歴史は繰り返す。

2000年に入ってから、2004年くらいのまでの間、コンピュータによるアニメの「撮影」作業は、Retasの「コアレタス」じゃないと不可能だと言われていました。しかし、当時のAfter Effectsには既にタイムリマップがあり、フリーウェアのスムージングプラグインも存在したので、私は「可能」だと感じていました。

 

そして、実際に私が「撮影監督」を担当した「テニスの王子様」の劇場版(2005年だったと思います)では、After Effectsとタイムリマップを制御するスクリプトによって、Retas方式のペイントデータをコンポジットする体制を整えました。

*前年のホリック劇場版(2004年)まだAnimo出力だったと記憶します。全カットがAnimoだったかは記憶が曖昧ですが、当時のチームはプログラム基礎も必修にしていたので、ルーキーのスタッフにAnimo出力プログラムをXcodeで作って貰ったのを思い出します。あの頃(2000年代前半)は、テレビアニメのレッドオーシャン前で、色々と余裕がありましたね‥‥。

 

おそらく、同時多発的に他の方々も実用化し始めていたと思います。 PaintmanのTargaと、タイムリマップと、スムージングの「基本構成」が、業界に点在するAfter Effects使いの人たちによって形成され始めた頃です。

 

 

 

当時のアニメ現場の一般認識には辟易しておりました。「コアレタスは撮影ソフトだから、アニメの撮影が可能」「After Effectsは撮影ソフトじゃないから、アニメの撮影は不可能」という「型にハマった考え方」に‥‥です。

 

なので、After Effectsでも「撮影が可能」なことを証明してやろうと思ってました。‥‥まあ、それが目的ではないですが、付随した成果としてネ。

 

そして、出来ました。それどころか、今までのコアレタス勢までもがAfter Effectsで撮影をやり始めたのは驚きました。

 

「After Effectsでは撮影はできない」と言ってた舌も乾かぬうちに‥‥と、正直、思ったものです。

 

 

 

専用ソフトを執拗に求めて、待ち続けるのは愚です。

 

道具の機能を理解し、自分らのニーズ・欲求との接点を探れば良いのです。

 

いつ登場するか、いつ完成するかもわからない、未知の「アニメ用ソフト」を待つより、自分たちで出来ることを積み上げて、状況を変えていく方が未来が見えてきます。

 

しかも、積み上げる過程では、当初想定していなかった数多くの収穫もあります。

 

 

 

コアレタスはたしかに「アニメの撮影っぽい」ことは出来ましたが、逆に言えば、アニメの撮影に囚われすぎていて、After Effectsのような広範囲な映像効果の表現はできませんでした。

 

当時の私としては、せっかく色んな映像表現が可能になったのに、ソフトウェア側から「アニメの撮影なんてこんな感じでしょ」などと制限されたくなかったのです。

 

同じように、アニメの作画に用いるソフトにおいては、従来のアニメの作画以外の機能こそが、未来へと進む「扉の鍵」だと感じます。

 

アニメの作画ってこうでしょ?‥‥みたいに設計されたソフトなんて、今後、どれだけの発展の余地がありましょうか。

 

 

 

で、2020年の現在。

 

また同じことをアニメ業界の人々が言い始めているのを感じます。

 

歴史は繰り返す‥‥のかも、知れないですね。

 

「アニメ作画専用のソフト」はどれが良いか?‥‥と。

 

コアレタスの時と酷似しています。専用品を欲しがる傾向です。

 

 

 

使う側が、使い方を工夫するんですよ。

 

専用品を待ってちゃダメです。

 

使う側が工夫するからこそ、道具は想定していた以上の能力を発揮して、さらに表現が広がるのです。

 

そして、新しい表現による新時代が開かれるのです。

 

 

 

ソフトを覚えるのは大変だし‥‥と言う人もいますが、1つのソフトをとことん覚えれば、他のソフトにも応用は利きますよ。

 

ソフトを覚えることを、何かの資格みたいに考えて、内容空虚な暗記ものにしようとするから、暗記が億劫になるのです。

 

ちょっとイジっただけでめんどくさくなるから「どこかの素晴らしい専用品が助けてくれる」のを期待する‥‥のかも知れませんしネ。

 

調理器具の基本を実地で覚えれば、色々な組み合わせで調理法の応用が効きますよネ。中華を覚えたら、中華だけしか絶対にできない!‥‥なんてことはないわけで、コンピュータも同じです。

 

iPadなら、Procreateが使えれば、クリスタもメディバンもibisもフレスコもArtStudioも基本部分はすぐに使えるようになります。もちろん、起点はProcreateじゃなくても大丈夫です。どのAppから始めても、とことん使いこなした経験があれば、ふんだんに応用が利くようになります。

 

何か1つのソフトウェアを自分の得意分野にすれば、不可能だと思えていたことも可能に感じられ、それがどんどん先に繋がっていきます。

 

 

 

ソフトウェアの機能に不足を感じるのは、別に悪いことではないですし、もしかしたら、もっと使いやすいソフトがあるかも‥‥と期待するのも、ごく自然な感情です。

 

要は、「専用ソフトじゃないと不可能」と考える思考停止・アクション停止に陥らなければ良いだけのことです。

 

回り道などしたくない、専用道路が楽でいい‥‥なんて人もいましょうが、回り道にこそ、色々なアイテムが転がっているものですヨ。

 

 

 

 


利点。

アニメ制作のタイムシートをリプレースする、新しい何かがコンピュータ上で標準化すると、何よりも、

 

書き殴ったシートが存在できない

 

切り貼りシートが存在できない

 

‥‥という利点は良いですネ。

 

記入不備、指定法の間違いは、どんなフォーマットでも存在するでしょうが、書き殴るのは不可能です。

 

メールのように、御行儀よく、文字をキーボード入力しますもんネ。

 

 

 

切り貼りもできんわな。

 

切った時点、貼った時点で、カットかペーストになりますから、テーブルのセル(枠)が追加・削除となり、行と列も同調して増えます。つまり、フレーム(コマ)番号が大混乱することは無くなります。

 

紙が消えるということは、鉛筆も併せて消えるだけでなく、消しゴムも消えることを意味します。消しゴムで消して書き直したくないから、打ち消し線で済ましているんだもんね?

 

 

 

デジタルデータをベースとしたタイムシート・タイムラインの利点は、実は、地道な足元から効いてくるのかも知れません。

 

ソフトウェアのUIが相手では、雑なシートは書けませんし、作れませんからね。

 

雑ゆえに伝わらない文書・伝票は、存在の意味がないですもん。

 

コンピュータを介すことで、伝えたいことが明確に伝わるようになる

 

シンプルに良いことです。

 

 

 

切り貼りシートや書き殴りシートは、フィルム時代の亡霊。

 

出来る限り早めに、成仏して欲しいものです。

 

紙を大事に思うのなら、紙のマイナスイメージを実践してはダメです。書き殴り伝票なんて、紙の悪しき部分の象徴です。

 

もし、未来も切り貼りシートや書き殴りシートを続けたければ、デジタルに頼ることなく、紙時代の同期たるフィルム撮影台を買い戻して、フィルムでやれば良いのです。クロス引きの制限、セル重ね枚数の制限に甘んじて、セル単体の拡大縮小はいちいちオプチカルで金をかけてやってればいい。

 

コンピュータを活用したいのなら、最低限のコンピュータの流儀には準じましょう。

 

 

 

令和は、雑に書いて「よろしく」で済むような時代では、もう無い‥‥と思います。

 

現在は紙のシートがまだ存在するので、書き殴れますし切り貼れますが、色々が雑だった昭和の悪しき慣習を断ち切るためにも、ペーパーレスは必須でしょうね。

 

 


工場という誤認

私は工業都市で育ったので、身近に工場がいくつもありました。工場の前には「金型」「鋳型」が山積みされて並んでいました。

 

工場は大量生産の象徴でもあります。

 

アニメ作品も、テレビなら1話につき300カット前後の映像を作ります。10話分だと3000カットです。

 

ゆえに、映像制作会社〜プロダクションを「工場」に置き換えて考える人は、結構多いようです。

 

しかし、映像制作で作り出す完成品は、型から押し出したパーツを組み合わせて同じ製品を作る性質とは大きく異なります。

 

 

 

私は30年以上、アニメの制作現場で作業し、ここ10年は実写などの作品も引き受けたりしていますが、工場と呼び表すのは、不適切だと明確に考えるようになりました。

 

工場は、1つずつ内容の違う完成品を、作り出すでしょうか?

 

同じ型番の製品やパーツを、大量生産するのが、一般的な工場の姿ですよね?

 

映像制作の現場は、工場ではなく、職人の集まる「工房」と呼んだほうがピッタリはまります。

 

 

 

映像制作プロダクションは、「大規模工房」として認識したほうが、状況にしっくりくると、少なくとも私は感じるのです。

 

「工場である」と認識すると、確かに、今までのアニメ業界が抱えてきた問題点が浮き彫りになります。その際たるものが「単一単価制」です。1カットごとの内容は大きく異なるのに、よほどのことがない限り、均一の単価です。

 

工場のパーツ、工場の労働として、プロダクションを認識すれば、生産ラインを流れる1カットも、単一単価に自然と落ち着くでしょう。でも、その認識ゆえに、アニメ業界は何十年と「闇」を抱えてきたのです。

 

 

 

たしかに、製造業のノウハウは活かせることが沢山あります。私も以前は随分と参考にしたものです。

 

しかし、工場として映像制作の現場を捉えると、いろんな箇所で歪みが生じます。

 

製造業のノウハウは活かしつつ、軍事学の知識も応用しつつ、一方で、「自分たちはそれぞれ内容の大きく異なるカットを、大量に作る仕事なんだ」とハッキリと認識しておく必要があります。

 

生産工場の生産ラインとは、一見似たように見えても、作業内容は甚だしく異なります。

 

工場は、同じ内容の製品を、できるだけ設計・規格通りの状態で作ることが求められます。規格から外れたら不良品です。

 

映像制作はどうでしょう? 同じ内容のカットを300カット作りますか? 違いますよネ。

 

 

 

製造業の色々な生産管理技術、運用技術は、とても参考になります。今から10年以上前に、私も随分と啓蒙されたものです。PDCA、5W1H、QCD、4C、OODAループ、ルッサーの法則‥‥と、刺激になること盛りだくさんです。

 

アマチュア時代の自主制作・卒業制作気分に、冷や水を浴びせるが如くの、良い刺激となります。

 

しかし、そうしたノウハウを取り入れつつも、自分たちの現場の現実は、工場とは性質が異なることを認識しておくことも、極めて重要です。

 

我々、映像制作者の作りだす完成品は、1カットごと、違うんですよ。

 

ラジオを1万台製造するのとは、状況があまりにも違うのですよ。

 

そこを踏まえずに、生産管理だ、生産ラインだ、工場だと宣っても、経験の浅さが露呈するだけです。過去の自分を振り返ってもそう思います。「製造業かぶれ」する時期は、現場の未来を案ずる人なら、誰でも通過するのかも知れません。

 

 

 

製造業の生産管理技術は、学ぶところが多いです。

 

一方で、製造業とは異なる性質を踏まえて、思考と方法論を分岐して「映像制作に適した応用法」を考える必要があるでしょう。

 

 

 

子供の頃、町のあちらこちらで見かけた金型。

 

テレビ作品の300カットも、金型から押し出すように、工場みたいに大量生産できるのなら‥‥でしょうけど‥‥

 

そうはいきませんよねえ。

 

 


2型と最終型

第2世代のハード、または最終世代のハードの良さは、身に染みて実感しています。

 

私が所有する第2世代で、優れた性能で今でも記憶しているのは、Power Macintosh 8600/250、iMac Rev.B(ボンダイブルーの改良型2号機)、そしてiPad Pro 12.9インチ第2世代です。

 

みな、価格を遥かに超えた貢献度、そして耐久性を誇っておりました。(iPad Proは進行形です)

 

 

 

第1世代は新機軸を盛り込んだ意欲作で、新シリーズの新製品に賭ける期待は、買う側も作り手側も一緒です。一方で未知の欠点・改善点を含んでいるので、第2世代(もしくは2型)でフィードバックを盛り込むことで、「新機軸+改善点」という理想的な状態が形成されるのです。

 

それ以降の世代のマイナーチェンジ型は、「どこをどうすればコストをカットして利潤(生産性)を向上できるか」のフェイズに突入するので、コストダウンによる影響も製品にちらほら現れ始めます。

 

製品のシリーズを発売して何世代も経過した後は、製品固有の「鉄板」の土台が形成されるので、特に最終型は、完成度が高いのに安価という、買う側にとって嬉しい状況に至ることもあります。‥‥まあ、全ての製品が‥‥ではないですが、製品世代における熟成の極みに到達することはよくあることです。

 

 

 

iMac リビジョンBは、ジョブズがアップルに復帰して、新世代のアップルを体現した製品「iMac」のバージョンアップ型です。今でこそ、普通に見慣れた姿ですが、当時は「ケーブルを極力廃し」「プリンタポートを撤廃し」「フロッピードライブも撤廃し」‥‥と、まるで遥か未来を予見するような斬新な設計で、意欲作も意欲作‥‥でした。意欲作すぎて、問題作とすら、PCユーザには受け取られたものです。「フロッピーがなく、SCSIもなく、USBだけなんて、極めてナンセンス!」と。

 

初号機で数多くのトラブルとニーズがフィードバックされたのか、数ヶ月後に改良点を盛り込んだ、同じボンダイブルーのリビジョンB=2号機が発売され、私は正月あたりに買った記憶があります。

 

そのiMacボンダイブルーのリビジョンB。‥‥第1線を退いてからは、5年間24時間、電源を落とさずサーバとして活躍し、まったく故障のないまま、今は倉庫でモスボール状態(ホコリ防止の全体保護)で寝ております。他のタンジェリンやスノーのCRT iMacが全て電源のコンデンサ膨張で逝く中、初代2型だけが健康状態を維持していました。

 

 

 

一方、最終世代は、PowerMac G4の時です。ミラード・ドライブドア(MDD)と呼ばれる最終型で、タワー型のワークステーションでも168000円まで下がった頃です。あの頃は安くなったよなあ、Mac。

 

1997年暮れに買ったPowerMac8600をG4 CPUまで改造し続けて使いましたが、その当時(2003〜2004年頃)に取り組みはじめた2Kのアニメ、そしてカットアウトの作画技術には、いくらG4化しているとは言えPM8600では荷が重く、ようやく決心してメインマシンを買い替えたのです。それがMDDのPMG4です。

 

同時期にG5も登場していましたが、あえて安いG4を買いました。性能はソコソコでしたが役割を十分果たし、3年後くらいに買い換える時に、なんと10万円で買い取って貰えました。外箱なしの、本体とキーボード・マウスとOSのCDだけの状態で、10万円。

 

168000円のそれなりに使い倒したG4が、お店で100000円で買取。当時、いよいよMacOS(MacOSXではない)が死刑に処される時期で、「MacOS9で使いたい人」向けの特需が、中古市場で吹き荒れていたのです。その風にのって、私も10万円でG4を買い取って貰えました。性能が極まって熟成したMacOS9マシンとして、重宝されたのでしょうネ。

 

 

 

初代の改良点を多く盛り込んだ2型。そして、熟成の到達点の最終型。

 

どちらも、高耐久性で高性能の場合が多いです。

 

逆に、真ん中の世代は「ここを端折ればコストカットできるんじゃないか」的な邪心(?)が製造側に芽生えて、安価なパーツがもとで故障に至るケースが多いです。CRT iMacのコンデンサ不良の話は有名です。

 

あ、これはアニメ制作技術でも同じか。

 

 

 

今回のWWDCで発表が無かったIntel最終形のiMac。一方で、Armへの移行が正式にアナウンスされ、開発者向けのArm搭載Mac miniが出荷‥‥とも。

 

Arm Macか。

 

新機軸って、最初はトラブルが多いんだよな〜〜〜。

 

あ、これも、アニメ制作に共通ですネ。

 

 

 


数値の賢い使い方

昔、Google SketchUpを使っていた頃、画角を決める数値で「視野」というのがあって、数値が大きくなるほど画角が広がっていきました。「視野の数値が上がる=視野が大きくなる=視野が広がる」ということで、最初は慣れないものの、慣れれば感覚的に数値をコントロールできるようになります。

 

タイムコードも同じで、世界で0スタートと決まっていることに納得して慣れれば、タイムシートとの読み換えも大した手間ではなくなります。データがストリームしてくる感覚で考えれば、最初はゼロの状態からスタートすべきなのも理解できます。フィルムではなく、信号の伝達で映像を映し出す方式で考えれば、タイムコードのゼロの意味もなんとなくでも解るでしょう。

 

映像に限らず、データをアップロードやダウンロードする際にも、1ファイルを完全に送受信していない中途の状態は、ゼロからデータ量を数えた方がしっくりきますよね。0からスタートするのはちゃんと意味があるのです。

 

一方で、作画の枚数カウントを0スタートにするのはおかしな話です。目の前に現物の1枚が存在するのに、0枚目とか言わないですもんね。同じく、既に目の前に存在しているフィルムの1コマを0コマとか数えないでしょう。

 

すなわち、数値とは、

 

仕組みの基本を理解して扱えば、賢く便利に使える

 

わけです。

 

仕組みは、様々な決め事の集合体とも言えます。決め事で処理の段取りを仕切るがゆえに、段取りが流れていきます。

 

 

 

もし、道路で進入禁止の標識があったとします。

 

 

これは正式には「車両進入禁止」と言って、四輪自動車だけでなく車両全般に適用される進入禁止の規則です。自動車だけでなく軽車両も含まれるので、実は自転車も進入禁止です。しかし、そこは大目に見られてはいますネ。生活道路としての融通を考慮して‥‥でしょうかネ。

 

しかし、自転車ではなく、アニメ業界の独自の慣習で「夜中は自動車で進入して走っても大丈夫」なんていうことにして、進行車がバンバン一方通行路を逆走したらどうなるでしょうか。

 

警官に捕まる? ‥‥いやいや、そんな罰則のことではなくて、実際の場面ではどうでしょう。

 

状況によっては、正面衝突して事故りますよネ。

 

つまり、

 

独自の感覚でテキトーに規則を破っていると、いつか事故る

 

‥‥ということです。

 

 

 

画角のミリの数値もそうだし、DPIしか気にしない寸法の認識もそうだし、タイムコード書式を1スタートにするのもそうだし、規則が取り決められているのにも関わらず、自己流の扱い方をするといつか事故る‥‥のです。

 

タイムコード書式でオフセットして1スタートにして、次の秒からゼロスタートに戻るなんて、他の映像業界では「トンデモ運用」なのです。事故のもとを自ら仕込んでいるようなものです。

 

「この作品は何DPIですか?」というのも間が抜けた質問で、用紙サイズの実寸とペアで聞かなければ、画面の広さ・大きさなんて判断できません。

 

レンズの口径・ミリ数は、撮像する面積の広さとの兼ね合いで、画角が導きだされるのに、50ミリが標準画角のレンズだと信じて疑わないのは滑稽な話です。APS-Cではライカ判換算で80ミリ前後の中望遠画角になります。

*ちなみに、画角に関しては、ニコンの画角のページがわかりやすいです。https://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/lenslesson/lesson23.html

 

1から数えるのが悪いわけじゃないですし、実寸にはDPIの概念も必要ですし、レンズのミリ数も基本をわきまえれば画角のイメージにつながります。

 

要は、不完全な状態で理解しないまま、なんとなく雰囲気で曖昧に数値を扱い続けることが、間違いと事故のもと‥‥というわけです。

 

スペックマニアにも完璧主義者にもなる必要はなく、ただシンプルに、基本の仕組みを理解して適切に扱えば良いだけです。

 

タイムコードは0スタート。

 

DPIは実寸と一緒に。

 

レンズのミリ数で画角を語るには、撮像面積(の規格)とペアで。

 

たった、これだけのことです。難しいことはないです。

 

 

 

知らなかったことを嗜められて、ムキになって怒り出すのは、まさにチャイルディッシュ。

 

知らないことは、聞いときゃあ、いいじゃん。私だって、数多くの人に間違いを指摘されて、正しい理由や仕組みを知るようになりましたし。

 

年長になったからって、何でも知っているフリをしなくても、良いんですよ。とんでもない勘違いを30年持ち続けることだって、たまにはありますヨ。

 

明らかに間違った使用法を指摘された時に、不快になって言い訳をあれこれ持ち出して意固地になる年長者と、間違いを受け止めて精査した上で正しい使い方に修正する年長者だったら、どちらが尊敬に値する?

 

私は俄然、後者を尊敬しますけどネ。前者はめんどくさくてしょうがねえス。

 

 

 

用語や数値を「暗記もの」にしているか、仕組みから用語や数値を推し量っているか、‥‥の決定的な違いとも言えます。

 

暗記ものは、理屈や仕組みの話になると、弱いよぉ‥‥。単に数値が、「番号の羅列」でしかないから。

 

しかし、仕組みの基本を理解した上で、数値の暗記までプラスすると、俄然強くなります。たとえ、ジャンルの違う技術者と会話しても、数値が一致して知識も通用します。

 

数値を賢く使うには、基本的な仕組みを知っておくことです。

 

それだけで、数値は、数値以上の価値を発揮し始めます。

 

 


レンズのミリ数と画角について

アニメの制作現場でよく「50ミリのレンズくらいで」とかの「レンズのミリ数」の表現が出てくるのですが、ぶっちゃけ、正直なところ、レンズのミリ数が実際の画角と結びついている人って、アニメ現場にどれだけいるでしょうか?

 

そんなに皆、カメラを手にして撮影した経験があるのかな? ‥‥結構、少ないと思うんですが。

 

まず、そもそも。

 

今は35ミリのライカ判の面積をフルに記録できるカメラが少ないじゃないですか。みな、ミニサイズです。

 

35ミリのフルの撮像素子を有したカメラはボディだけでも高価で、簡単に誰もがホイホイと使えるシロモノではないです。2〜3万円じゃ買えません。

 

APS-Cが大半と思われますが、そうすると、レンズのミリ数と画角は、35ミリフィルム時代の一眼レフとは全く異なります。都合、テレ〜望遠気味になります。

 

Wikiより、図説を引用。

 

 

 

レンズのミリ数だけではなく、撮像する面積によっても、画角は変わってきます。

 

アニメの現場のレンズのミリ数って、相当「あてにならない」言い回しです。一眼レフのカメラ経験のほとんどない人間が、曖昧にミリ数を口にしたところで、的外れな表現になりがちです。

 

ミリ数を口にするより、実際の画角を絵に描いて示したほうが、誤解が少なくて良いです。

 

 

 

実際、打ち合わせの場所で、「これは何ミリのレンズで」とか言われると、私なら「それはライカ判換算ですか?それともAPS-C?」と即座に聞いちゃいますし、「カメラをお使いになってたんですか? フィルム? 35ミリ? もしかしたら中判?」とも(いじわるじゃなくて、同好のよしみとして)聞くかもしれません。

 

アニメ業界はカメラの知識を知らない人が多いので、テキトーにミリ数で曖昧に話すようなことも多いですが、一方で、カメラを嗜んだ人も存在します。

 

なので、あまり、イーカゲンな「ミリ数」の表現はしない方が良いのです。ミリなんて、カメラを結構使ってないと、数値として身につかないものです。スマホのカメラばかり使っているような人間がミリを口にしたところで、実際の経験を伴わないことが、識者の前に出ればモロバレです。

 

例えば、85ミリで絞りを開いて人物にフォーカスして‥‥とか言えば、35ミリ一眼レフカメラ経験者なら「定番」の絵が思い浮かびます。アニメ現場の打ち合わせでは、85ミリと言ったところで、絵の収まりすら共通認識にはならないでしょ?

 

 

 

正直、よくわからない‥‥んですよネ。

 

「アニメ現場の言うところのミリ数」って。

 

繰り返しになりますが、レンズのミリ数で画角を言い表す時、それは35ミリ一眼レフ感覚‥‥なのでしょうか。‥‥でなければ、何?

 

「3DCGのソフトウェアの数値だ!」‥‥と言うのなら、その3DCGソフトウェアは何換算でミリを表記しているんでしょう?

 

もし、35ミリ一眼レフ=ライカ判が基準だとして。

 

35ミリフィルムが事実上コンシューマ市場から消えた今、35ミリの感覚をどうやって養うのか。前述したように35ミリフル版のデジタル一眼レフは、高価なので気安く買える製品ではないです。

 

EOS RPが登場して、随分と身近になりましたが、それでもレンズとセットで20万円はします。以前なら、30〜60万円の世界でした。

 

一方、私が35ミリ一眼レフの基礎を形成したのは、フィルム時代だったので、安価なコンパクトカメラでも35ミリフルサイズでしたし、使い捨ての「写ルンです」すらフルサイズで、35ミリフィルムが生活の中に溶け込んでいました。

 

でもさ。‥‥今は、ほとんどがAPS-Cでしょ。または、iPhoneの漠然とした広角の画角。

 

35ミリフィルム一眼の時代なら、17ミリと言えばかなり広い画角の広角レンズでしたが、APS-Cだと24ミリ換算くらいですよネ。24ミリレンズはごく標準的な広角で、超広角ではないです。ですので「17ミリ」と聞いても、35ミリフルサイズかAPS-Cかで、大きくイメージが異なります。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/35mm判換算焦点距離

 

 

 

タイムコードの1スタートもそうなんですけど、アニメ業界って、素人っぽいところがあって、中途半端にタイムコード書式を使ったり、ミリ数を口にしたりして、本式のプロ目線だと混乱しやすいことがあります。

 

テレワーク、ネットワークオンライン、ペーパーレス運用への移行に合わせて、アニメ技術の基礎知識も一旦、棚上げしていたものを全て棚から下ろして、そのまま棚に並べ直すものと、破棄して新しく定義し直すものと、総点検したほうが良いと思うんですよネ。

 

アニメ現場でレンズのミリ数なんか口にしても、35ミリフルなのか、APS-Cなのか、または他の何かなのか、基準が曖昧ですもん。

 

35ミリ一眼レフのミリ数を口にするのなら、せめて当人は、35ミリ一眼レフの経験と知識を獲得して、身の丈でミリ数を扱うべし。‥‥じゃないと、聞きかじったレベルの曖昧な数値が暴走して混乱します。

 

 

 

幸い、2020年の今なら、キャノンのRPなら、20万円くらいで、24〜105ミリのレンズセットの本体が買えるんですネ。レンズ感覚をカラダに叩き込むなら、実際に撮影しまくれば身につきますヨ。

 

それにしても、フルサイズは安くなったなあ‥‥。

 

*最近のクセで、24ミリと読むと習慣で1.5倍の36ミリくらいにイメージしちゃいますが、フルサイズだからライカ判の昔のまま!‥‥なのは、何だかとても嬉しいです。画角を狭くしていた仮面が剥がれたようで。

 

 

 

商売道具としてお金がかけられるプロのカメラマンだけでなく、アニメ制作者やアマチュアでも20万円以下でフルサイズ一式が手に入るようになったのは、2020年代の嬉しい状況です。

 

私はEFレンズの資産を活かしたいので、EOSのフルサイズ廉価版が欲しいです。今だと、13万円くらいで買えるんですね。安くなったなあ‥‥‥‥。

 

フィルム時代に愛用した17mmなどのEFレンズが、35ミリ時代の画角のまま使えるのは、喜ばしいことです。頭の中でおおまか1.5倍に換算しなくて済むのも、ストレスがなくて良いです。

 

しかし、そうなると、APS-C移行後に買ったAPS-C用レンズはケラれて使えなくなるんでしょうネ。でもまあ、本数は少ないので、まあいいか。

 

 

 

アニメ制作現場、特に紙の作画の現場は、紙の世界に隔絶された竜宮城のようで、今でも90年代を思わせるような雰囲気があります。

 

しかし、地上の外界を見渡すと、2020年代の現代技術に溢れています。映像・画像の技術進化は、ソフトウェア・ハードウェアと共に、どんどん進化しています。

 

A4用紙を150dpiでスキャンする「お城」の外界では、4Kではなく6K、しかもEFマウントのレンズで記録できるムービーカメラすらBlackmagic社から発売されています。

 

*このポケットシネマカメラを買うと、ダヴィンチのスタジオ版(本来は有償ソフトウェア)がついてくるので、外部モニタを使った編集とカラーグレーディングが作業できます。それもいいね。

 

 

こうした「外界」の状況を、「うちらとは関係ない世界」として片付けてきた延長線上で、2020年代以降も生き続けるのでしょうか。

 

アニメは西陣織とは違います。映像メディアの誕生と発展と共に生まれ育ってきました。

 

なのに、いつのまにか「伝統工芸」を気取って、映像技術進化に背を向けて、2020年代はおろか2030年代もA4-150dpiで生きていくのなら、全くもって、自分の出自〜ルーツを忘れています。アニメは現代技術の寵児なのですよ。

 

 

カメラの画角をもっと知りたい!

 

なので、カメラを買って、撮りまくってみた。

 

画角の感覚が身についてきた。

 

カメラで静止画だけでなく、ムービーも撮ってみた。

 

絞りを開放して、深度を浅くして、カメラ独特の表現にも挑戦してみた。

 

絞りとシャッタースピードの織りなす、シンプルだけど奥深い世界を知った。

 

カメラの表現って、アニメにもっと活かせる要素があることに気づいた。

 

 

紙と向き合うだけでは永遠に気づけない、映像全般の広範囲な表現手法を、カメラを通して獲得できるでしょう。

 

そして、やがて、自分の思う通りに、映像を作り上げてみたいと思うようになるでしょう。‥‥線画だけを担当するのではなく、映像全体を‥‥です。

 

テレビアニメの基礎を築いた1970年代と、2020年代の今と、何が違うでしょう。

 

今は、紙だけでなく、iPadもあります。そして、事実上無限に撮影できるデジタル一眼レフがあり、その一眼レフで動画すら撮影できます。1970年代には絶対に不可能なことでした。

 

だったら、その有利な時代性を活用しましょう。

 

どんなに武士道を貫いても、五右衛門のように刀で弾丸や飛行機やビルは斬れないですからネ。

 

せっかく今を生きてるんだもん。「今の利点」を使いこなしましょう。

 

 

 


陸海空。

自宅の環境は、制作会社の作業環境よりも、環境作りが難しい‥‥と思うことがあります。制作会社は往々にして1部署に1機能を求めますが(=もちろん、その1機能の内容は高いレベルが求められます)、自宅は多機能を求められます。

 

アニメ制作会社は映像制作の会社なので、画像・映像のマシン性能・作業環境性能が重視されます。

 

一方、自宅は「あれもやりたい。これも必要。仕事にはあれとこれが不可欠。」となります。年賀状の季節にはプリンタではがき印刷するし、スキャナもまだ過去の紙素材をデータ化するのに必要、昭和のフィルムだってスキャンしたい、音楽は良い音で聴きたい、楽器を弾いてれば鍵盤も繋ぐしマイクをTRS接続もしたいしコンデンサマイクに電源供給もしたい‥‥など、いろんな乗り物がひしめくテーマパークのようです。

 

ソフトウェアも多岐に渡ります。Adobe CCは、PhotoshopやAfter Effectsだけでなく、Auditionも役に立ちますし、Affinityシリーズも使うし、表計算やワープロ(って今は呼ばんか)ソフト、葉書やディスクの印刷ソフト、Logic Pro Xやサブスク音源、ギターを弾く人はGuitar LabやGuitar RigやBIAS FX‥‥と、山盛りのレベルもメガ盛り・ギガ盛りです。

 

ネットのブラウザは今やメモリ食いの代名詞みたいになってますから、いろんなソフトで多くのメモリを消費します。

 

 

 

自宅のマシンは、小規模でも万能を要求されます。

 

例えば、私の次期iMacに加える必須項目は、

 

Adobe CC

Affinity Photo, Pixelmator

DaVinci Resolve

Logic Pro X

Guitar Lab, Guitar Rig, BIAS FX

Numbers, Pages

Amazon Music

Kindle

Clip Studio, Moho

オムニグラフ

Transmit

mi

Compressor, HandBrake

Windowsのエミュレータ

SimCity(^^)

エプソンやキャノンのユーティリティ

 

‥‥と、キリがないのでこの辺で列挙はやめますが、つまり「何でもあり」です。

 

つまり、一枚絵もアニメ映像も作れて、実写も加工・編集できて、音楽も作れて、プリントもスキャンも最低限できて、事務もできて、プログラムも作れて‥‥と、欲張り過ぎのマシン性能要求です。

 

1つのマシン環境で、数多くのAppが快適に動作するのを期待されてるんだもん。iMacも荷が重いですよねえ‥‥。

 

*ギター関連のソフトウェアは、ZOOMのGuitar Labと、BIAS FXの2つにまとまりそうな感じです。しかし、Guitar Rigがバージョンアップして、機能がアップすればどうなるか‥‥。今のところのオススメは、PC/Mac上でとことんサウンドメイキングできるBIAS FXです。

 

 

 

プロとして映像を作ろう‥‥って人は、結構多くが、色んな方面にも技能が開いて多趣味です。

 

アニメスタッフでも、楽器を嗜む人はいます。あの人も、あの人も、あの人も‥‥‥‥。

 

そもそも、絵や映像のアイデアを考える人が、音楽に全く興味ない‥‥なんて、あるのかな‥‥。

 

以前の再掲ですが、下図の爆発のアニメ映像は、それこそAfter Effectsのタイムラインに楽器別のスコアを書いた、音楽そのものです。

 

*私が「パソコン初心者」の頃、横書きのタイムラインにさほど違和感を感じなかったのは、オーケストラスコアに近いものを感じていたから‥‥かも知れませんネ。

 

 

アニメーターは知ってますよネ。絵を動かすということは、時間軸から成すリズムやフレーズに近い感覚がある‥‥と。

 

色彩を設計する人は、数々の色の中に、固有の音色を連想する人もいましょう。

 

レジャー好きの人が、海以外は全く興味がない!‥‥と言うほうが珍しくて、陸も、できることなら空も、地球の自然全般に興味がある人が多いのと同じです。

 

まさに、陸海空。

 

映像作品の陸海空〜絵と音とストーリー。この3つを自分のツールに求めるなら、どうやったって、多機能のマシン環境が必要になります。

 

陸海空全てをMAXにすることはできなくても、映像のインスピレーションに必要な要素は、身近に置いていたい‥‥と思う人は多いでしょう。

 

まあ、要は、どうバランスするか‥‥でしょうネ。自分なりのバランス。

 

そして、そのバランスが自分のマシンに反映されるのです。

 

 

 

さて、新しいiMacは、どんな性能かな?

 

WWDCで発表されるといいですネ。

 

 

 

 

 


HDDあれこれ

実際の身の回りの故障の状況から、ここ数年は意識的にSeagateのHDDを選択肢から外しているのは、前々回の記事で書いた通りですが、既に今年の2月にネットの記事で報じられていましたネ。

 

HDD故障率のメーカー・モデル別統計データ2019年版、故障率が最も高かったのは?

https://gigazine.net/news/20200212-backblaze-hard-drive-stats-2019/

 

2019年‥‥とありますが、その前から故障の傾向は別の記事でも紹介されていました。

 

かなり前‥‥2010年代前半頃に、このブログでHDD故障率のネット記事を引用した記憶があります。HGSTは低い故障率、WDは初期の故障を抜ければ故障率は抑制され、Seagateは厄介なことに1年半から2年くらいから故障率が上がる‥‥という内容でした。

 

 

 

HDDは、今まで色々ありましたね。

 

今では、何の迷いもなくHGST(日立グローバルストレージテクノロジーズ)と呼んではいますが、昔はシンプルに日立、もっと前はIBMでしたよネ。「Deskstar」「Ultrastar」はIBM時代から名前を継承しています。

 

2001年の懐かしい記事が検索にヒットしました。

 

IBM製HDDの新型“Deskstar 60GXP”シリーズが新登場!

https://ascii.jp/elem/000/000/322/322043/

 

ややこしいのは、「ブランドの吸収劇」で、HGSTがWDの傘下になって、GoldがUltrastarになって‥‥って、今や、「色」シリーズと「星」シリーズが、現状どうなっているのか、私の中では混乱したままです。

 

WDの「色」シリーズは、2010年代前半期にあまりにもGreen(低回転・大容量のシリーズ)の故障が多く、Green自体が故障リスクの代名詞になってしまった‥‥のかどうか知りませんが、なんと、GreenをBlueに吸収して名前を変える‥‥という大企業らしからぬ対応で周囲をドン引きさせてもいますネ。あれ? Blueって、もともと何向けのHDDでしたっけ? GreenはGreenのままで良いじゃん‥‥。

 

私は映像制作の業務ゆえ、Blackシリーズをいくつか今でも持っていて、現役で稼働可能です。ただ、BlackはSSDがまだ低容量だった頃に「速度性能」を売りにしたシリーズで、現在では速度性能で1TB以上のSSDにとって変わられ‥‥と、中途半端な立ち位置で、活躍の場がほとんどない状態です。最近のラインアップでは6TBまで大容量化しましたが、速度的には速くも遅くもない‥‥というビミョーな立ち位置です。

 

私は近年、大容量用途では東芝ばかり使っています。HGSTブランドは高価で、WDは色が混乱して不透明になって使う気が失せて、Seagateは故障続きで対象外‥‥となると、安価に大容量となると、東芝にどうしても行き着きます。東芝はここ数年使い始めたので導入数が少なくはありますが(8〜10個くらい)、今のところ故障はゼロです。

 

 

 

表面的にはSSDが主流となっても、バックアップ体制や倉庫用途なら、HDDは依然現役です。

 

とは言え、システムディスクやワークエリアをバックアップすべきHDDが、何より先に故障してては失笑もいいところですし、倉庫がクラッシュしてしまったら、倉庫というよりはデータが二度と戻らない墓場になってしまいます。

 

今や、速度性能よりもむしろ安定性が最優先のHDDならば、低故障率を何よりも求めたいです。

 

速度を言い出したら、HDDなど論外・対象外。SSDすら、SATA仕様なら「規格自体が遅い」と言われる、今やM.2や40Gbpsのご時世ですから、HDDを購入するなら、HDDの良い点が活きる使用法を意識的に考えた上で‥‥ですネ。

 

 


海門HDD

ここ10年の間、壊れたHDDはほぼ全て、Seagate製でした。HGSTと東芝は皆無、WDは1〜2個くらいです。

 

ただ、WDの2個の故障は、アマゾンの梱包の酷さも随分と影響しているように思います。ダンボールの中で固定されずに泳いでいたり、2.5インチなどは封筒の中に銀色の袋のまま=ほぼ生の状態で入ってたりと、壊れないほうが奇跡のような場面もありました。なので、HDDを買う際はアマゾンではなくパソコンショップ系の通販(ダンボールの中で泳がないようにしっかりと梱包してくれます。そこはやはり専門店の安心感。)を使うようにしたら、故障知らずになりました。

 

しかしSeagateは、どんな経緯でも壊れまくりました。ベアドライブをアマゾンで買った時も、アマゾン以外のしっかりとした梱包のお店で買った時も、BTOで内蔵されていた時も、仕事場で調達した時も、大体、使い始めて2年くらいでおかしくなりました。最初から「カッツン‥‥キュキキキ」というイヤな音がしていた個体もありましたネ‥‥。すぐに思い出せるだけで、5個くらい、この10年で壊れました。

 

10年で5個壊れて、まだ安さにつられてSeagateを買うようでは、消費者にも責任あり!‥‥と思うて、近年はどんなに大容量低価格が魅力でも、Seagateの製品は買わないようにしています。

 

「ただ単に、運が悪いだけじゃん?」とか言われそうですが、「運」なんて得体の知れないものなら、なおさら、同じ状況は避けます。

 

 

 

2013年にRAID0で組んだHGSTのHDDは、今でも現役です。RAIDを再構築したこともないです。7年間、ほぼ365日稼働していますが、故障知らずです。無故障・トラブルなしの年中無休RAID0。TimeMachineでRAID0+1的な環境を作っていますが、HDD不調が原因で復元処理をしたことは全くないです。

 

一方、Seagateは、外付け(単体)用途で調達したいくつかダメになりましたし、こともあろうに液晶パネルを剥がさないと交換できないiMac 2.5Kと5Kの2台ともSeagateのHDD(起動ディスク)が故障しましたし、現役で稼働しているSeagateのHDD個体は、かなり少ないです。

 

レッテルを貼るつもりはないのですが、これだけ故障したHDDのメーカーを使い続けるのは、消費者として避けるべきと、少なくとも私は判断しています。

 

 

 

でもまあ、「絶対にバックアップは取る」という習慣が根付いたのは、Seagateのお陰‥‥とも言えます。世界に1つしか存在しないデータは絶対に作りません。必ず、ミラーリングか差分バックアップ(TimeMachine)の環境を整えます。

 

今後は大容量のSSDにどんどん切り替わるとは思いますが、さすがに8〜12TBクラスのディスクはまだまだHDDの独壇場です。起動ディスクやキャッシュはSSD(M.2やTB3など)、大容量を必要とする作業スペースやバックアップ先はHDD‥‥と、個人宅でも仕事をするなら、SSDとHDDを使い分けるのが常識になりそうです。

 

 

 

Seagateのバラクーダは、それこそ、HDDの容量が20〜80MBの四半世紀前からのお馴染みHDDです。私も40か80MBのHDDを、Mac SEなどのOld Macに積んだまま、保管しています。新品未開封の40MBのバラクーダももしかしたら、どこかに眠っているかも知れません(=昔、ソフマップで1000円くらいで投げ売りしてました)。

 

故障しなければ普通に使いたいほど、愛着のあるメーカーではあるので、2020年代に挽回して欲しいです。

 

 


4K時代のiMac

自宅のiMac 5Kは、初代モデルで2014年製です。今どき(4K)の映像制作で使用する際に、もはや限界に達しており、3Kでも厳しい状況です。‥‥ですので、買い替えの時期を虎視眈眈と伺っていました。

 

新型iMacの噂が出ておりますが、2019年型が出荷の遅れを伴っており、いつもの「新型が出る際の兆候」を示しています。まあ、今月のWWDCで発表されるかは、お楽しみとしてとっておいて、過度な期待はしませんが、気になるのはお値段です。

 

私が買ったiMac 5K 2014は、CPUとGPUを最上位に設定したため、税込みで33万円でした。メモリは自分で増設(=BTOではなく、Amazonで別途購入して安く調達)しました。

 

最近、2019年のiMac 5Kを同じ基準で見積もったら、38万円くらいになりました。メモリは別途で、CPUとGPUとSSDの構成です。

 

iMacが40万円近くの時代になったんだなあ‥‥と思いました。‥‥ただ、私が最初に買ったPowerMac8600/250とモニタとスキャナのセットは60万円でした(1997〜98年頃)から、驚くと言うよりは「時代が昔に戻り始めた」と感じました。

 

 

 

で、新型のiMacですが、私自身の関心ごとは、

 

  • CPUとGPUをMaxにすると、税込み40万円を超えるのではないか?
  • メモリをユーザが交換できなくなり、BTOの割高メモリとなり、総額50万円を超えるのではないか?

 

‥‥です。ありていにいえば、お金のこと、です。

 

ベゼルレスになるとか、ハッキリ言ってどうでもいいです。見た目のインパクトなんて1ヶ月もしないうちに慣れるんで。

 

ベセルレスによって5Kから6Kへの解像度拡大に繋がるのなら大歓迎ですけどネ。

 

 

 

これから、5年間を現役・最前線で「在宅映像制作」で使おうと思うのなら、

 

  • CPUはi9
  • GPUのメモリは最低でも8GB以上(12GBくらいは普通に欲しい)
  • メモリは最低でも64GB
  • SSDは1TB
  • 5K以上の解像度
  • Display P3などの広色域

 

‥‥のスペックが必要です。

 

話題のARM Macは、まずはMacBookで地ならししてもらって、次の買い替え時の2025年くらいがターゲットでしょうネ。今は手堅いCore i シリーズで十分かと思います。

 

1.5〜2Kでアニメを作るのなら上記の条件はオーバースペックですが、3〜4Kで各種アニメ技術を作画してコンポジットするなら、iMacと言えど、上記の性能は必須中の必須です。

 

作業場のiMac Pro(メモリ64GB、ビデオメモリ12GB)と、自宅のiMac 5Kは、特にムービーのコンポジットをした際に、大きな性能差が出ます。

 

現在、自宅のiMacはメモリ32GB でビデオメモリ4GB(ビデオメモリの容量でおおまかに世代がわかりますよネ)ですが、4Kをぶん回すパワーがありません。3Kでも動画でエフェクティブになるとキビしいです。

 

カットアウト作画は、マシンの性能をとことん要求しますので(レンダリング中の「メッシュ」関連の大量処理を見ればわかります)、生半可なマシンを買っても2年もたないどころか最初から性能不足になります。

 

CPUやGPUはAppleストアのBTOに任せても良い‥‥ですが、ストアのオプションのメモリは、ちまたの通販の倍(か、倍以上)の値段設定なので、正直厳しいです。

 

16GBメモリモジュール4枚挿しを、ユーザに任せるのではなく、BTO扱いになったら‥‥、一体いくら請求されるのやら。

 

 

 

Mac miniなら、「ユーザの開腹お断り」でも、構わず開いて、メモリモジュールを交換しちゃいます。慎重にやれば済むことですから。

 

しかし、iMacはきついすよ。去年、FusionドライブのHDDが壊れたので、一大決心で「モニタパネルを剥がして」(=文字通り、剥がすのです。…外すのではなく。)、SSDへと交換しましたが、できればもう2度とやりたくないです。バイクのクランクケースを開くのと同じくらい面倒です。ガスケットの再利用は効かんしネ。

 

*iMacの腹から出てきたSeagate。‥‥‥‥また、お前か。

*壊れるHDDといえば、シーゲートのバラクーダ。‥‥いや、Apple製品搭載のはバラクーダとは書いてないか。どんなに安くて大容量でも、バラクーダには手を出してはならぬ。バラクーダ=オニカマスはWikiによると、「人間が食べることは出来ない」んだそうで、いや‥‥ホントにそうだね。

*数えきれないほど、故障してきたSeagate製のHDDはもう2度と使わないと決心しても、製品内部に組み込まれているんじゃあ、避けようもないですネ。‥‥なので、フュージョンドライブは使わず、潔く、1TB以上のSSDにしましょう。

 

 

 

まあ、新型iMacがCPUとGPUのBTO込みで40万円になるのは、まだ良いのです。性能が上がっていますし、未来の映像制作に必要ともなれば、経費です。

 

しかし、割高‥‥というか、倍高のAppleストアBTOのメモリは、できれば勘弁願いたいです。本来なら節約できる数万円の経費を、何ヶ月もローン期間を増やして組み込むのはやるせないです。

 

でも、最近のApple製品の傾向として、メモリをユーザに交換させる方法は廃止しているんですよネ。iMac Proが「Pro」なのに、メモリモジュールを交換できない仕様なのは、この先の数年におけるアップグレード改修=寿命延長に大きな影を落としています。「メモリを増設するだけで、いくら取られるんだよ?」と。

 

テキトーに高い機材を買って持ち腐れするのは、素人さんの所業。機材の対費用効果を追求し、とことん使いこなすのは、プロの面目そのものです。

 

*とことん使いこなす‥‥と言えば、ファントムは私が生まれる10年以上前に初飛行したベストセラー戦闘機です。アニメ業界にも「ファントムライダー」は多く在籍します。その猛者たちが、新型戦闘機にアップグレードする日を待っているのですが‥‥。

*いかにも機動性の悪いF-104J(空自のマルヨン)で、米軍のF-15を模擬空中戦で撃墜判定したとの伝説も。‥‥ですから、「普通、そんな戦い方(使い方)はしない」と言われようが、同じ日本人として、「After Effectsをまさかそんな使い方をするとは」と、アニメ作画にも使いこなす「機動性」を体現することを我ながら快感としております。設計の想定内でセオリー通りに使ってたらつまんないじゃん。

 

 

 

WWDCでそもそもiMacが発表されれば‥‥の話に、色々腐心するのも滑稽なので、「出たら、その時、考える」ことにしましょう。

 

でもまあ、どうであっても、私のiMac 5Kは買い替えの時期です。

 

現用の期間は5年、できれば6年。‥‥その期間の使用に耐えうるiMacの登場を待っています。

 

 

 

もしiMac総額50万円だと、5年で50万、1年で10万、1ヶ月でほぼ1万。iMacだけで月1万円のコストがかかると言うことです。

 

やっぱり、アニメ業界のハイコスト・ローリターンでは、未来の映像制作は成り立たないですネ。

 

 



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