザに強いることにもなりましょう。After Effectsの出力モジュールのように設定できれば、仕様なのか設定ミスなのかバグなのかがすぐに判別できます。

 

初心者向けに、細かいオプションを省いて使いやすくする‥‥という意図もありましょう。しかし、ペンタブで作画するアニメーターは「プロ」であって初心者ではないので、ファイルフォーマットのオプションくらいは普通に知識として有すべきですし、「知らない方が知識不足でNG」なので、ユーザをひとまとめに初心者扱いせずに、普通にフォーマットオプションは設定できるようにしてほしいです。

 

macOS版のクリスタを使う限りでは、容量を節約しつつアルファチャンネルを持てるのは「PNG」ファイルフォーマットを選択した場合です。しかしそれはあくまでクリスタの設計上の問題で、一般的にはTIFFでもPNGと同等の容量削減(LZW圧縮にて)とアルファ保持は可能です。

 

 

 

ちなみに、エフェクト系の作画なら、煙や火など色数が限られているので、After Effectsで無理やり「二値化風の255透明化」は可能です。

 

トーンカーブで色を極端化して二値化の準備をして、ポスタリゼーションで色数(255の白も色数にカウント)を入力し二値化と同等処理した後で、逆カーブのトーンカーブや色置換系エフェクトで色を元に戻す‥‥というプロセスで、あたかも二値化のペイント素材のようにできます。‥‥おそらく、この処理が可能なのはエフェクトのみで、キャラには難しいと思います。

 

運悪くTIFFで書き出して「クリスタの出力にはアルファがつかない!!」と思い込んだ場合(=私)は、チカラ技でAfter Effectsで処理することはできますが‥‥

 

TIFFにもアルファをつける

アルファを持たせるか否か、圧縮形式など、ファイルオプションで指定できる

 

‥‥ようにクリスタがセル出力できれば、何の不具合もトラブルもないです。

 

書き出したファイルを眺めて内容をうっすら把握できる‥‥というのではなく、最初からオプションまで指定して書き出して明示的に状況を把握したいです。

 

 

 

でもまあ、クリスタもまだバージョンは1.9.x。

 

バージョン1=初期バージョンゆえの試行錯誤の期間として、ユーザともども、未発達な状態を承知して使うくらいのキモチで良いのでしょう。色々と行き届かないのはバージョン1の特徴として、温かく見守る恰幅がユーザサイドに求められましょう。

 

TIFFにはなぜかアルファチャンネルがつきませんが、PNGやTARGAならアルファ付きで連番出力できますので、TIFFを避けてPNGで書き出すようにします。そうすれば、階調トレスで直描きしたエフェクト作画などを、そのまま劣化させずにセル素材として出力してAfter Effectsに読み込めます。

 

バージョン2や3に思いを馳せつつ、今のバージョンで切りぬけようと思います。

 

 


iOS版のクリスタ

iOS版のクリスタを使っていて、色々と使いにくさを感じることは多いです。例えば、タイムラインの操作性はToon Boomに遠く及びませんし、macOS/Windowsをそのまんま持ち込んだツールウィンドウ構成は、12.9インチの画面を有効に活用できているとは言い難いです。

 

しかし、そんなことよりも、使っていて一番感じるのは、

 

開発者の人が、iPad/iOSを使い慣れていない

 

‥‥ように強く感じることです。これはつまり、

 

iPadでは動作検証が主で、日頃から使っていない感じ

 

‥‥が漂っているとも言えます。

 

もし日頃からiPadを使っていれば、クリスタの「非iOS感」に色々気づくはず‥‥なんですよネ。

 

 

 

例えば、新規ファイルでスタートする時に、デフォルトで自動保存しない仕様は、macOSやWindowsでは当たり前の動作(ユーザが保存操作をして初めて保存状態になる)ですが、iOSの流儀でいうと「甚だ異質」です。

 

iOSは新規で作業を開始することが、新規ファイルの自動保存と同義です。もし不要になったら、捨てる‥‥という流儀ですネ。ユーザの保存操作にまかせるのではなく、まず自動で保存してしまって、そのファイルを残すか捨てるかはユーザに託す‥‥という流れがiOSの一般的な流儀です。

 

iOSクリスタは、新規作成画面で設定して開始した後に、なぜ自動でファイルを保存しないのか。保存していない危ない状態で、どんどんユーザに絵を描かせる状況を放置するのか。

 

iOSは、macOSやWindowsのようなレガシーOSとは思想が異なるのです。持ち歩くガジェットであることを何よりも重視した設計です。「転ばぬ先の杖」的な思想で固められたOSです。

 

iPadで日頃から他のドローソフトで絵を描いていれば、自動保存は当たり前の動作です。むしろ、iOSでは「自動保存で上書きされないために工夫する」くらいです。

 

クリスタは、単に「WindowやmacOSのソフトウェアを移植した」ような状態で、iOSのスタンダードから大きく外れている感が否めません。

 

もし、開発者の人が、日頃からiOSのAppの挙動や仕様に慣れていれば、「macOSやWindowsではそうかも知れないが、iOS版は自動保存くらいは初期動作に加えるべき」と感じるはず‥‥なんですけどネ。

 

iOS版のクリスタが、他のiOSのドローソフトに比べて、いちいち古めかしく感じるのは、様々な機能を指摘する以前に、開発者の方々の「iOSでの実感」が乏しいからではないか?‥‥と思うのです。それとも、開発責任者・トップの人が、iOSの標準に逆行せよ‥‥との指令を出しているんですかね。

 

iOSのAppなのに、iOSでユーザが感じる利点を反映して活かしてないのが、現バージョンのクリスタの大きなナゾなんですよね‥‥。

 

 

 

改善して欲しい瑣末な点はいっぱいありますが、そんなことより、開発者の人が「いつもiPadを使ってない感」がAppの様々な挙動に丸出しになっているのが、現段階のiOS版クリスタの大きな限界のように感じています。

 

iOSはmacOSやWindowsとは大きく動作が異なります。コマンド+Sで保存癖がついているわけでもないですし(そもそもキーボードでの操作を想定していないジェスチャーベースのiOS)、コマンド+Qでソフトウェア終了することもないです。

 

レガシーOSとの互換性を保つのは、ソフトウェア操作知識の共通点など、良いことも多いでしょうが、iOSを常用しているユーザからすればあまりにも独特な使用感で戸惑います。

 

開発者の方がiOSでのクリスタ挙動の大きな違和感を自覚していないようにも感じられます。それはすなわち、iOSで自社のソフトを常用していない証とも推測するのです。開発者の方が肌身で、「iOS版クリスタのこの動作は、iOSユーザからすれば誤操作や事故のもとになるだろう」と実感しているとは思えません。

 

 

 

iOS版クリスタは、プレビューのレンダリング時間を待てば(大した待ち時間ではないです)、4K以上の寸法でもその場でモーションが確認できるし、価格ゆえに誰もが簡単に導入できるし、アニメの枠を超えて色々なクリエイターが使っているしで、良い面はいっぱいあります。

 

Win、Mac、iOSと、面倒を見るプラットフォームが多くて大変とは思いますが、iOSはWinやMacとは大きくポリシーの異なるOSであることを踏まえて、初期保存の自動化、短い間隔での自動保存(描いた直後に自動保存‥‥とまではいいませんが)、強制終了への対策など、基礎的な箇所はiOSの他のAppに倣うことが必須のように思います。

 

「iPadのクリスタは、全然iOSっぽくないから、操作には注意して」とひとこと添えないと他者に勧められないのは、なんともツラいところです。

 

資金力のないアマチュアや個人が、アニメを作り始めるのに最適なクリスタ。

 

iOSでの一層の充実を期待してます。

 

 

 


iOSとmacOS版

私はクリスタを、iOSとmacOSの両方で使っています。

 

なので、日々、操作の感触を実感していますが‥‥

 

iOS版のほうが、はるかに軽快で快適

 

‥‥です。

 

macOS版は、iMac Proで64GBのメモリを積んでいてもクリスタは遅く感じます。描画の速度(レイヤーのオンオフで絵が切り替わる速度など)が遅いです。

 

iOS版は、ごく普通に絵が描けます。macOS版は、クリスタの速度を思いやって手加減して描く感じです。

 

ペンタブを使わないマウスやショートカットでも描画が遅いので、macOS版クリスタの問題かと思います。After EffectsやPhotoshopの挙動に比べて、iOS版のクリスタとも比べて、どれに比べても描画が遅いです。表示の遅さに起因するのか、アニメーションの再生も遅く、1秒分を3秒くらいかけて再生するので、動きのイメージがつかみにくいです。(同じClipファイルをiPad Proに送ってiOS版クリスタで再生すると普通に見れます。)

*もちろん、「再生の設定」はレンダリングするように設定しており、macOSもiOSも同じ設定にしてあります

 

macOS版のクリスタのパフォーマンスが、バージョン2以降で改善される‥‥といいなあ。

 

 


1.9.2

もう出たか。アップデータ。

 

昨日の今日か、今日の今日か。

 

このリリースの速さを、「もう不具合かよ」と思うのは素人さん。

 

むしろ、この速度で不具合のアップデータをリリースできるのは、国内開発の良き特徴です。凄い速さで驚き。

 

ん兆円稼いでるとのアドビだって、こんなに迅速には出せまい。

 

*短い記事なので、間を埋めるべく、パンダを書きました。最近、パンダのシールを買って、パンダの柄を覚えたので、1分くらいで描けるようになって、ついつい嬉しくてな。

*描いたAppはクリスタではなくコンセプト.appです。クリスタで描けば良いんですが、たまたま。ピンクのペンもたまたま。

 

 


1.9.1

クリスタのバージョンアップ「1.9.1」がリリースされましたね。

 

アニメーション機能の方はあまり進展がないですが、タイムライン編集機能に「全体挿入・部分挿入」が追加されたのは便利になって良かったです。

 

ただやっぱり、タイムラインの編集機能はもっと充実してほしいです。様々な編集モードをカーソルの位置や選択状態、ショートカットキー(単独のAやTなど)で操作可能にしてもらえると、タイムラインの操作が迅速になります。

 

アニメーターも、トリム編集、ロール編集、リップル編集など、タイムラインを使う知識に徐々に馴染んでいく必要があります。

 

タイムシートしか覚えるつもりはない!‥‥という頑なな態度を変えていかんと。

 

タイムラインになれると、After EffectsやDaVinciを使うことになってもビビらずに済みますヨ。他のタイムライン系のソフトウェアを使うことになっても、「クリスタで慣れてるから、何だか解るぞ!」というのが楽しいし愉快だと思います。

 

 

 

ちなみに‥‥‥

 

クリスタって、タイムコード的な表示って出せます?

 

どんなに探しても見つからないんだよねぇ‥‥。

 

タイムラインのどこかをクリックすると表示されるのかな‥‥。今のところ、どうしても見つかりません。ヘルプでも検索できないですし。

 

タイムラインのタイムコードは重要ですよ。

 

だってさ。

 

時間軸

 

だもん。

 

333フレーム目は何秒何フレか、すぐにはパッと解らないじゃん。‥‥333コマという言い方ではさ。

 

アニメーターとて、映像制作専門職の一員を自認するのなら、0スタートのタイムコードには慣れておくべきです。

 

タイムコードなんて、「慣れ」ですから。

 

ものすごい特権階級的な知識でも何でもないです。覚えれば数日で馴染みます。もちろん、コマの感覚は捨てずにそのまま持ったままで。

 

 

 

アニメ村から旅立って、各地を旅して、色々な映像制作のお土産をもって、またアニメ村に戻りましょう。

 

そうすれば、アニメ村はもっと豊かになります。

 

2020年代のアニメ村の住人に必要なのは、アニメ村から外に出るためのちょっとした勇気‥‥ではないかと思える、2019年の夏。

 


クリスタ色々

Clip Studio Paint EX(以後、クリスタ)は、たしかにまだ色々と改善の余地があるソフトウェアではありますが、それだけ伸びしろがあると思っています。

 

iOS版のクリスタは、ふと客観的に評価すると、随分とApple Pencilの追随が良く、iPad Pro 12.9インチの狭さはあるものの、原画は十分描けるレベルに達しているんだな‥‥と感じます。

 

「あれ? こんなにクリスタって、ペンの書き心地が良かったっけ?」と改めて最近気づきました。もしかしたら、レイテンシーが多少気になるAstroPad(iPadが液タブになる)をしばらく使っていたので、描いててダイレクト感のあるiOSのAppの印象が相対的に良く感じられたのかも知れません。

 

ジェスチャーだけではアニメーション機能は使いこなせませんが、Bluetoothキーボード(テンキー無しのJIS)を併用してショートカットをセッティングすれば、ごく普通に原画が描けるまで、最近慣れてきました。

 

アニメーションの場合、タイムラインを少しだけでも表示させておきたいので、どうしても画面が狭くなりますが、まだワークスペースの吟味は未着手なので、もうちょっと広くすることは可能だとは思っています。

 

やっぱり、毎日どれだけ使っているか‥‥が、慣れに直結しますネ。

 

使えば使うだけ、慣れてきます。「最初の壁」‥‥覚えることだらけの段階を抜ければ、ソフトやハードの素性が「初心者のバイアス」なしに受け取れるようになってきますネ。

 

老いも若きも、もしペーパーレスの流れ、4K&HDRの流れに乗ろうと思うのなら、12.9インチのiPad Proとクリスタなどの安価なAppで、まずはUHDサイズ(3840x2160)で絵を描くところからスタートするのが良いです。

 

もちろん、2Kで原画を描いても良いのですが、まだアニメ業界はペーパーレスとは程遠い現実があるので、イラストを自分の描きたいように描くところから着手して、アニメーターといえどアニメとは違う絵を描いてみるのも良いんじゃないかと思います。

 

 

 

でもまあ、要望はいっぱいあります。

 

クリスタは変形ツールが弱いので(10年くらい前のレベル止まり)、Procreateのようなペンで自由に変形できる変形ツールを実装してくれるのを期待しています。

 

iPadは‥‥‥、iPad Proの21インチとか出ればよいのにネ。‥‥無理か。

 

 

 

原画と動画の取り回しに関しては、スタイロスやペイントマンと互換性をもった色鉛筆のRGBの値とか、アニメーションフォルダ、単なるレイヤーフォルダの構成の「最低限のお約束」とか、整備すべき点はあるでしょうネ。

 

FF0000=RGBでの赤の純色, 00FF00=RGBでの緑の純色, 0000FF=RGBでの青の純色などの極端な色は、原画作業においては陰影を掴みにくいので、「原画の色鉛筆」と「動画の色鉛筆」は分ける必要があるでしょう。原画上がりの演出チェックの時に、影付けの印象を判断しやすくするために紙時代の色鉛筆に似せる必要性は自ずと生じてきます。

 

動画では、現段階ではペイントマンの動作を考慮に入れた色鉛筆の色選びが必要です。「アニメーション出力」でのセル素材出力を期待する結果にしたい場合、色鉛筆の各色の値を「8bit x 3=24bit」にて厳密に規定することが必須のようです。

 

RETAS Studioの終焉が見えてきたとはいえ、二値化の動仕はまだまだ現役でありメインストリームです。思わぬエラーを防ぐためには、クリスタを「従来アニメ用」に使いこなすメソッドを確立して共有するのが肝要と思います。

 

以下はクリスタのマニュアルにある「トレス線と塗り色」の値をHTMLの24ビットでそのまま反映させたものです。「0123456789ABCDEF」16進数(4bit)の6桁(24bit)での表記です。

 

●:FF0000

●:00FF00

●:0000FF

●:FF80FF

●:80FFC0

●:FFFF00

●:8080FF

●:FF8000

●:00C0FF

●:80FFFF

●:FF8080

 

 

16進数の値の入力は、カラーホイールなどのウィンドウにあるカラーチップをダブルクリックすると出現する「色の設定」ウィンドウでテキスト入力します。「HEX」欄に入力します。

 

*あ。ミスタイプしとる。「88FFFF」ではなく「80FFFF」の間違いです。

 

 

そうすると、クリスタ上の画面では見えていたヌキ指示やヌリの色鉛筆が、ペイントマン仕様の「不思議なTarga」=「隠し画像」?をもったTargaへと出力できます。

 

●クリスタでのヌリやヌキ指示

 

●ペイントマン向けのファイル画像。ヌリやヌキ指示を隠し持って(?)います。‥‥セルシス独自仕様のTargaなので、Photoshopのバッチを通すと隠し画像を喪失するらしいです。(色彩設計さんから聞きました)

 

 

 

こうしたことに限らず、毎日使って実際の作業にフィードバックして、経験蓄積のスパイラル〜OODAループを実践するかが、当人や制作集団のポテンシャルに直結するでしょう。

 

やっぱり、道具は使い込んでメソッドを探求してこそ‥‥ですネ。

 

 

 

iPadもクリスタも年齢制限などないですから、使いたい人は自由に使って、未来の可能性の幅を、未来を夢見る皆で一緒に広げていきましょうネ。

 

 


初期導入

「デジタル作画」という言葉は、従来の紙の原画動画をそのままタブレット作画に移行した「総称」として、もはや定着させても良い‥‥と最近は感じるようになりました。現在作業中のペーパーレスの4K作品では、デジタル原画を「dgen」、デジタル動画を「ddou」という作業種別として定めて、カットアウトなどの新しい技術とは分類して運用しています。「Digital Genga」「Digital Douga」というように、出自は欧米でも日本独自に進化した技術形態として、「Manga」「Anime」と言った日本語英語表記が最適だと達観するようになりました。‥‥実際、分類的にはとても解りやすくなります。

 

その「dgen」「Digital Genga」を作業する際に、クリスタは初期導入のハードルの低さゆえに、ダントツです。

 

まず初期導入には、どんなソフトウェアを使おうが、ハードウェアの共通した出費が必要です。「ハードウェアを個人が所有すべきか、会社が供給すべきか」の問題は、それこそ20年前から解決しない話題で、今に始まったことではないです。

 

重要なのは、

 

初期導入に関する出費を、新しい作業環境の仕事で、取り戻してプラスに転じることができるか否か

 

‥‥です。その「自腹で出た分は稼いで取り戻す」構造が成就できれば、個人だろうが会社だろうがOKオーライ。

 

損をしないで得をすれば、導入の可否は自ずと見えてきます。

 

 

 

おそらく、マシン本体は、20〜30万円です。WindowsでもMacでも似たようなもんです。iMacの場合は、5Kモニタの費用込みで30万円を考えます。作画用途に今秋のMac Proは過剰です。iMac 5Kの性能で十分です。Windowsも本体10万円スタートでビデオカードやCPUをBTOでアップして、20万円前後を目指すのが「作画マシン」の目安でしょう。メモリは32GBをベースとして、将来的には64GBまでアップすることを念頭におきます。

 

今からマシンを購入するのなら、4K時代をちゃんと意識するのが肝要です。すぐに役不足になって買い換えるのはお金の無駄です。そこそこ高い性能のマシンを買っておけば、5年は使える時代です。

 

またビデオ性能も4K時代を見越しておきましょう。安いビデオカードはNG、かと言ってバカ高いのも必要ないです。4Kを最低2つ接続できるビデオ性能を基準にします。

 

次にタブレット。

 

これは中々難しい。最近、改めてCintiqを使う機会が少しだけありましたが、iOSのiPad Pro&Procreateに慣れていたので、レイテンシーが気になりました。結構遅いなあ‥‥と感じました。30〜40ms(30〜40ミリ秒)くらいじゃないのかな‥‥。ちなみに、次期iOSでのApple Pencilのレイテンシーは9msとのことです。ゲーマーの人は5msでもお話しにならないと言いますしネ。

 

かと言って、iPad Proは12.9インチの広さの限界はありますし。

 

今買うのなら、2.5Kは必須、せっかく買うならUHD〜3840pxの液晶タブレット解像度は欲しいです。1920pxの2Kを10万円で買って、数年後に20万円の4K液タブを買うくらいなら、現行の24インチ4K液タブを買うのも有効な選択肢の1つと思います。もし、P3仕様の液タブを待っているのなら、あえて2Kの液タブを買うのもアリとも思います。

 

なので、液タブは中々悩ましいです。私もmacOSで使うのなら、24インチくらいの液タブが欲しいですが、iPad Proの液タブ化で今はやってやれないこともないので、時期を伺っています。

 

そしてソフトウェア。

 

今日すぐに誰でも使い始められるのは、まぎれもなく、クリスタ。Clip Studio Paint EXです。その点は誰も異論はないでしょう。

 

会社に詰めて作業するのなら、会社の環境にTVPaintがインストールされていることもあるとは思います。しかし、アニメ業界の事実として、会社員アニメーターだけで成り立っているとは思えませんし(もちろん、明確な方針を持って、全員を会社員として雇用する優れた会社もありましょう)、アニメ会社に即座に16万円のTVPaintや50万円or月額1万円のHarmony Premiumを調達できるほどの体力があるとも思えません。フリーランス個人ならなおさらです。

 

あまりにも安すぎるクリスタの導入費用。‥‥しかし、その安さにあえてのってみるのも、意外と有効な選択肢と最近は思えるようになりました。安いからと言って、粗末なわけでは全然無いことに注目しましょう。

 

ソフトがどうのこうのと耳年増に拍車をかけるよりも、まずはクリスタを使って、ペンタブに持ち替えて絵を描くことを最優先したほうが良いです。もはや時代の流れは変えられません。フィルム撮影台を廃棄した時から、作画のペンタブ化は宿命付けられていたと言えます。

 

現在、私もクリスタを常用して原画を描いています。‥‥‥正直、3年以上使い慣れたProcreateのほうが、書き味も慣れて作業も速いのですが、Procreateを原画用途で知人には自信をもって勧められないので、クリスタの習熟に勤しんでいます。

 

初期導入の観点でクリスタを考えると、何よりも、

 

ショートカットの設定

ペンのプリセットの設定

 

‥‥の2つをまずフィックスさせることに尽きます。これをしないと、先に進もうにも足元がぬかるんで思うように歩けません。

 

昨日の記事にも書きましたが、ショートカットの設定は、スタイロスの設定を踏襲しつつ、PhotoshopやAfter Effectsのショートカットも盛り込む方針です。オニオンスキンやライトテーブルなどアニメ作画系の機能はスタイロス系、画像ソフト特有の色調補正やレイヤー関連はPhotoshopも加味、モーションプレビュー系はAfter Effects‥‥と、常用してきたソフトウェアのキーコンビネーションをうまく盛り込めればと思います。‥‥ちなみに、スタイロスは私は縁がほとんどないので(チェックで使う程度)、経験者さんに聞きながらになります。

 

ペンのプリセットは、まさに自分の絵描きとしての重要部分です。ペンの設定をおろそかにすると、いらぬストレスを抱え込むことになります。ペンの設定次第で恐ろしく作画の効率が上下しますので、ペンの設定は作業しながら改善して、筆圧も含めて最終的に自分のポテンシャルが活きる設定、かつ、作品の「標準ペン」の制定も必要でしょう。

 

クリスタはベクター線が売りの1つです。ラスターとベクターをうまく使い分ければ、かなり自由に自分の描線をコントロールできるでしょう。ロングサイズ(小指の爪くらいの遠くの小さい人物とか)などの細かい描写は、ベクター線が俄然有利です。ロングの絵は、筆圧に対する挙動がベクターレイヤー(=ベクター線を描くレイヤー種別)だとコントロールしやすいです。

 

まずはこの「ショートカット」「ペンのプリセットの設定項目の挙動」を「クリッパー=最近開始した共有サイト」にまとめるところから、情報共有を開始したいと思っています。

 

 

 

初期導入さえほぼ完了すれば、あとは個人次第。

 

言い換えれば、初期導入がうまくできなければ、個人の能力は空滑りして空転するままです。

 

どんなにキャリアを積んで技量の高い人でも、新しい環境が自分の思い通りに使えなければ、もどかしいやら腹立たしいやら悔しいやら‥‥でしょう。

 

新しい環境の性能自体が悪いことは稀で、多くの場合、初期導入の環境初期設定の優劣が「使いやすさ・使いにくさ」の印象を決定付けます。

 

私は今まで多くのソフトウェアを使ってきましたが、ソフトウェアの性能云々よりも、初期の導入でつまずくことで中々習熟が進まないことを知っています。はやく描きたい作りたいと焦りますが、ここはひとつ、度胸を据えて、自分の「画材」を整えてから、先に進むのが肝要です。

 

Procreateは直感的に使えるツールを絞りに絞っているので、かなり短期間に自分の思うままに絵が描けるようになります。一方クリスタは多機能ゆえに、まずは自分の特性に合わせて、スタートラインの環境を作り込むことが前提として必須です。

 

‥‥で、その環境作りの段取りは、皆で同じような試行錯誤をしていても効率が悪いので、自分の好みはともかく、共通した情報は「覚書」程度でも共有したほうが有効かと思います。

 

自分の思った線が描けないのが、一番イラつくし、もどかしいですよネ。鉛筆だと思うように上手に描けてたのに‥‥というのは、なんとも悔しい。

 

クリスタでどのようにすれば、作画に必要な線が描けるのか、ハードとソフトの両面で、環境構築を進めましょう。

 

 


クリスタとUS配列

iOS〜iPadで使えるBluetoothのキーボードは、結構US配列が多くて、iOS版クリスタのキーボードショートカットがズレます。

 

キーボード配列の「認識担当」がiOSなのかAppなのか、よくわからないのですが、現実としてiOS版のクリスタはキーボードを自動認識はしてくれていません。なので、@や [ ] の配置がズレます。US配列の [ を @ として認識します。

 

*上から順に、iMacのJIS配列、AnkerのUS配列、logicoolのJIS配列です。「P」の右側の「 [ ] 」の並びが違います。

 

 

[ を入力すると、@としてクリスタに認識されるのは、なんともややこしい。

 

クリスタの環境設定を総当たりしても、キーボードの配列に関する環境設定は見当たらず。

 

でもまあ、iOSに限らずmacOSにおいても、キーボードの配列はJIS配列に慣れているので、US配列〜ANSI配列のキーボードを使わずに、JIS配列のキーボードを購入すれば事なきを得ます。頻繁にJISとUSに合わせて頭を切り替えるのも面倒ですし。

 

私はホントにたまたま、logicoolのK380(JIS配列)を使っていたので、ショートカットの表記とズレることなく使い続けています。写真にもあるように、US配列のキーボードはいくつか持っていますが、偶然、クリスタを常用するiPadではK380を使っていて、後から気づいた次第です。

 

気になって調べてみると、「iOS対応」を謳っているコンパクトキーボードはほとんどがUS配列で、JIS配列は中々見当たりません。K380を発売しているlogicoolが他にも何種類か発売してくれています。

 

まずは私が使っているK380

 

 

 

 

テンキー付きだとK370。USBのワイヤレスとBluetoothの選択式のようです。

 

 

 

 

まあ、どうしても自分好みのJIS配列キーボードが使いたい場合は、USBのアダプタを介してiPadに接続‥‥ですが、どんどんiPadの機動性が損なわれますネ。大きいキーボードを机に置くのも、iPadの机の上での軽快さを邪魔するので、中々悩ましいです。

 

でもねえ‥‥、テンキーのブロックがあったほうがクリスタには便利なんですよネ。‥‥なんですが、もうちょっとK380でネバってみようかと思います。

 

 

 

ちなみに、今、私がショートカットの設定で目指しているのは、スタイロス系のショートカットを意識しつつ(クリスタを使う以上は、皆にできるだけ合わせたほうが良さそうだから)、AdobeのPhotoshopやAfter Effects系のショートカットも盛り込むセッティングです。

 

クリスタをこれから使い始める人間は、スタイロスからの流れだけでなく、PhotoshopやAfter Effectsからの流れも増えるでしょうしネ。

 

例えば、テンキーの「0」キーをプレビューの再生と停止に割り当てると、それだけでAfter Effects感覚でクリスタのムービープレビューを違和感なく使えます。K380にはテンキーがないので、macOS版のクリスタで設定していますが、たったソレだけでも、「いつもの感じ」のまま‥‥というのは、案外良いものなんですネ。

 

 

 

レイアウトクリスタ>演出クリスタ>作監クリスタ>原画クリスタ>演出クリスタ>作監クリスタ>動画クリスタ>動検クリスタ‥‥という作画関連一律クリスタの流れで進めているカットがありますが、clip形式はタイムラインも持てるので、Photoshop形式や連番フォルダ形式よりは何かと円滑に進みます。

 

月々の使用料の低さで、会社に詰めている演出さんのパソコンにもクリスタを供給することは可能でしょう。環境作りのハードルが低いです。

 

クリスタに共依存する制作体質が果たして良いか?‥‥はこれから先のフィードバック次第ですが、たとえProcreateなどのハシッコのドローソフトで描いてもPSDで書き出してクリスタに受け継げばclip形式には乗り換え可能なので、案外融通の利くフローだと感じています。メディバンとかでも参入可能と思われます。

 

クリスタの使い方を暗記ではなく構造から攻めれば、意外にストレスなく理解は進みますしネ。

 

クリスタのベクターレイヤーは確かに便利ですネ。ロングの細かい絵で対比をミスってちょっとだけサイズ変更したい時に、線が解けずに済むのはビットマップにはない便利さです。まあ、いかにも「パス描いてます」的なペンの挙動はありますが、ロングの絵では気になりません。

 

これから先、描く側だけでなく、チェックする側や修正する側にとっても、ベクター線のニーズは高まっていくのではないでしょうかネ。

 

私としては、カタリナのサイドカーが待ち遠しいです。モロに作画作業に作用する新機能ですもんネ。macOSを使っている私としては、OSでiPadサブモニタ化をサポートしてくれるのは、心強いです。AstroPadと同等の性能(有り体にいえばレイテンシー)が実現されるのを祈るばかりです。‥‥はよ来い、カタリナ。

 

 


1

calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< December 2019 >>

selected entries

categories

archives

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM