叩き込む系

スポ根や精神論を無闇に肯定するつもりはないのですが、綺麗事は抜きにして、「体に叩き込む」系の技術はどうしても存在します。絵でも音楽でも、です。

 

座学や体験学習だけでは、どうしても獲得できない技術ジャンルは存在します。音楽ならばギターでもピアノでもスケール練習、絵ならば思い通りに描線をコントロールして綺麗な線を引けること‥‥などです。

 

普通に生きてれば、正確に粒だちの揃った音でドレミファソラシドレミファソラシドを弾く必要性なんて皆無ですし、全くブレのないベジェ曲線のように整然とした線を描く必要もないでしょう。でも、楽器演奏や作画をするなら必須です。

 

ブラック労働の話題も多い昨今、「体に叩き込む」とか聞いただけで、ブラックとか言いたい人もいましょうが、それはジャンル違い。

 

できなかったことをできるように、自分自身を鍛える。‥‥この事がブラックなのだとしたら、この世の専門技術の習得過程は全てブラックになってしまいます。

 

ブラックというべきは、高度な専門技術を有しながら、1枚1時間もかかる高密度の作画を1枚単価300円で作業することです。高度な技術そのものがブラックなのではありません。

 

 

 

「コンピュータ万能馬鹿」 = コンピュータを使えば、万能。

 

私はコンピュータを自分の武器としていますが、コンピュータ万能馬鹿にはならないよう、いつも自己チェックをしています。

 

音階を整然と奏でる。ベクター線のごとき正確な描線。

 

コンピュータ万能馬鹿は、「そんなのコンピュータでやればいいじゃん」とか言うでしょう。

 

私は、ステップ録音の打ち込みもやりますし、ベクター線も扱いますが、自身の技能と、コンピュータの機能は切り分けて扱います。

 

打ち込みやパスよりも、自分で弾いたり描いたりしたほうが遥かに高速で融通が効く場面は山とあります。

 

いちいち何でもシーケンサーに打ち込むのかよ?

 

いちいち何でもパスのポイントを打つのかよ?

 

‥‥という話です。

 

打ち込みやパスは、ある程度カタチが定まってから使うと効果的ですが、思索しながらイメージを手繰り寄せるような場面には向きません。

 

打ち込みやベクターは使いますが、弾いたり描いたりしたほうが直感的で速い場合は、手をリアルタイムで使います。

 

 

 

つまり、

 

コンピュータのステップ方式の操作法も身につける

 

リアルタイムで手で作り出す方法も身につける

 

両方持てば良いのです。

 

どっちか片方だけだと選択の自由が不自由になって、どちらか方式の至上主義にまで陥ることもありましょう。

 

1つの武器しか持たない人間は、その武器に固執します。

 

固執して盲目となり、盲目ゆえの恐怖から、至上主義に凝り固まる。

 

そんな呪縛から開放されるには、両方を武器にすれば良いのです。

 

 

 

でもまあ、前述したように、リアルタイム系の生の手の技術は、「体に叩き込む」系なので、習得には相当の覚悟が必要です。

 

従来のアニメ業界の原画動画システムは、そういった観点では、「体に叩き込む」システムとしては優れています。

 

優れていないのは、料金体系。横線1〜2本の閉じ口と大爆発の煙が同じ単価なんて、替え玉と特盛チャーシュー麺が同じ値段のようなものです。

 

 

 

誰もが苦しむ事なく和気藹々と、高度な技術を手に入れる‥‥なんてのは、あまりにも綺麗事で空論です。あり得ません。

 

技術獲得には、もっと残酷な場面もあるのです。嫌な言い方ですが「センス」です。例えば、レイアウトの画面構成、空間の間のとりかたの妙、思いも寄らない絶妙な色の組み合わせ‥‥なんて、手をいくら鍛えても獲得できない、「何を見て生きてきたか」を問われる技術も存在します。

 

「体に叩き込めば習得できる」のは、とても救いがあるジャンルなのです。習得の最中は辛かろうが、叩き込めば体に馴染むのですから。

 

 

 

なので、実は、「体に叩き込む」系技術を獲得できない時点で、その技術が必要な職には、あまり向いていません。

 

思うに、自分の過去を活用できる職が良いのです。自分の過去を断ち切りたい‥‥とか、ドラマみたいなことを考えて新しい職なんて目指しちゃアカンのよ。

 

自分の今は、自分の過去の連続した上に成り立っています。連続した過去の様々を、自分が未来を生きる糧にできなくて、どうするのか。

 

何か新しいことにチャレンジするのなら、自分の過去を最大限活用すべし。‥‥その過去に、「叩き込む系」が含まれていれば、それは直接的もしくは間接的に、自分の未来に有効活用できるでしょう。

 

 


リコールと言えば

リコール‥‥で思い出しましたが、私はバイクでリコール対象の障害を経験したことがあります。

 

カワサキのD-Trackerで、ハンドルを大きく切ると、電装系のヒューズが飛ぶ‥‥という障害です。

 

これは電装系のハーネスにおいて、ハンドル周辺の取り回しに欠陥があり、何年も運転しているうちにハーネスの皮膜が擦れて剥がれて電線が剥き出しになり、ハンドルを大きく切った際にフレーム(バイクの金属の骨組み)に接触してショートしてヒューズが切れる‥‥という内容です。

 

調べてみると、リコール対象になっていて、無償修理が可能でした。

 

‥‥が、私はそれを知らず、バイク屋さんで修理してもらいました。ほとんど工賃だったので、1万円にもなりませんでしたが。(バイク屋さんも初めてのケースで、リコール対象とは知らないようでした)

 

後からメーカーのWebで調べて、リコール対象だと知ったのです。

 

 

 

自動車やバイクはモロに人命に関わることなので、リコールで対応することがそこそこ多いみたいです。

 

家電やコンピュータ、ソフトウェアは、リコールってないよねえ。

 

サブスクのソフトウェアはオンラインでアップデートできるんですから、こまめに障害対応してくれても構わないんですけどね。

 

 

 

あ〜あ、アドビのサブスクって、未来はどんなことになるのやら。

 

どんどん劣化して、配色を変えただけでバージョンアップとか言い出しかねない雰囲気なのが、恐ろしいです。

 

我々使用者は、アドビの社員を賄うためでなく、より良い製品を使うために、定額のサブスク料金を払い続けてるんですよ。

 

バージョンアップを消化試合にされて、一方で重大バグ放置では、お金の価値を見出せません。

 

After Effectsはまさにその渦中にありますが、After Effectsだってまだまだ性能向上して欲しい部分はいっぱいありますよ。アドビ内部ではネタ切れしているのかも知れませんが、4KHDRのアニメ制作の視点でみれば、After Effectsは性能向上の余地が山ほどあります。

 

つまり、アドビ内部の開発クオリティの減退のように思います。開発のアイデアやモチベーションも含めて。

 

After Effectsの開発部門ではおそらく4KHDRのアニメなんて自主制作してテストしていないでしょうから、実感がもてないのはなんとなく想像しますが、それこそ失速の証しです。

 

昔のAfter Effectsは、クリエイティブを牽引していたのです。今度はこんな新しい機能を装備したぞ。どうだオマエラ使いこなせるか?‥‥という頼もしい挑戦状を叩きつけられたものです。

 

今は完全に後追いで、4Kも追々。

 

それでも、正常に動作してくれていれば良いですが、CC2020とベータ17.5のリコール並みのバグを抱えて、大きな路線変更や回避策をユーザに強いる始末です。

 

 

 

リコールしなくても良いから、バグだけ直してチョ。

 

 


色んな意味でテスト

動物の記事を読んでたら、色彩のテストのリンクが貼ってあったので、2種類のテストをしてみました。環境は、iMac 5K 2020です。

 

動物のシルエットを探すテスト。

https://www.buzzfeed.com/jp/guillermodelpalacio/can-you-pass-this-animals-and-colors-test-that-bec-1?bfsource=bfocompareon

 

文字を読み取るテスト。

https://www.buzzfeed.com/jp/rumiyamazaki/color-capability-quiz?bfsource=bfocompareon

 

 

どちらも色彩のテストと言うよりは、輝度寄りの判別テストですね。

 

しかも、動物のテストは、シルエットで動物の種類を言い当てる必要があるので、動物シルエットクイズのような性質もありますネ。

 

やってみた結果、どちらも全問正解でした。‥‥まあ、映像制作で、しかも撮影だけでなくビジュアルエフェクトやグレーディング、コンセプトアートやイメージボードを得意にしていれば、このくらいは正解しておきたい。

 

 

 

「完璧な色彩感覚」って言うのは、ちょっと違うよネ。単に色や明るさの差を見分けられるだけでは、色彩感覚とは言えません。絶妙な色彩の組み合わせが出来たり、思いもよらない奇抜で刺激的な色重ねが出来るわけじゃないですもん。

 

 

 

‥‥で、これさ。

 

モニタの基本性能がある程度しっかりしてないと、当てられるもんも当てられないですよネ。

 

モニタの性能を問うテストです。‥‥実は目のテストとしては、そんなに難しくない?

 

 

 

じゃあ、iPadではどうか。

 

iPad Pro 第2世代で同じテストをしてみました。

 

結果、両方とも全問正解‥‥というか、動物のテストは1回やっててフラットな状態とは言えませんでしたから、文字のテストのほうがアテになりますネ。

 

‥‥そうか、iPad Proも微妙な輝度差を表現できてるんですね。

 

色付きの絵の仕事もしますが、道理で気にならないはずです。フィニッシュはEIZOモニタの繋がっているMacに持ち込んで最終調整しますが、そんなにズレた色には感じていませんでした。

 

 

 

調べてみると、iPad Proの第2世代までは、何百nitsなのかの性能表示は見当たらず、第3世代以降が600nitsとのことです。

 

EIZOのCG-319とかは300nitsですが、かなり眩しく感じます。それよりはiPad Proのほうが輝度が控えめに感じるのはサイズのせいなんでしょうかね?

 

一方で、iPad Proはどのモデルも8bitの色深度のようです。このあたりは液晶パネルのコストの問題なのか、iPad ProのGPUの都合なのかはわかりません。

 

ではiMac 2020はどうかというと、500nitsで10bitです。これからの標準性能ですネ。

 

ちなみに、12bit入力>12bit表示は、まだ、お高いマスモニやリファレンスモニタの独壇場です。

 

 

 

モニタによっては、劣悪な性能もあって、過去に何度か遭遇しています。波形モニタに使う事すら躊躇われる、安普請のモニタ。何nitsだろうが、何bitだろうが、製品設計上でせっかくのスペックをコントロールできなければ、いくらだって色彩は崩れますわな。‥‥まあ、1万円ちょいのモニタに期待する事自体が悪いですよネ。

 

「あなたの能力をテストする」とか言いながら、テスト自体はあまり難易度は高くなく、むしろ機材の性能及びキャリブレーション適性テストのような感じになりました。

 

このテストを色んなモニタでテストしてみて、異様に見えにくいモニタがあったら、もうそのモニタは信用できなくなりますよネ。心理的にも。

 

 

 

そうかあ‥‥。iPad Proはモニタの色深度は8bitか。新製品は10bitになればいいなぁ。プロクリも10bitに対応してくれると嬉しいのよネ。(プロクリでボードを描いてると、8bit感がスゴいので)

 

そう言えば、クリスタって、今でも8bitなの? その後のアップデートで10bit(1024)・10億色(RGB=3乗で)くらいに対応してたりしないのかな?

 

PCでも使う画像ソフトウェアが今でも8bitオンリーなのって、ちょっと見劣りするかなあ‥‥。1670万色(RGB)って、20年前のレベルだもんな。クリスタユーザって、微妙に薄いグラデを使う時に、どうやってトーンジャンプを防いでるんでしょうね。ノイズ混ぜ込み?

 

20年以上前のBlood劇場版では、ほんとにマジで、8bitには泣かされたもんな。‥‥今、After Effectsのプロジェクトを開いて細部に手を入れれば、一切トーンジャンプなんて出さずに、ノイジーにもならず、格段に高画質の状態で再出力できますけどね。‥‥それが技術の進歩というものです。でもまあ、After Effects3.1とか4のプロジェクトなんて今じゃ起動せんわな。

 

 

 

でもまあ、iPad ProもiMac 2020も普通に高画質で良かった。

 

まだまだどんどん稼げる機材だねえ。

 

 

 

 


ストラトとレスポール

分厚い液タブは、私の中では「レスポール」、薄型の液タブは「ストラト」です。わたし的には、アニメーターにとってのペンタブはギタリストにとってのエレキギターみたいな関係なので。

 

ぶっちゃけ、レスポールでもストラトでも「弾きゃあいい」んですが、自分にとってのプレイアビリティはストラトのほうが格段に上です。

 

レスポールとストラトの違いは、重さ・厚さ・形状に由来する「弾きやすさ」の違いです。

 

似たように、厚い液タブは、薄い液タブに比べて、確実に描くにくいです。無理して肯定せずに、正直に申せば。

 

背面のスタンドを立てると、特にインチの小さい液タブは、独特の描きにくさになります。なので、液タブそのものをスタンドするよりも、机全体を傾けたほうが、私は描きやすいと思うんですよね。

 

天板を可変で傾斜できる机は色々と選択肢がありますから、メインのモニタはVESAマウントの堅牢なアームにつけるなどして、ゆったりとリラックスした体勢で絵を描ける環境は作れます。

 

 

 

現在、私のiMacにはペンタブが繋がっておりません。たまに不便なことはありますが、どうしても使いたい時は、AstroPadかSide Carで、iPad Proを液タブに変えます。

 

しかし、やはり大きな面積の液タブは魅力です。デスクトップマシンにペンタブ不在の状態は決して良いとは言えません。

 

 

 

液タブが大きくても、実は実際に描くエリアは、特にアニメやコミックの場合、そんなに広くはありません。美術系のイーゼルにキャンバスを立てて描く趣向とはちょっと性質が異なります。

 

なので、ツールウィンドウで消費される面積で考えると、22〜24インチあたりがちょうど良いように思います。そして、解像度は20インチ以上ならば、4Kにしておきたいです。やっぱり、2Kの密度だと線がボケるんだよねえ‥‥。

 

つまり、Cintiqで考えると、Proの24インチあたりになりそうです。しかし、もう少しコンパクトに薄くならんもんかな‥‥。

 

加えて、OSやAppの設計が、タッチ入力ありきで設計されていないので、なかなか面倒です。ギターに例えると、アンプやエフェクターが旧世代な感じです。

 

ゆえに、今でも足踏みして導入せずにいます。いざ購入となると、デスクも含めて30万越えの出費になりますもんネ。やたらに「試しに買ってみた」なんてできんのです。

 

 

 

 

レスポールは、伝統のギター製造過程にエレクトリック要素を追加した感じのギターです。

 

一方、ストラトは、ギターそのものを、現代工業技術で再定義したギターです。

 

弾くだけでなく、リペアしてみると、しみじみ、レスポールとストラトの根本的性質の違いを実感できます。

 

ガットギターって、ハイフレットのプレイアビリティはほぼ無いに等しいですが、レスポールもその性質を継承していて、セットネックの付け根あたりが邪魔で邪魔でしょうがないです。どの音域も自由自在に弾きこなすタイプのギターではないです。シングルカッタウェイではありますが、お世辞にもハイフレットが弾きやすいとは言えません。

 

ストラトは、エレクトリックありき、工業生産ありきの設計で、ガットギターの面影はほぼ無しです。ダブルカッタウェイでネックの付け根もすっきりスリムにまとまっており、ハイフレットの6弦も格段に押さえやすく弾きやすいです。木材を効率的に使って、生産性を高めている点も、リペアの際には大きな利点となります。

 

*シングルカッタウェイとはいえ、レスポールのオリジナルシェイプは、弾きにくいです。レスポールの良さは、プレイアビリティというよりは、もっと違うところにあるように思います。

 

*同じギブソン系でも、SGはかなり弾きやすくなります。ボディも薄く、ネックの付け根もスムーズです。ダブルカッタウェイは、やっぱり相当な弾きやすさを提供してくれることを実感できます。一度、ダブルネックの12弦のネックのほうで、Song Remains The Sameを弾いてみたいなあ‥‥。

 

ストラトは、なんだかんだ言っても、やっぱり弾きやすいです。そして改造もしやすいです。生産性を向上させるための様々な工夫を凝らしており、現代的なギターです。Fenderが健在で、Gibsonが傾いた理由を、完成品の中に見る思いです。ストラトの派生型がどんどん弾きやすくリシェイプされているのは、もともとストラトに弾きやすさの素質があったからですようネ。

 

 

 

まあ、ほんとにぶっちゃけ、「どんなギターでも、腕が良ければ、弾ける」のです。

 

しかし、演奏者が求めているのは弾けるか否かではなく、もっとその先です。

 

ペンタブも同じ。

 

画力があれば、よほど描きにくい粗悪な製品でなければ、絵は描けます。

 

論点はそんなレベルではなく、自分の表現しようとするニュアンスが、どれだけストレートに阻害されずに、ペンタブを通して結実するかという話です。

 

つまり、表現の内容によっても、道具・機材の評価は大きく変動します。二値化大前提なら、描線のニュアンスに事細かくこだわる必要はないでしょうが、自分の線がもろに完成映像に映し出されるとなれば、かなりのプレイアビリティが機材側に必要になります。‥‥もちろん、本人の技量もネ。

 

 

 

70歳になっても、おなじことを言ってそうです。

 

道具は、自分の体を拡張した一部なので、やっぱり気になるのは当然ですよネ。

 

 


雑感ホット。

ワークフローの中で流れる素材を、制作進行が全て漏らさず内容も完全把握せよ‥‥というのは、いかにも無茶な話です。そんな状況、過去にだってありませんでしたよネ。全ての工程に「精通」している人間なんで実質存在しないでしょう。

 

また、ペンタブで作画をしている際に、150ppiと200ppiの差なんてパッと見ではわかりません。紙なら、いかにも大判になってすぐにわかりますが、150と200はプロパティを表示してみないと、差がわかりにくいです。

 

400ppiと150ppiなら、いかにも線のニュアンスが違うのでわかります。150ppiは太いしボケてます。しかし、200ppiと150ppiでは似たような線です。

 

作監や演出がppiの計算方法を知ることと、実際にppiをすぐに見分けられることとは、まるで違う話です。

 

 

 

紙時代の過去の制作状況を引き合いにだして、現物とデータの入り乱れる制作現場に対し、けしからん、なっとらん、たるんどる、「素材の状況くらい把握したらどうだ」‥‥などと言うのは、それこそ「ポテサラじじい」と同じです。今は詰ることよりも、現在の制作内容に合わせた柔軟な思考の転換、制作運用の新時代のアイデアが必要です。

 

ダメ出しするのは、簡単よ。

 

それで終わったらアカンです。

 

問題を洗い出したあとに、どのような改善案、解決案を提案し設計し実践するかが、問われます。

 

 

 

カット袋とタイムシート。

 

たしかに以前はそれで運用できていたかも知れませんが、2020年代以降も等しく運用できるとは到底思えません。

 

タイムシートは機能不足が目立って、もはや伝票としての役を果たしません。2000年代から既に新しい技術要素に対して「どう記述したら良いか」わからず、限界を露呈していました。パーティクルの指示は? Z軸は? 加算だけでなく減算や交差のマスクワークは? イーズの指定は相変わらず目盛りかフェアリング? ‥‥撮影伝票として既に10年以上前から時代遅れになっていました。

 

カット袋を「デジタルカット袋」に‥‥というのも、まるでメールに慣れていない頃の、ポストペットのような言い草じゃないですか。

 

まさか、カット袋を管理するAppの中で、進行車が画面外から走ってきて止まって、中からデフォルメキャラの制作進行キャラがカット袋を持って出てきて、「入れです」「戻しです」なんてやる? ‥‥まあそれもAppのルックとしては楽しそうですが、あくまで、データが分岐結合しながら継承され変化する仕組みを理解してこその、装飾です。

 

 

 

ペンタブ作画が紙作画の代用品ではないように、新しいシートは旧来タイムシートの代用品や再現ではなく、新しい技術や運用を体現するシートであるべきです。ジョブの中で素材がフローする仕組みは、「デジタルの袋」ではないはずです。

 

場つなぎとして、ディレクトリをカット袋に見立てて運用するのはアリでしょう。紙のタイムシートの体裁を機能不足と認識しながらあえて使う場面も必要でしょう。しかし、それは決して、2020年代以降のアニメ制作の新しい姿ではなく、移行期の繋ぎです。

 

もし旧来のカット袋やタイムシートを模倣して満足するなら、人件費が安かった時代のアニメ制作の流儀に対しても、未来も変わらず満足しなければならないでしょう。

 

ゆえに私は、カット袋という体裁にも、旧来タイムシートの模倣と継承にも、反発するのです。

 

外見が変わらなくでも、中身が改善されれば‥‥なんて、できた試しがありましょうか。外見も中身も引きずりあって劣化する一途ですよネ。

 

新しい酒は新しい革袋に盛れ

 

‥‥です。昔、一緒に仕事をしていた人が言ってましたが、本当にそうですネ。

 

 

 

今のベテランは、「コロナ戦争」の戦後が落ち着く10年後には60代70代です。

 

そのベテランが、今までの方法を踏襲せよ!‥‥と訴えて、それにのっかって、本当に未来は見えてくるのでしょうか。

 

実は、ベテランの言う「今までのやり方」とは全然違う方向に、出口の光は見えているんじゃないの? ‥‥と考えてみることも必要ですよ。

 

 

 

問題はハッキリしています。

 

ペンタブ作画のフローが場当たり的で曖昧で脆いこと。エラー&リトライの時間がまだ必要なこと。

 

データをフローする際に混乱が生じて管理できていないこと。

 

‥‥その問題を解決するのなら、旧来のバイアスを介さず、純粋に、解決方法のアイデアを考えましょう。

 

古い方法に依存する必要はないです。新しいアイデアに対し、旧来の経験と知識をプラスすれば良いです。

 

あくまで温故知新であって、古きに従属する必要はないです。古きに従属すると、他の様々な古い流儀や慣習が新しいアイデアの可能性を潰していきますよ。

 

「だからやっぱりカット袋とタイムシートが必要だ」なんて簡単に旧時代に屈して降伏せずに、移行期の中で新しい方法論を探して徐々に実践しましょう。

 

 

 

私はアラウンド50ですが、今までのアニメ作品とは違う、新しく成し遂げたいアニメ映像があるので、20年くらいは現役でいきたいです。ゆえに、ベテランと言われる年代になっても、こんなホットなことを書いたりします。

 

でもベテランの中には、「いつやめてもいい」とか「逃げ切ればOK」とフェードアウト指向の人もいます。つまり、アニメ制作の未来からいつでもドロップアウトする気がある人です。ゆえに、昔の流儀に重きを置いて、新しい要素に不要論を唱える‥‥とも言えます。エネルギーが減退しているので、新しい物事に取り組めないのです。

 

ペンタブを使う多くの人は、20代30代の若い人でしょう。10年後にドロップアウトする気などないですよネ。

 

だったら、20年後も30年後も、自分の手で描いた絵が動いて、お話を紡ぎ出す作品を作れるように、今からアイデアを貯めて実践して、徐々に防御から攻勢へと転じましょう。

 

 

 

ホットでもクールでもいいです。

 

ココロのうちに、増幅するエネルギーさえあれば。

 

 


データをネット経由で。

今や、ソフトウェアはネットで入手する時代。過去の円盤による配布形態はほぼ死滅したと言って良いです。

 

今はかえって、円盤だと凄く不安に感じます。互換性も持続性も約束しない、ネットから切り離された陸の孤島のデータなので。

 

円盤に収録できるのって、1バージョンのみですから、不具合を解消した新バージョンを入手するには結局ネットに繋ぐことになります。‥‥だったら、最初からネットで入手すりゃあ良いんです。

 

それに今はサブスクリプションサービスで得られるソフトウェアの容量が大きいので、従来の方法だとブルーレイくらいのメディアが必要です。そうなると、コンピュータで使えるブルーレイのドライブが必要になりますよネ。しかし、ビデオはともかく、データを配布する用途では、ブルーレイは普及しているとは言い難いです。

 

 

*GBが一桁なら少なく感じるくらいの、2020年代現在。50GBのダウンロードデータもザラです。

*ダイアルアップ、ISDNやADSLの頃の記憶は、はるか彼方。

 

 

 

なので、一番確実なのは、ネット経由。‥‥ネットの環境を整えておけば、一番手堅い選択肢だと思うようになりました。

 

昔は、ネットが一番不安定だと思われてたのに、全く逆転してますネ。

 

ネットで購入したソフトは、開発販売元が購入情報を一元管理してくれるので、ライセンス管理も楽ですネ。

 

Apple=Appストア、Adobe=CC、NI=Native Access、EW=Installation Center、iLok‥‥と、すべてマネージャーソフトに頼り切っています。

 

昔はこまめにシリアルナンバーを自分で管理していましたが、今はアカウントと紐付けされて特に意識することが減り、いくつかのソフトウェアのみを管理すればよくなりました。むしろ、オンラインアカウントが主体になり、シリアルナンバーそのものが発行されないソフトウェアも多くなりました。

 

 

 

一方、アニメの制作現場におけるデータって、ある意味、かなり浮世離れしてますよネ。画像データが数十キロバイトなんて、ISDNやADSLの時代のまま、時間が止まっています。

 

やがて、大量の煙が玉手箱から噴き出して、老化が一気に進むのかも知れません。

 

昭和の時代、アニメ業界が助けたカメに甲羅に乗って海中深くへと潜り、竜宮城で時を立つのも忘れ‥‥。

 

「助けたカメ」‥‥とは何だったんでしょうネ。

 

そして助けた恩の期限は永遠なのでしょうかね?

 

私は、持ち金があるうちに、竜宮城から自力で地上へと戻り、玉手箱を開けずに、新しい生活をスタートする、浦島太郎のシナリオ変更が必要だと思います。‥‥それができるうちに、です。

 

iPad ProとiMac 5Kで、64bitで諧調トレスで4KHDRの環境は作れます。32bitで二値化トレスで2KSDRの「竜宮城」の思い出を胸に、新しい仕様で仕切り直すことは可能です。

 

でも、延々と続く宴会の中で、誰も「地上に帰ろう」とは言い出さない・言い出せないんでしょうね。ツイッターを見てても、その様子や空気が伝わってきます。

 

 

 

粛々と、環境を整えて、未来に望もう。

 

デカいデータもなんのその。

 


2014年の初代iMac 5K

初代iMac 5Kは、2014年の秋に登場しました。それまで、24インチで1920pxのモニタを使っていた私は、即座に飛びついて購入したのを思い出します。4Kの取り組みを既に開始していましたが、ドットバイドットで絵を見渡せないのが、悩みのタネだったからです。

 

2KのHDサイズのモニタでは、4Kは拡大状態でしか等倍でみれません。1920x1080もしくは1920x1200のパネルに、3840x2160の絵を映すのですから当然です。一部を切り取った状態でしかドットバイドットで見れないのです。

 

iMac 5K以前のiMacは、2.5K、つまり2560pxでしたから、やはり4Kの絵は収まりませんでした。

 

 

 

iMac 5Kが2014年秋に自宅に配送され、設置して起動した時の驚きは今でも覚えています。

 

まず、フォントの緻密さがまるで違いました。

 

「今まで、ずっと、ボケて不鮮明な文字を見ていたんだ」

 

‥‥とはっきり自覚しました。

 

さらに、自分で紙に描いた絵をスキャンしたデータを、ドットバイドットかつ高密度の液晶パネルで、絵全体を映し出した時の驚きは、フォントの鮮明さとは比較にならないほどの衝撃でした。

 

A4サイズの紙は、400dpiでスキャンすると、長辺297ミリが4678pxになります。じゅうぶん、iMac 5Kの5120pxの画面に収まります。

 

なんと生々しい描線。

 

絵を描いた瞬間のキモチまで伝わるほどの再現性。

 

私は、自宅にスキャナーを設置したのは、1998年くらいのことですが、今までずっと「ウソのスキャン画像」を見続けてきたと思いました。描線のニュアンスが縮小表示でボケて不鮮明に表示されていたのを、「そういうものだ」と思い続けてきたことにようやく気づいたのです。

 

気づかせてくれたのは、まさに初代iMac 5K。

 

 

 

当時、33万円くらいで購入したと記憶しますが、支払った金額の元を取るどころか、あまりにも大きな収穫を与えてくれました。

 

人生のうちに、何度かあるものです。

 

自分の人生に、決定的な影響を与える、道具との出会い‥‥が。

 

4Kに関する経験の基礎は、iMac 5Kが築いてくれましたので、その機材導入の効果は計り知れません。

 

毎日、27インチの中に5120ピクセルが詰まったモニタを見続けるのです。映像を作る人間にとって、その毎日の意味は、あまりにも深いです。

 

5Kは大きな面積ではないんですよネ。

 

面積ではなく、密度です。

 

従来の27インチの中に、倍のピクセル数が詰まって、高密度であることが、最重要なのです。

 

 

 

4Kのアニメとか聞くと、ピクセル数が大きくて、広い面積で、描いて作るんだと思いがちです。

 

ちょっと、違うのです。

 

大きいのでもなく、広いのでもなく、高密度なのです。

 

面積に対する感覚は、実は変わらんのです。

 

そのことを、理屈ではなく、感覚で教えてくれたのは、まさに2014年の初代iMac 5Kでした。

 

 

 

初代iMac 5Kを買っていなかったら、UHDも4Kも他人事のままだったと思います。

 

今のままのアニメ業界の制作事情では、4KHDRなどとても無理なことも自覚できました。ゆえに、旧来業界とは枠組みそのものを変える必要性もしみじみ実感しました。

 

途中で海門のHDDが死んで、モニタを剥がして交換するなど、メンテの経験もさらに増えました。

 

‥‥こうして、述懐してみると、iMac 5Kが運んできた経験の数々は、まさに得難い6年間だったと感じます。

 

今月、2020年のiMac 5Kが到着すれば、初代iMac 5Kはお役御免となります。

 

モニタを接着した両面テープの粘着力が緩くなって、少し剥がれかけてるんですけど、あと、もう少し、がんばれ。

 

 


ロードスター

アイバニーズがイバニーズだった頃。

 

三鷹に作打ちに行った帰りに、三鷹楽器に寄って衝動買いしたイバニーズの「ロードスター」というギターが、今でも倉庫にあります。私が20歳の頃で、原画のギャラで何とか稼げるようになっていたので、ギターの衝動買いもできたのです。

 

ちなみに、その三鷹の制作会社はとうの昔に消滅しました。そして三鷹楽器も販売店は随分前に閉店し、今は音楽教室だけみたいです。

 

ロードスターは、RGよりも角が丸いデザインで、現在のラインアップからは外れています。

 

私が買ったのは、こともあろうにピンク。そして後に、ピックアップもピンク色のPAF Proに交換しました。ピンクのPAF Proなんて今やレアですね。

 

現アイバニーズのサイトを見たら、昔のカタログが出てました。ロードスターだけでなく、ピンクのPAF ProもVAIさんのギターに装着されて写っています。

 

*私が持っているロードスターとは微妙に違う気がするのですが、何せヘッドの形も思い出せないので、ハッキリしないのです。倉庫に行って、現物を見るのがいちばん。

 

*ピンクのPAF Pro。たぶん。

 

 

なぜ倉庫行きになったかというと、ピックアップのON/OFFスイッチが錆びて腐ったからです。フレットはそうとう減っているはずですが、どのくらい減ったかは記憶にありません。

 

 

 

最近リペア慣れして、トグルスイッチを交換する程度ならすぐにできるので、今の仕事がひと段落したら、倉庫から出して、とりあえず電装だけでもリペアします。30年前のギターなので、各所が弱っているでしょうから、どこまで直すかは現状を改めて見直してみて‥‥ですけどネ。

 

カタログのピンクのとはちょっと違う、店の人いわく「試作品でカタログにのってない」とのことでした。昔はほんとにギターのコレクターっ気がゼロで、弾くことだけに夢中だったので、自分のギターながら、あまりスペックを覚えていないのですよ‥‥。

 

 

なので、昔の愛機を改めて見返して、可能なら演奏可能な状態に戻したいと思ってます。

 

 


音で聴くレイテンシー

 頭で考えるだけでなく、体で感じなさい。

 

どこかの老師みたいなセリフですが、ネットで情報の要約(=うわべだけとも言う)が容易に検索できる今の世の中、実体験を伴わずに「解った気になる」錯覚を起こしやすいです。

 

前回のレイテンシーの話もそうです。

 

「50ミリ秒=50/1000秒」なんて、知覚できるはずがない‥‥なんて、頭で考える人は結構居そうです。

 

たしかに、時間差を感じるオリジナルがない場合は、1時間遅れようが、遅れなど感じません。音楽CDを買って、「このCDは演奏した瞬間からどのくらいの時間差が生じてる??」と気にする人は珍しいです。

 

しかし、自分の動作に反応するコンピュータの動作の場合、1/100秒でも感じとることができます。何十ミリなんて遅れになると、実は誰でも感じとれる著しい遅れです。

 

私はリアルタイム操作のゲームをしませんが、ゲーマーの方なら、レイテンシーにはとても敏感なんじゃないでしょうか。

 

 

 

では、実際にどのくらい遅れるのか、耳で確認してみましょう。

 

エレピのシンプルなフレーズで、テンポは140、16分音符と6連符(言うなれば24分音符)で構成しています。

 

左チャンネルはオリジナル、右チャンネルはディレイで0ミリ(遅れ無し)、10ミリ、50ミリ、100ミリ遅らせています。

 

ムービーのミュートを解除して音を出して再生して、ヘッドフォンで聴くと、徐々に片方が遅れてずれていく様子がわかると思います。

 

*ギターでも弾けるフレーズにしておきました。6連符のあたりは、弦につき音が3つずつの弾きやすいフレーズです。6弦の8フレットからスタートすれば弾きやすいですネ。

 

 

0secは全く遅れが無いので、左と右のタイミングが完全に一致して、まるで中央から音が出ているように聴こえます。

 

10msecの遅れは「エア感」程度なので、目の前にあるギターアンプのスピーカーの音が耳に到達するくらいの時間差です。10msecの遅れで演奏できない人は、実際のスタジオのアンプでも演奏できない理屈になるので、いないと思います。

 

しかし、20msecをオーバーして、50msecに及べば、ハッキリと遅れが知覚できます。特に後半の6連符=速い音符になると、50msecでは遅延が大きくて混乱します。

 

ギターもピアノも、如何に正確に綺麗に音を弾くかが、基礎中の基礎です。拍からズレずに整然とインテンポで弾けてこそ、ルバートで音を故意にズラして雰囲気を表現できます。いつでもタイミングをコントロールできるように、通常は整然と音をテンポに乗せて弾こうと練習に努めるのです。

 

50msec=1/20秒、コンピュータの反応速度が遅くて音がズレたら、基礎練習もおぼつきませんネ。練習の努力も報われません。

 

100msecにおいては、1音符分ズレて、もはやお話になりません。1/10秒って凄くノロいんですね。

 

 

 

私の自宅のiMacですと、コンピュータ側で処理落ちせずに、弾いても遅れを受け流せるのは、20msec未満です。15msecくらいが、コンピュータと人との「妥協点」です。

 

絵を描く際も、おそらく快適に描ける限度は、20msec前後かなと思います。50msec遅れると、目で見て判別できます。

 

幸い、絵は音楽ほどリアルタイム性を要求されません。

 

テンポを落として描くことで、コンピュータの反応速度の遅さをアシストできます。アニメ作画でレイテンシーがあまり騒がれないのは、リアルタイム感覚を緩くできることも理由としてありましょう。

 

現在のアニメの絵柄も、鉛筆の筆致を活かした作風ではなく、二値化で線の表情を消して均質化するくらいなので、レイテンシーが大きくて反応が鈍くても、大きな問題にならないのでしょうネ。

 

しかし、生涯の絵描きとして自分を定義した場合、アニメの一時的な制作事情に因らず、自由な筆致・マティエールで絵を描けるほうが上位互換で有利です。シャシャッと描いた時には、やっぱりそのまま、シャシャッと反応して欲しいです。

 

30年後も二値化で150dpi相当で作画しているとは思えませんよネ。

 

自分をアニメーターよりも上位互換の「絵描き全域」として自己プロデュースし創作環境を考えた際に、ペンタブのレイテンシーは可能な限りゼロに近くあって欲しいです。

 

 

 

自分の愛用する道具は、出来る限り、自分のストレスを払拭してくれる側にいて欲しいもの‥‥ですネ。

 

そのうち、機材が進化する‥‥のでしょうけど。

 

私は30年後に一線で絵を描いているとは思えないので、30年も待てんのですわ。

 

 


レイテンシー

私はお得な年間契約でクリスタを使っていますし、作業場ではクリスタの他にハーモニーも使っていますが、ドローソフトとしては今でもProcreateがメインです。

 

その理由は、2つあって、

 

必要な編集機能が使いやすい

iPad Pro&Apple Pencilゆえのレイテンシーの低さ

 

‥‥です。

 

クリスタの新バージョンの内容次第で今後どうなるかはわかりませんが、現バージョンのクリスタは、私の欲しい編集機能が弱いのです。変形機能が特に弱いのが困りどころです。一方で、iPad版クリスタは、4Kサイズのキャンバスでもキビキビ動いて、アニメ作画タイミングのプレビューの待ち時間も短かったので、4K時代にも十分対応できそうなポテンシャルを感じます。編集機能がもうちょっと充実してくれれば‥‥。

 

ハーモニーはMac/Winしかリリースされてないので、都合、ペンタブレットはCintiqに頼ることになりますが、作画時のペン動作のレイテンシーは旧世代のソレです。iPad Proに慣れた体ではストレスを感じずにはいられないですが、PCの環境全体の問題とは言え、現時点で液タブに20万も払う気にはなれないのです。つまり、ハーモニー自体の問題ではないです。

 

 

 

レイテンシーは10msec台に抑えて欲しいです。

 

できれば一桁が良いですが、とにかく20msec以下に。

 

リアルタイム系のレンテンシー抑制は、絵描きや演奏者にとって、重要な環境性能です。

 

 

例えば、ギターのアンプシミュレータでは30msecだとお話にならんす。指の動作と耳に伝わる音の差で、遅れがすぐわかります。14msecなら(14ミリでも、キモチわる!と言う人もいるでしょうが)弾けるレベルにはなります。

 

14msecと28secの差なんて‥‥と、リアルタイム系に疎い人は考えがちですが、倍の差ですからね。

 

14msecくらいに設定しても耳で遅れはわかりますが、我慢できないほどではなくなります。さらに半分くらいの8msecくらいにするとレイテンシーは気にならなくなりますが、今度は処理が追いつかなくてブツブツとノイズが発生するので、私は14〜18msecあたりを落とし所にしています。‥‥ギターの場合は、です。

 

 

 

ペンも同じです。レイテンシーが50msecもあれば、動作がもどかしくてストレスを感じます。ガラスが厚くて描画面との距離があると、さらに拍車がかかって、描きにくくなります。

 

Mac/Winで液タブを使う気にならない‥‥というのは、私の今の最大の悩みです。液タブとPCが生み出すレイテンシーがストレスになって、せっかくのハーモニーで直に描けない(描きたくない)‥‥というのは、機材を要望する気にもならないので、困ったものなのです。

 

ゆえに、Procreateで線画を快適に描いた後でハーモニーに持ち込んで、カットアウトを作業する‥‥というカタチになっています。直に描ければワークフローも円滑なんだろうけど、iPad ProとApple Pencilに慣れると、液タブのレイテンシーにはもう戻れなくて‥‥。

 

Cintiqの場合、マシン本体の性能に大きく依存するのも、なかなか厄介です。iPad Proを買えば誰でも低レンテンシーの恩恵が得られるのとは、大きく違います。‥‥まあ、職業で絵を描くのなら、Winとて安PCを買ってはダメなんですけどネ。

 

CPUとGPUの性能を高く、SSDもPCIe系で1TB以上、メインメモリは64GB、ビデオメモリは16GB、モニタはsRGB/Rec.709をまるっとカバーするHDRの4Kとなれば、Macより安いと言われているWinマシンとて40万にはすぐ到達してしまいます。

 

 

 

リアルタイム系の技術を知らない人は、レイテンシーを甘くみがちです。50msecなんて、冗談のような遅さですよ。テンポ140で16分音符や6連符の速度を計算すれば、5/100秒の遅れなんて、大き過ぎることが判るでしょう。

 

なので、楽器用オーディオIFの場合は、ダイレクトモニタリング機能がついています。使い方は機材メーカー各社それぞれですが、レイテンシーによって演奏に支障がでるからこそ、必要な機能として備わっています。

 

マウスでのんびりカチカチやるのとは、わけが違うんよ。

 

自分の身体の動作と切り離せば、Bluetoothくらいの大きなレイテンシーでも一向に構いません。自分の指先の高速な動作と関連づけるからこそ、レイテンシーは深刻な問題になり得ます。

 

現在のMac/WinとCintiqのレイテンシーでも絵は描けますが、そこには我慢が付き纏います。その環境しか知らなければ、「そんなもんか」と受け流せるでしょうが、iPad Pro 3型以降、Apple Pencil 2型以降のレベルを知った後では、戻る気はしないです。

 

そもそも一番プリミティブで基礎的な部分ですよね。指で持ったペン先と描画が一致する‥‥というのは。

 

ペン先が描画とズレる。‥‥というのは、できるだけ我慢したくないですよネ。

 

ズレたり遅れたりすることなく、可能な限りゼロに近い応答速度は、何よりも優先して追求して欲しい、極めて基本的な要素です。「プロセスを介す以上、ゼロなんてあり得ない」という理由はわかりますので、あくまでゼロに近い速度‥‥です。

 

「50/1000の遅れが判るなんて信じられないんだよなあ」と思うのなら、是非エレキギターを習って、50msecの遅れをヘッドフォンでモニターしながら、16分音符でドレミファソラシドを弾いてみてください。体験したことがなく、頭だけで考えてるから、理解できないんスよ。「50msecの遅れくらい、体で吸収しろ」だなんて、ポテサラ爺さんの別パターンなのです。

 

 

 

コンピュータのために、絵を描いたり、音楽を演奏するわけではないですよネ。

 

あくまでマスターは、絵や音楽そのもの。

 

絵を描いたり、音楽を演奏するために、コンピュータは道具としての存在意義を発揮します。

 

限りなくレイテンシーゼロへの追求は、コンピュータを人間の表現の道具として用いるための、飽くなきテーマだと思うのです。

 

 

 

とは言うものの、PC関連機器の技術的な何かしらの大きなブレークスルーがないと、レイテンシーはどうしても数十ミリ秒にはなりがちですよね。

 

なので、今は、レイテンシーの少ない道具をチョイスして環境を作るのがおとしどころと思います。

 

2050年には「昔のレイテンシーの笑い話」をしながら、バッハ没後300年のライブ演奏を、8K120fps192KHzの高画質高音質で楽しめる世の中になっているのでしょうかね。

 

 



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