修正する

ここのところ、何回かに渡ってイジくりまわしている「トラディショナルスタイル」の絵ですが、元絵がぬぼーと漠然と描いたコレなので、上からかぶせて描いて「トラディショナルスタイル」のキャラに変えた後も、どうも目が大きい傾向を引きずっているような気がしておりました。

 

 

 

 

‥‥なので、「よく見ないとわからないレベル」ですが、目を若干小さくしました。

 

 

この顔立ちなら、このくらいの目の大きさでも十分なように思います。

 

リアル風(あくまで「風」)の顔立ちは、全体のバランスで可愛さとか綺麗さを醸し出すので、目の大きさに頼らなくても良い‥‥というか、目を大きくしたままだとバランス取りが難しくなる傾向があります。実はその辺が一番描いてて難しく、1作品に関わる作画延べ人数の極めて多い現在のアニメ制作事情と「水が合わない」点です。

 

パーツで顔を似せるのではなく、バランスで顔を似せるのが「面倒」なのは、アニメーターなら誰でも知っています‥‥よネ。

 

‥‥で、こうした顔立ちの修正は、After Effectsなどのコンピュータ上の操作でも可能なわけですが、そのあたりの技術はこのブログでは意識的に避けてきた話題でもあります。

 

アニメ業界の現場は、本来のフローの約束事(=責任の所在)を徐々に崩して安易な方向に流れ続けて現在の状況があり、ちょっとした動画の崩れ(1日で動仕を海外で処理すれば、崩れるのは当然ですが)を仕上げさんで直すようなことも、テレビシリーズでは常態化しています。もちろん、仕上げさんが動画の崩れを修正するのは「戻す時間がなさ過ぎる悪化したスケジュール」ゆえで、本来ならば管轄外のそんな修正作業まで引き受けたくないのが本意でしょう。

 

線や塗りの微調整ならまだしも、顔立ちの修正に及ぶと、それはまさに「顔立ちに責任を負う」ことを意味します。つまり、作画監督の守備範囲に及ぶということです。

(とはいえ、既に、フルショット、ロングショットの酷い崩れの顔は、作画に戻せずに直す事例は多いですけどね‥‥)

 

安易に最終段のセクションで顔立ちまで本格的に修正し始めたら、それこそ「システム崩壊」に繋がります。責任の所在なきアニメ制作といっても過言ではないでしょう。

 

なので「その技術に関する話題を避けてきた」わけで、技術の具体的なことは今後も書くつもりはありません。

 

ただ、作画にコンピュータが浸透して、日本画のような繊細な顔のバランス取りが必要な絵柄に関しては、どの段階で「キャラの顔立ちの責任職が介在するか」は、今までのシステムとは大きく異なってくるでしょう。いままでの「線画だけで先が見通せる」ような絵柄の性質とは大きくかけ離れるので、作画の監督職も、今までと同じやりかたでは通用しなくなってきます。‥‥今までと違う、アニメの絵柄を目指すならば‥‥です。

 

今までのフローでは立ち往かなくなることも多い、可能性が大きく広がる、未来のアニメーション技術と制作。

 

絵柄の開発と同等以上に、ワークフローなど制作システムの新開発も重要になってきます。

 

こなすべき問題は山積み‥‥ですネ。

 

 


4Kの線質

4Kテレビも随分と手頃な価格に落ち着いてきた2017年。HDMIを経由して、4Kムービーの映写も可能になり、4Kを自主的にテストするための機材的な敷居が徐々に低くなっています。

 

以前のブログで書いた際に用いた「トラディショナルスタイル」の絵柄は、手描きで動画を描くのではなく、コンピュータで動画を動かす(=解りにくい表現ですが)技術前提のデザインで、極端に今のアニメ絵から逸脱した内容でした。絵柄の源流は、アニメというよりは日本画に近く、制作工程こそトレス・ペイントではありますが、「執念の線画作業」が必要になる非常にユニークなスタイルです。

 

実は、描いた私も、「トラディショナルスタイル」は技術的に(描くのが大変で)キツいので、もう少しライトな表現で4Kを活かせる路線を模索中です。動かすことに関して言えば、もちろん「動かすことを前提にデザインされた」絵柄なので可能ですが(=描いている時点からリグの計画をする)、「動かす元の絵を描くこと自体」が、「似せにくい」「線が繊細で神経がすり減る」「モーション時のアンチエイリアスのボケを抑制するために5〜6Kの解像度が必要(=そのかわり、8Kにも対応できそうな予感ですが‥‥)」と大変なことだらけです。

 

i7の4コア6コアの4GHzで動作し、32GBのメモリを積み、SSDの記憶装置を持つマシンですら、ヘナチョコな体感速度となり、「重さ爆発」な制作作業となります。まあ、2000年前後のプアな環境で劇場を作っていた頃を思い出せば、耐えられないことではないですが、動作が重くて「大変」なのは正直なところです。

*‥‥でも、6KでもiPad Proでの作業時は全然重さを感じないんですよネ。コンピュータの処理速度・体感速度って、単にハードのスペックでは語れない部分が多いですよネ。

 

でもまあ、いろいろな可能性を探るのが、「こういう時期=状況の移行期」のポイントです。技術でお金を稼いで飯を喰っていきたいのなら、誰でも選択するであろう安易な妥協をせずに、未開拓分野の経験値とノウハウをむしろ積極的にどんどん蓄積していく必要があります。実現困難で未知なものごとは誰でも避けたがるので、逆に返して言えば「皆が無理せず落ち着ける場所は、皆が殺到し、レッドオーシャン状態に陥る」のです。

 

最初に苦労してブルーオーシャンで商売するか、最初は楽に受け流して後で煉獄の苦しみを味わうレッドオーシャンで商売するか‥‥は、自分の意思と行動で決めれば良いことです。

 

 

生産効率の高い絵柄の探求はこれからの模索の「お楽しみ」にとっておいて、まずは今年初めに何気なく描いた「トラディショナルスタイル」の絵を、以前のコンポジションに組み込んで、4Kの高詳細な線質のルックを試してみました。

 

最初に、iPad Proが来る前に鉛筆で描いてコンポジットしたフィックス絵です。以前にもここで載せました。寸法は3840ではなく、4096の4Kです。このブログの横幅に表示サイズを合わせていますが、クリックして別ウィンドウで画像を等倍サイズで表示し直せば、お使いの環境が4K〜5Kならば詳細感をリアルに見ていただけます。

 

 

この女の子の舞台セットを流用し、キャラを今年初めにiPad Proで描いたキャラに差し替えて、情景の完成画像として出力して、線質の「具合」を見ます。

 

 

寄りサイズのほうは、照明効果を変化させつつ、軟調フィルタがやや強めです。

 

4Kで繊細に線を仕上げると、線が溶けて太らずに、「本来の軟調効果」が威力が発揮されます。

 

この現象は、実は2Kでも表れます。昔に存在した「アニモ」というアニメーション制作統合環境では階調トレスがベースだったのですが、線自体に濃淡の強弱があるので、軟調効果(フォギーやソフトン、ディフュージョンのシミュレーション)のかかりかたが「上品」でした。二値化したレタス線だと、どんなに細くてもブワッと滲んだ汚いニュアンスになってしまい、移行期に苦労したのを思い出します。

*おそらく、レタス線のにじみが汚い理由は、トレス線の濃度が完全なベタで、画具に例えると「インクが濃いので、滲み出しが多い」のが原因と考えています。水性の画具を使ったことがある人なら想像しやすいと思いますが、もともとインクの量が多いので、水でぼかした際に溶け出す量も多い‥‥というのと似たようなことでしょう。

 

「トラディショナルスタイル」は原画が5〜6Kで線も細く、階調トレスなので、かなり強い軟調効果をかけても絵が溶けにくい特性を持ちます。

 

以下、かなり強めの軟調効果をかけた状態です。空気感のニュアンス表現目的では過多な軟調表現ですが、テスト目的であえて濃い目に処理しています。それでも、線が太らずに細さが維持され、軟調感だけ追加されているのが見てとれます。

 

*湿気の多そうな過多な軟調効果でも、些細な描線の性質の差が、効果を強くかけた際に大きな差となって表れます。

 

レタスの二値化線に対して上のような大量の軟調効果をかけると、トレス線が鈍く肥大してNGになります。二値化トレスにおいて、大量の軟調効果が必要な場合は「ソフトン」系ではなく「フォギー系」の「明るさだけに反応する軟調効果」を適用して難を逃れます。

 

4K対応の階調トレスは、あえて造語を作るのなら、「スフマートダイナミックレンジ」が広い‥‥とでも言いましょうか。

 

難点は、4Kのモニタで観ることが前提の描線なので、2Kにダウンコンバートすると、線が画像補完で鈍って、やや「腰が抜けた線」になることです。

 

でもまあ、この問題は、社会の主流の移行とともに徐々に「状況の方が変化」していくものなので、さほど深刻なことではなく、「時間が解決してくれる」問題です。

 

 

とは言え、4Kが「線の繊細さ」だけを「売りもの」にするのはもったいないことで、真逆の方向性の、荒々しく筆致がほとばしる描線を緻密にディスプレイに映し出す手段としても有効でしょう。

 

iMac 5Kを買った時に、初めて「ドットバイドット」で鉛筆のラフ画のスキャン画像をみたのですが、かなり良い感じのニュアンスでした。‥‥だからねえ、鉛筆も「鉛筆の描線の真骨頂」を活かす作風の作品なら、実はまだ活躍の機会があるようにも思うのですが、‥‥‥みんな二値化しちゃうから、鉛筆の黒鉛のほとばしりなんて、全部消え失せちゃうんですよネ。

 

 

描線1つとっても、4Kのポテンシャルを導き出すには、様々なノウハウが必要になります。

 

ノウハウはネットを掘っても溜まるものではなく、簡単には蓄積されていきません。‥‥が、実際に扱ってみれば、扱った分だけ蓄積されるものでもあります。

 

旧来のアニメ制作技法を、単にコンピュータに移し替えるだけの取り組みは、なんの新しさも広がりもなく、旧来の限界すら継承することになるやも知れません。

 

4Kは2Kではない。60pは30pや24pではない。HDRはSDRではない。‥‥恐ろしく簡単な新旧の違いに目を伏せ、昔のままを踏襲することだけに終始する未来は、なんとも味気なく絶望的なことよ。

 

新しい広いキャンバスには、新しい大きなビジョンを描きたいじゃないですか。

 

 


技術スタイルの探求

アニメのキャラやメカのデザインは、デザインありきというよりは、アニメ制作の制約ありきで発達してきた経緯があります。どんなにグッとくるデザインコンセプトでも、清書できない、ペイントできない、撮影できないデザインでは、描くだけ無駄だからです。

 

では、アニメの制約とは何か?‥‥というと、「何千何万と作画して動かすための生産性の確保」による制限です。何千枚、何万枚と描くために、デザインを簡略化して「キャラ1体あたりに要する作画時間」を低く抑えることが、アニメ制作の「命題」でありつづけました。

 

また、大人数で共同作業して、同時進行させることにより、完成までに要する時間を短縮してきました。ゆえに、大人数で作画しても絵が崩れにくい=絵を似せやすい工夫を、キャラクターデザインに施しています。

 

いわゆる「アニメ絵」の特徴は、こうした制作上の都合や制限に起因するもので、何の理由もなしに、ただ単に趣向だけでアニメのデザインが成立したのではないことは、作業現場のインサイダーなら承知していることでしょう。

 

昔から今に続くアニメ制作は、上述の通り、「何千何万という作画枚数」「大人数による分散同時進行の作業」、そして「フィルム撮影台の物理的メカニズムによる制限(撮影台が消滅した現在は、フィルム時代の作業慣習の踏襲‥‥というべきですが)」の3つの制約の中で、様々な進化を遂げてきたわけです。

 

もし、その制約、制限が希薄となり、新たな映像フォーマットの上で、アニメを作っていかなければならない‥‥とするならば、アニメの絵のスタイルに、どのような変化が作用していくのでしょうか。

 

言い方を変えると‥‥

 

4K8K時代には、どのようなアニメのスタイルが映えるのか?

 

‥‥ということです。

 

そんな「未来の命題」を、私はしばしば思索します。旧来から続くアニメの絵柄に対して、明らかに4Kは「オーバースペック」です。多くの現場スタッフが「アニメに4Kはいらない」と感じる所以は、まさにそこだと思います。

 

アニメ絵は、4Kを持て余す‥‥のです。

 

iPad ProとApple Pencilは、思いついたらすぐ描いてAfter Effectsまで円滑にフローできますから、そうした「未来の命題」にふとペンをとって、絵を描きながら思索できます。

 

 

ぬぼーっと、テキトーな下絵を描いてみます。作画スタッフなら、どこの誰でも描けそうな、ありふれたアニメ絵のデザインです。

 

こういう絵柄が、4Kに映えるのか。‥‥多分、1.5Kのままでも2Kのままでも、全く変わらないポテンシャルです。大まかに清書してみればわかります。

 

*このくらいの線の量なら、まだ「良心的」ですよネ。

 

昔から現在までのアニメのキャラは、冒頭に書いたように制作作業上の都合で、パーツの「単純化」「記号化」によって成立しています。

 

一方、4KはHD以上の高詳細、かつ60pやHDRもポテンシャルとして秘めています。つまり、単純化と記号化によって生産性を維持しているアニメは、4Kや8Kなどのすぐ先の未来の高品質映像フォーマットと真逆の特性を有しているわけです。

 

記号化によって少ない情報量でも特徴を伝えられるアニメと、膨大な情報量で品質を誇示する次期映像フォーマットの、背反する特性。

 

上図の単純化されたアニメ絵の、どの部分がどのようにして、4Kに映えるのか、まったく想像できませんよネ。「線がちょっと、繊細になりました」程度で、4Kアニメをドドンとアピールできるか?‥‥と考えれば、「NO」です。「描線のマニア」でもない限り、絵柄から感じることは難しいでしょう。

 

そんなのは現場のスタッフなら指摘されずとも判っているからこそ、皆、「4Kはアニメに要らんだろ」と思うわけです。日頃から4KだHDRだとやかましい私だって、上図の絵柄なら、4Kで作ろうなんて全く思いません。むしろ、今の2K解像度で作り続けて、アップコン技術を開拓すべきと思います。

 

もし、4K以上の高品質映像フォーマットで、今の絵柄を維持しつつ、何か「売り要素」を内包させたいと思うのなら、旧来からのアニメの絵柄が4K以上で映える追加要素を盛り込む必要があるでしょう。

 

単純化、記号化を踏襲しつつ、絵の情報量を4K時代に合わせる。‥‥まあ、順当に考えて、作画上の細部の表現をアップして、仕上げや撮影の処理を激化させる‥‥という路線が思いつきます。

 

上掲の女の子の絵をもとに、処理を足してみました。

 

*色トレス線が交差しまくって、わけわかんなくなってきたので、途中でやめました。なので、顔だけです。

 

こんなのは苦笑いのジョークにとどめておきたいですが、実は既に、こういう絵を量産して自滅寸前の状況もあったりするのが、アニメ業界だったりします。

 

作業の労力は格段に増え、4Kではファイルサイズも大きくなるので、冗談抜きでかなり深刻な状態を引き寄せます。こうした絵を1万枚近くテレビシリーズで作り続けて、さて、制作費はどれだけ増えるのか? ‥‥と予測すると、おそらく、たいした増額は見込めないでしょう。

 

お金をもらう側でなく、お金を出す側の身になって考えれば、わかることです。絵に処理を細かく入れたところで、今までのアニメの延長線上で既視感たっぷりのマンネリ化した絵柄に、どれだけお金を出す気になれるのか。‥‥今までのアニメと同じ絵柄ならば、今までと同じお金で作って欲しい‥‥と思うんじゃないですかネ。日頃、お買い物をする我が身を思い出せば、品物を作っている側の労力なんて、価格の前には帳消しにしているでしょ?

 

昔からの絵柄を、4K時代に対応させるために、こんなにも処理を増強して大変になった‥‥のを、お金を出す人々にどうやってアピールするのか。

 

‥‥それはもう、単純に、最終的な品質の良さ、作品の面白さ‥‥ですよネ。

 

どんなに髪の毛の塗り分けやブレンドを増やしても、線を倍以上に増やしても、最終的な品質が粗雑だったら「何が大変かも理解してもらえない」と思います。

 

アニメは趣向品であって、野菜や肉のような生命を維持するために必要なものとは、決定的に違うと思います。実際、世界中にはアニメを1秒も見なくても、生きている人はそれこそ膨大にいるでしょう。

 

「生活必需品」である趣向品を選択する際の基準は何か‥‥と考えると、品質と、その品質を保証するブランドです。

 

個人消費に限らず、受発注という仕事の視点においても、高い品質を具現化できる制作グループならば、4Kの時代に移行しても、有利に展開できる可能性をもちますが、一方で、どんなにお金を用意しても結局は安い作りしか具現化できない制作グループは、信用を失い、安く買い叩かれ、徐々に追い詰められていきます。

 

買い叩かれたい人間なんて、どこにもいないはず‥‥ですよネ。これからの課題は山積みで、「品質を保証するブランド」をどのようなコンセプトと実践方法で形作っていくか‥‥が、各制作グループに問われていくことになるのでしょう。

 

つまりは、「ブランドとしての技術スタイル」です。

 

さて、その技術ブランドはどのようにして、今後、内外にアピールしていけばよいでしょうか。

 

今までのアニメの絵柄とその技術体系、そして制作システムには不可侵で、増強だけで生き延びていくのか。

 

または、今までの路線はラインの1つとして存続させながらも、全く新しいアニメ制作のコンセプトに基づく新しいラインを開拓していくのか。

 

私なら、迷うことなく、後者です。何度も書いてきたことですし、冒頭にも書きましたが、今のアニメの技術体系やシステムが、次の主たる映像フォーマットについていけなくなることが明白だからです。

 

「古き良きアニメスタイル」は存続させながらも、新しい映像フォーマットには新しいアニメの作り方が必要になります。それは技術的にもお金的にも。

 

何千何万と描く作業が頭から離れないのだとすれば、キャラはどうしても極度な単純化が必要でしょう。しかし、動きや絵柄の中枢をアニメーターが掌握するとしても、実際に絵を動かすのはコンピュータならば、絵柄の制限は大幅に解除されます。

 

上掲の女の子を絵をもとに、私が「トラディショナルスタイル」と呼んでいる、日本画にもどことなく通ずるスタイルで描いたのが以下です。今のアニメ絵が流行る前の、日本の木版画や肉筆画の美人画の美意識に基づいたスタイルとして、数年前から描き始めた技法です。このブログで前にも、同じスタイルで描いた絵を紹介しましたが、今回も同じ技法で描いてみました。

 

*iPad&Apple Pencilとprocreateで線画、ペイント以降をAfter Effects‥‥という私の定番のスタイルです。ちなみに拡大表示すると、服の胸のあたりにトーンジャンプが出ておりますが、JPEG中程度以下の画質で無理やり500KB以下に抑えているので、どうぞご容赦ください。

 

このBlogの制限上、画像ファイルを500KB以下に抑えているのでかなりの高圧縮ですが、詳細感は伝わると思います。画像は縦3840pxあるので、別ウィンドウで開いて拡大表示すれば、詳細感がさらに見ていただけます。

 

こういう絵を見ると「リアル」とかいう人もいますが、実は全然リアルじゃないんですヨ。日本画がそうであるように、完全に制作者の「意識化」の産物です。‥‥目が小さくなっただけで「リアル」とかいう思考、いいかげん、やめなさい。

 

このような絵柄でも、パーツの単純化はしていますし、記号化もしています。要は、今までのアニメスタイルとは違う‥‥というだけです。顔のバランスだって、漫画やアニメと同じように、「非現実」のバランスです。

 

ただ、誰でも描ける極端な記号化を施していないので、あくまで「少人数の制作スタイル」を想定した絵柄です。実際、こういう絵柄は容易には似せにくいのです。

 

詳細度は格段に高く、4K以上で初めて威力を発揮する絵柄です。そして、髪の毛の描写ひとつとっても、今までのアニメの作り方では120%無理な内容です。拡大画像を以下に。

 

 

もちろん、なんでもかんでもこういう絵柄にしようと考えているのではなく、あくまで「詳細感を積極的に活用した絵柄」のほんの一例です。もっと旧来のアニメ絵寄りの絵でも、4Kの詳細度を活かせる絵柄は作れると思いますヨ。今までのアニメの制作技術ではなく、制約が格段に少なくなった新しい制作技術を足場にすれば、絵柄のスタイルなど山ほど作り出せます。

 

メイクを施しても、何千何万の枚数で動かすのではないので、仕上げや撮影に極度なしわ寄せがいくこともありません。‥‥というか、「撮影」セクションは、こういう絵柄を動かす技術体系では存在せず、別の作業領域へと分割されます。

 

*このような「メイク」を施したデザインは、メイクに詳しい女性スタッフ(別に男性でもいいけど少ないよネ)の力を借りないと、今後行き詰まるだろうな‥‥とは思います。私の知識じゃ間に合いません。‥‥まあ、自分なりに資料を見て、研究はしますが、実地での経験はないもんなあ‥‥。

 

こうした、新しいアニメーション技術に基づく新しい絵柄のキャラは、まだ「マネキン」の状態ですが、言葉を喋り、感情の起伏を身振りで表現し始めた時、どのようなニュアンスが劇中に生まれるのか、未来のお楽しみ‥‥といったところです。上図の「トラディショナルスタイル」は、実は描いた本人の私も「かなり難しい」と考えており、もう少しライトなデザイン(描きやすく似せやすい)で4K生粋の短尺を作れたら良いと考えています。旧来のキャラの絵柄と極端にかけ離れた作風なので、描いてみた次第です。

 

技術革新は、新しい技術スタイルを生み出し、新しい絵柄も生み出します。そして新しい「商売」の足場にもなりましょう。

 

私は技術畑の人間なので、「商売なんて売り方次第」だなんて思いません。商売の基礎は、技術に根ざしていると確信します。各作業セクションの高い技術力を結集して丁寧に作ることが何よりも基本であることは、去年に200億を叩き出した作品が雄弁に物語ってくれたでしょう?

 

 

 

アニメはこれでいんだ。こうあるべきだ。‥‥みたいなことを言って、今の作り方を結局は変えようと思わない人がいても、それはそれで良いでしょう。

 

でも、私は、絵柄も制作技術もフローもシステムも、そしてお金も、色々な可能性を武器にして、様々な広がりを得ていきたいと思います。

 

 

 

ちなみに、この他にも色々とiPadでバリエーションを描いてみましたが、フィニッシュまではしておりません。極端な2例があれば十分だと思いまして。

 

iPadで絵を描くのは、「軽くて薄くて、環境一式をどこにも持っていける」「どんなに描いても紙がかさばらない」のが、「やっぱりとても便利」です。デジタルデータ基盤の映像産業の現代において、紙を使わなくて済むことがどれだけ快適なことか、毎日しみじみ実感しております。

 


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