第7世代の無印iPad

iPadの新しくて安いヤツが出ましたね。32GBで34800円(+消費税)、128GBで44800円(+消費税)で、Apple Pencilの1型(初期型)が使えます。10インチで小さめですが、絵をちょいちょい気軽に描けるので、持っていない人は買ってみるのも良いかもです。最初からプロ仕事目的なら、12.9インチは必須かなとは思いますが、日頃気負いなく軽いキモチで描くのなら、新しいiPadは値段も安めで良いですネ。

 

 

気軽に毎日iPadで絵を描いていれば、妙な気構えがなくなり、絵を描く所作が自分の生活の流れに溶け込みます。「習うより慣れろ」とは、気負いや前置き無しに、「拡張した自分の体」として道具を使う感覚を身につけよ‥‥という事でもあるのでしょうネ。

 

最近、キーボード‥‥といっても「鍵盤」の方ですが、また触る機会が増えたので、指が多少ほぐれてきました。ほとんど弾かないでいると、手はまるで「掘りたての大和芋」のように固まって、まともに弾けるようになるまでリハビリが必要ですが、弾いてさえいれば自然と指は分離して動くようになるのを今さらながら再認識しました。

 

 

 

子供の頃からピアノを弾いていた人は、三つ子の魂‥‥ではないですが、白鍵黒鍵のインターバル・間隔が体に染み込んでいるのか(まるで階段の昇り降りの歩幅のように)、久々に弾いてもミスタッチがそもそも出ないんだな‥‥と感心します。私は覚え始めの時期が遅いので体に鍵盤の距離感が染み付いているわけではないですが、それでも全く弾かないより多少でも弾くようになれば、毎日練習していた頃の感覚が蘇ります。

 

 

 

やれば、やるなりに体に馴染む。やらなければ、馴染まない。‥‥わかりやすいですよね。

 

特に、リアルタイムの操作系は、身体〜手や指を動かせば、自然と自分の体の「一連の動作」になります。iPadも毎日使えば、iPadで絵を描くことに「妙にかしこまった感じ」が消えて、体にどんどん馴染んできます。

 

やっぱり、道具との距離は「日々できるだけ近く」しておくのが良いです。できることができるようになるためにも。

 

できないことをできるようにするには、自分の中でのなんらかのブレークスルーが必要でしょうが、できることまでできなくなるのは、単に道具との距離が開いて疎遠になるから‥‥というのも多分にあるでしょう。

 

 

 

今回のiPadは、iPadを所有していない層が買うのに、色々と魅力的な要素が多いです。

 

  • iPad Proより大幅に安い
  • 10.2インチの持ち運びサイズ
  • Apple Pencilが使える
  • Touch ID(個人的にはiPadではFace IDよりTouch IDが適していると思ってます)
  • スマートキーボード対応
  • 264ppiと500nits

 

 

 

アマゾンの「Fire HD」の10インチでは絵を描いたりPDFにメモ書きを手書きで書き込むことは実質できません。Garagebandのように気軽に音楽を演奏するのも難しいです。Fire HDは「受け身」のタブレットであり、何かを作り出すきっかけにはなりません。ゆえにFireの用途はビュワーに適しています。

 

iPadとiPad Proの差は、通常の用途や落書き用途では、ほとんど差が無いとも言えます。

 

写真を4Kで撮りたい!‥‥という人が、iPadユーザでどれだけいるか。おそらく、4Kの綺麗な写真を撮るならiPhoneのほうでしょうから、iPadのカメラは2Kで良いと思います。本当に「いざ」という時しか私はiPadで写真を撮ることがないです。‥‥だって、そもそもデカくて撮りにくいもんネ。

 

Face IDは、実はiPadでは正直「野暮」ったくて困っています。iPhoneならともかく、iPadの真ん前に顔をいちいち持っていかないとIDを認識しないのは、使ってて面倒です。作業の流れで、机に置いてあるiPad Proに指だけで触れて、あらかじめIDを認識させてロックを解除する‥‥というのが、Face IDだとデキんのですヨ。Procreateからホーム画面に戻る際のスワイプ動作で、いちいち誤動作するし、iPad用途ならTouch IDの方が良いです。iPhoneは本体を持って使うけど、iPadは机に置いて使うので、同じような使い勝手は通用しないことが経験上わかりました。

 

*iPadとApple Pencilがあれば、状況説明図をチャチャッと描いて、すぐにWebにアップすることも可能です。コンピュータネットワーク全盛のご時世、紙で描くのとは、フットワークに歴然と差が出ます。

 

 

Apple Pencilも絶対に2型でないとダメというわけではなく、むしろ充電の方法や場所が選択できて初期型でも使い勝手は良いです。実は私、2型の「ペン軸にタップしてメニューを出す」機能はほとんど使っていません。

 

つまり、10.2インチの大きさで済む用途なら、最新のiPad Proと比較して「実質上の遜色」は感じません。iPad Proの最新型は、単体のスペックをとことんゴージャスにした内容で、基本機能云々というよりは「付加価値」が高いモデルです。

 

iPhoneの最近のモデルを使っている人は、iPad Proの機能と被っており、iPhoneで済ませることも多い‥‥と思います。

 

 

 

iPadの新型は、「できることを想像」して、ついつい欲しくなります。実際、Apple Pencilを使えるiPadを手にしてから、格段にできることが増えましたし、自分の仕事も大きく発展しました。iPad ProとApple Pencilがなければ、4KHDRのプロジェクトへの道のりも実現しなかったと思いますし。

 

私は春にiPad mini 5を買ったので今回は我慢しますが、iPad未体験の人は是非。

 

まずは毎日、道具を使うことです。たまにしか使わなければ、そりゃあ‥‥道具との距離も遠のきますよネ。

 

 

 

ちなみに、32GBと128GBのどちらが良いかと言えば、128GBがベター‥‥くらいな感じです。32GBの容量を、自分の描いた絵で使い尽くすには相当な枚数が必要ですが、映像なども入れておくのなら、128GBの余裕は魅力です。

 

絵を描く人間、映像を作る人間で、プロとして仕事をする立場なら、いつでもプレゼンできるようにiPadに「自分の過去仕事」を満載して使うのも良いです。

 

絵を描く手段を拡張するだけでなく、自分の可能性や、自分の仕事の幅も、iPadで拡張しましょう。せっかく、今の時代に生きてるんだから。

 

 


らくがき

正直なところ、仕事が切羽詰まってくると、落書きの1枚も描けなくなります。消耗回復に時間が割かれて、手軽なiPad Proでも中々描く気になれないことが多いです。

 

しかし。

 

Apple Pencilだろうが、手にペンを持てば手が勝手に動いて描いてくれます。

 

要は、画具と相対すれば、絵描きの人間は性分ゆえに、絵を本能で描きはじめる‥‥ということですわな。

 

面倒なキモチになって、画具と相対しないから、結果として描かないわけで、ひとたび向かい合えば、ほんの隙間の時間でも絵は描くもんです。

 

最近、電子書籍で読んで懐かしんだ、キューティーハニーのシスタージルさんを描いてみました。1973年のバージョン、コミック版です。

 

*小学生の頃から「ジル」と「ゾラ」を間違え続けております。再アップしたついでに、ちょっとアゴの辺を描き直して、4800pxで出力し直しました。ベクターは解像度がフリーなのが良いすネ。

 

 

毎度おなじみ、コンセプト.appです。ベクタートレス線が、なんとも描き心地が良くて、最近の落書きやメモは全部コンセプト.appです。‥‥キャラ似せのほうは、もっと何度も描いて「原作の感じ」を掴みたいですが、落書きなのでこの程度で。

 

小学生の頃に読んだ永井豪さんのコミックですが、こうして振り返ってマネて描いてみると、今では中々できない大胆なデザインで、脳も手もリフレッシュするような気分です。理屈にがんじがらめな最近のアニメのキャラにはない、パッションで突き進むデザインが刺激的です。ツノ(のようなマスク)はどうやって付いているのかとか、野暮なことばかり、最近は考えるしね。

 

永井豪さんの旧作をもしアニメ化するのなら、絶対に1970年代のテイストが良いです。忖度にまみれにまみれて、変にアレンジするんじゃなくて。

 

しかしまあ、肩を丸っと露出するコスチュームは、今思えば、なんともエロかっこいいデザインですネ。子供の頃はなんも考えずにコミックを読んでしましたが。

 

ジルさんはいいなあ。邪悪で。

 

上のジル姐さんを下に敷いて、自分なりのジル姐さんを描いたのが、以下。‥‥変にアレンジするんじゃなくて‥‥とか言ってるそばから、この始末。‥‥でもまあ、好きなキャラは自分なりに描いてみたいものでもありますよネ。

 

*前の絵を透かしながらコンセプト.appのまま描いて、Pixelmatorで色彩等を加工しました。なので、顔のバランス(目鼻の距離や鼻や顔の比率)は、実は前の絵のままです。‥‥描きようによっていくらでも変わるのが、絵の面白いところですネ。

*ティーンの年齢ばかり、子供っぽい顔つきのキャラばかり描くのが、ここ20年くらいの傾向ですが、大人の男女も描くと楽しいものですよ。メーテルとか白木葉子とか大人びたキャラが人気だった昔が懐かしいです。

 

 

iPad ProのAppさえ立ち上げれば、落書きなんて本能でするものです。子供の頃から絵を描いていたのなら、なおさら、手グセで。

 

なので、ペンタブが〜とか、ソフトが〜とか、使う前に耳年増になるのではなく、iPad Proで「自分の本能を目覚めさせる」のも良いかも、ですヨ。

 


描いて描いて。

どんなにシステムや画材が変わっても、絵描きにとって最後に頼りになるのは「画力」です。愛用していた画材が廃れるのは悲しい事ですが、画材と心中する必要はないのです。

 

であれば、画材が変わっても、自分の画力のポテンシャルが活きるように、「能力発揮の柔軟性」を日頃から心がければ良いです。

 

タイムシートもそうで、タイムシートの書式じゃないとタイミングが解らない人は、そもそもタイミングのセンスなど持ち合わせているわけではなく、単に「記述の習慣」で「タイミングらしきもの」を数字と点で書き込んでいるに過ぎません。本当にタイミングのセンスがあるのなら、タイムラインでも同じ動きのタイミングを制御可能です。

 

2020年代は、技術の変化に柔軟に対応できる人が選ばれていく年代です。一方で、習慣でアニメの作業を「やっつけていた」人が消えていく年代とも言えます。

 

24fpsだろうが、60fpsだろうが、120fpsだろうが、2Kだろうが、4Kだろうが、8Kだろうが、sRGBやRec.709だろうが、HLGだろうが、Dolby Visionだろうが、1000nitsだろうが、2000nitsだろうが、機材とフォーマットに合わせて如何様にでも柔軟に対応して、頭の中のイメージを具現化できる人が求められます。

 

 

 

紙からiPad Pro 12.9インチへの移行など、「一番楽」な移行ですヨ。だって、描きやすさは断トツですもん。液タブは、どうしても描画処理のレイテンシーが気になりがちですし、ペン先と描画面の距離も遠く感じるので(iPad Proに比べれば)、慣れやコツが必要です。iPad Proはかなりダイレクトな感触ですから、iPad Proで色んな場面で気軽に使ってみるのが良いです。

 

デスクトップPCと液タブは打ち合わせには持参できないですが、iPad Proならバッグにさくっと入りますので、メモ帳や落書き帳代わり、絵コンテをPDFにして直に書き込むなど、日頃使いでどんどん馴染めます。

 

まず、iPad Proで「自分の柔軟性」を鍛えて、いろんな絵の仕事で稼げる人間へと変わっていきましょう。

 

*第3世代は、持ち運び時に折らないように(剛性が弱く、曲がることがあるらしいので)、気をつけましょう。‥‥私はケースに入れて、剛性を補助しています。

 

 

 

描いて描いて描いて、それでも、描いて描いて描いて、描きまくる。

 

紙でもiPadでも液タブでも、7インチでも10インチでも13インチでも24インチでも。

 

それはあくまで、「自分のため」です。

 

決して、制作会社の先輩の命令ではなく。

 

自分の未来のためです。

 

 

 

線画だけでなく、色も塗りましょう。人物画だけでなく、動物もメカも日用雑貨も、風景も、色々描きましょう。

 

それもあくまで自分のためです。

 

アニメ業界のためではなく、自分の生涯の「画業」のために。

 

技量が備わったら、制作会社を相手にして商売すれば良いのです。

 

制作会社を崇める必要などナシです。あくまで、商売相手です。

 

自分の技量で成り立つ商売だからこそ、1つの作品を作り上げるときに、技量を持つ者同士が集まって、お互いを尊重しあえるのです。

 

 

 

絵は嘘をつきませんよネ。

 

だとしたら、1つの道具にネチネチ固執しないで、色んな道具と手段で描きまくりましょう。

 

10代の目安は3000〜5000枚です。絵と動きを学ぶのなら、そのくらいは描いて当然。

 

柔軟性は、まずは「描いた量」で養えるのです。

 

 

 

私は正直、若い20〜30代の人が羨ましいです。

 

だって、iPad Proを手にする年齢が、アラウンド30なんだもん。

 

半世紀を生きた私のできることは、私の時間を「実りあるもの」として使うことです。なので、やっぱりiPad Proは手放せないです。

 

 

 

アニメ業界「忠誠」の洗脳にかかる必要はありません。アニメ業界は、いくつもある絵の仕事、映像の仕事の1つのジャンルに過ぎません。アニメ制作会社だって、起業のスタートがアニメ制作だからといって、いつまでもアニメだけしか作っちゃいけないなんて決まりはないのですから、「型ではなく、本質で」商売できるように変わっていくべきでしょう。

 

iPad Proを持ち歩いて、描いて描いて描きまくって、自分の未来を開いていきましょう。

 


色んな絵を描こう

この数週間で、ブログに載せた絵は、全てiPad Pro&Apple Pnecilで描いたもので、故意にバリエーションを増やそうと思ったので、色々な絵が出来上がりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

色々なスタイルを、ProcreateとConceptsだけで描いてみました。どれも共通しているのは、短時間で描いたことです。‥‥本業の合間の、ちょっとした息抜きとして描いたので、時間はかけておりません。

 

もし水彩だったら、少なくとも乾かす時間、画具の洗浄の時間は要したでしょうから、淡彩で気軽に‥‥とはいえ、iPadよりは手間がかかります。

 

そのちょっとした手間ゆえに、仕事の忙しさに追われて、落書きレベルですら色付きで描けなくなることも、往々にしてあるでしょう。

 

 

 

アニメーターはねえ‥‥。

 

状況的にも「線画しか描けないカラダ」に追い込まれていくんですよね。

 

本業が忙し過ぎて、自分の家に水彩やアクリルの画具を揃えても、自分のプライベートな時間には、イラストを制作する気力も残っていないことが多いです。

 

何度もこのブログで書いてますけど、アニメ制作特有の特殊な線画しか描けないのは、自分の仕事を「画業」として捉えると、極めて危険で不利です。

 

自分を「絵描きの人間」と思うのなら、色んな絵を描かにゃあマズいです。

 

でも、アニメの作画用紙では中々難しいし、パソコンの前に座って日頃仕事で使っているクリスタで描くのも萎える‥‥ということもあるでしょう。

 

どんな場所でも、ほんの1時間で、2〜3枚の軽い着色イラストが描けて、それをデータとして自分のクラウドに保存していつでも画像を呼び出せるのならどうでしょう? ‥‥アニメの線画以外の絵も、描いてみようかな‥‥と、思い始める人も多いんじゃないでしょうか。

 

それがiPad ProとApple Pencilです。

 

まず何より、私が「iPad Pro&Apple Pencil導入」の以前と以後の差を痛感しています。

 

 

 

変な話‥‥ですが、近年まで私は、「絵を描かない人」として振舞ってきた経緯があります。なぜって、アニメの原画の仕事は、あまりにも、色んな他の仕事の可能性を駆逐して荒らすので、「コンポジター」として振舞っていた方が都合が良かったのです。私の過去を知る人だけが、私に作画の仕事を入れてくれるくらいでちょうど良いと思っていました。

 

紙をベースにして机で作業すると、机の荒れ方もハンパないです。鉛筆のちょっとしたカス、消しゴムの屑、嵩張る紙の束、印刷した設定書類を広げる場所‥‥と、空間破壊の権化のようでした。紙で作業する環境は、あまりにも旧時代のままで、技術進化から取り残された陸の孤島さながらでした。

 

ぶっちゃけ、紙の運用を考えると、4Kが到来する未来の展望は行き詰まりを感じていました。下図は、2014年に「紙で4Kでカットアウト」を考えていた頃に描いた絵(=なので、紙に鉛筆で描いてスキャンしました〜A4で分割して作画してA2相当で)ですが、相当厳しい運用を覚悟していました。

 

 

しかし、2015年に、iPad ProとApple Pencilが登場したことで、状況は180度ひっくり返りました。

 

2019年になって、iPad Proが登場して4年が経とうとする今、状況は180度どころか、360度、540度‥‥と、何回転もして、4Kやカットアウトにとどまらず、様々な展開の可能性を肌身で実感できるようになりました。

 

 

 

多くの日本のアニメ制作者は、アニメに焦点を定めると、1次元的にしか思考しません。「クリスタかTVPか」なんて話題を延々と続けているのが、論より証拠。

 

日本のアニメ制作は、あくまで戦後のテレビアニメの潮流であって、アニメの作り方の絶対的指針ではないはずなのに、日本のアニメ制作者はまるで強い洗脳にかけられたように、アニメの作り方を1次元でしか考えません。

 

そうした強い洗脳状態から目覚めるためにも、iPadとApple Pencilは有効なのです。

 

iPad ProとApple Pencilで色んな絵を描きましょう。描かないうちから邪推に邪推を重ねて「どうせダメだ認定」するのは、果たして良き創作者のすることでしょうか。

 

絵描きは、自分の描いた絵で、未来を切り開くのです。

 

であるならば、絵を描く手段に対して、もっと柔軟に、もっと合理的に思考しても良いはずです。

 

iPad ProとApple Pencilは、未来を新しい概念で切り拓く人々の、良き友です。

 

 


なので、iPadとApple Pencil。

前回の「自虐ボケ」の続き‥‥みたいではありますが、中間を極端に省いて申せば、iPad ProとApple Pencilを絵描きの人間が手にすれば、自虐から抜け出せる‥‥と言っても、過言ではないです。そのくらい、iPad ProとApple Pencilの道具としての存在意義は絶大です。

 

 

*現行は第3世代ですが、第2世代もオススメです。

*紙のように描けるフィルムは必需品ですのでお忘れなく。‥‥私は安めのフィルム(10枚オトナ買いで、1枚あたり1000円)を使っていますが、それでも十分効果はあります。

 

 

「自分なんて」と言いがちな自虐の根源を、自分なりに分析してみれば、

 

自分の能力の低さ

→自分を認めてもらえない現状

 

自分の存在意義の危うさ

→他者との関係性の希薄さ

 

‥‥のような要素が思い浮かびます。

 

絵を描く人間の場合、描いた絵が「自分の代理」として他者の目に晒され、プロ・アマ問わず、何らかの評価がフィードバックされます。

 

なので、絵が下手だと、自分の存在自体にも自信がもてなくなることは、往々にしてあるでしょう。

 

 

 

絵が上手くなりたい‥‥という欲求は、自分の分身とも言える絵が、ありていにいえば「多くの人に気に入ってもらえるため」「高く評価されるため」の必要な手段・プロセスとも言えるわけです。

 

皆が流行りの萌え絵ばかり「前倣え」で描くのは、今の流行りに合わせておけば関心を惹きつけやすい‥‥ということも、根底には絶対にあります‥‥よね。絵柄なんていくらでもあるのに、皆似たような絵を描いて、「流行というナショナリズム」に傾倒するのは、やはり「流行に乗って他者に認知されたい」願望の表れだと思います。

 

もし他者の目など関係なく自分だけの趣味の世界ならば、他人に公開する必要はなく、自分の部屋に飾っておけば良いのです。でも、そんなんじゃダメだと当人が思う理由は、どんな綺麗事を並べようが、結局は「自分の代理である絵が、他者から認められたい」と思うからでしょう。

 

極端に言えば「愛されたい・愛したい」という欲求が、繋がりに繋がって、最終的に絵に表れるわけです。

 

「芸術に対する汚れなき欲求」とか綺麗事で自分を誤魔化すのは、せいぜい20代の前半で終わらせて、自分の中の「禍々しい承認要求」を肯定しちゃったほうがロスなく画業に取り組めますヨ。

 

 

なのでiPad Pro。

 

なのでApple Pencil。

 

 

絵を描いているうちに表面化してくる、自分の中の「うまくいかない部分」を、iPad ProとApple Pencilで直撃して修正していけば良いです。

 

紙と鉛筆でも同じことができるでしょうが、iPadなら格段に速いペースで、「絵における自己批判と改善」が可能です。

 

また、時系列を超えて、昔に描いた絵を現在に呼び戻し、自分の過去の絵を「もしかしたらこんなアプローチもあったのかも」と考え直すこともできます。

 

前にも出しましたが、今から20年前に描いた絵をスキャンしてデータ化し、iPad ProとApple Pencilで修正したのは以下。‥‥自分ながら直したい部分がいっぱいあって、ほとんど描き直しの状態になりましたが、20年前の絵をひっぱり出さなくても、1週間前に描いた絵を見直しても良いです。

 

 

 

自分の絵を観察し、何が良くて何が悪いかを洗い出し、どのように描くか・修正するかを見極め、実際に描いてみる‥‥という「絵描きのウーダループ」とも言えるサイクルが高速に展開されるので、紙時代に比べて「自分のアップデート」が頻繁に更新されます。iPadのように、ファイルを複製して履歴編集、レイヤーを複製して非破壊編集が可能な媒体ならば、自分の急所を比較検討し、他の描き方を試しに実践することも可能です。

 

アニメーターである以前に、絵描きとして一生を生きる自分‥‥を考えれば、iPadによって自分の自由な時間に好きなように自分の絵を描ける事は、「自分の存在意義」を自分自身で問い直すためにも有効なのです。

 

 

 

iPadが「アニメの紙と鉛筆」と比べて格段に優れている点は、

 

どんな画材にでも化けること

 

‥‥です。

 

アニメの作画用紙は、ふと「色をつけてみよう」と思っても、実際に水を含ませたらフニャフニャのベロベロになってしまいます。紙質の制限ゆえ、着彩するには画材が限られますし(色鉛筆くらいか)、そもそもオリジナルの線画状態が失われます。

 

しかし、iPad ProとApple Pencilで最初から描けば、最初は線画だけでも、いかようにでも可能性を発展させられます。

 

ふと思いついて、ちひろさん風の淡彩っぽい絵も、水彩の用具なしに、どこかのファミレスや待合室ですら描けます。Conceptsのベクターで描いて、ふんわりした画面処理をProcreateで追加する‥‥などの連携技も楽々。

 

*この絵は、ベクタートレス線(パス)で全て描きました。なので、出力しようと思えば、「画像の劣化なし」に7000ピクセルの幅でも出力できます。解像度に縛られない絵の世界も、早いうちに体験しておくのが吉。

 

 

 

まあね‥‥。アニメ業界は、200〜300円で動画を描かせているわりに、「自分の全てを投げ打って描いて描いて描きまくれ」というような業界ですから、いつしか「自分は稼げない人間」のように自己洗脳され、自虐に走りやすい場所だとは思います。‥‥自分にも身に覚えがあるし。

 

だからこそ、「アニメ用具の、作画用紙とタップと鉛筆」を使い続けているだけでは、先輩アニメーターの窮状をトレースするだけなのですヨ。

 

描いて描いて描きまくるのは必要ですが、それはあくまで当人の気概です。

 

アニメ業界に「忠誠を誓う」必要など一切なく、自分の画力で収入を得る様々な可能性を追求すべきでしょう。

 

そして、その「様々な可能性」は、動画用紙、原画用紙、レイアウト用紙からは広がっていきません。iPad Proだからこそできる、フットワークの軽快さ、そして様々に画材としての姿を変える幅広さが、「自分の可能性のきっかけ」を与えてくれます。

 

‥‥だってさ、サイゼリアでも絵が描けちゃうんですヨ。iPad ProとApple Pencil、そしてクリスタやProcreateやConceptsがあれば。

 

iPadを手にした絵描きが、どれだけ自由になれるか、作画机に縛られている自分の姿を思い起こしましょう。

 

 

 

自分の可能性を信じられない人間が、自信をもてなくても、それは至極当然。

 

「自分を信じる」ことが、まさに「自信」なのですから。

 

しかし、自分を信じるには、自分自身の能力がどうにも低い。

 

であれば、自分の能力を高めましょう。

 

先輩から聞いた「昭和平成の根性論」ではなく、今、手にできる道具によって、今の方法で、です。

 

 

 

 


ベクターでお絵描き

Concepts.appは、iPadで動作するベクターベースのドローソフトですが、テクスチャ付きの描線など豊富な機能によって、まるでビットマップで描いたかのようなニュアンスも可能です。

 

下弦の目の、ダヴィンチっぽいキャラを、Conceptsのベクター線だけで落書きしてみました。

 

*あ‥‥。「え」(=江面の頭文字)の署名書き忘れとる。絵にいちいちサインを入れる習慣が無いもんでなあ‥‥。

 

線だけでなく、色も何もかんも、ベクター線〜パスの線です。明暗の強弱も全てベクター線です。

 

昔の「ベクターの線は無機質」というイメージとはかけ離れた、現在のベクター線の世界。

 

iPad ProとApple Pencilがあれば、Procreateでビットマップ(ラスター)線も、Conceptsでベクター線も、自由自在に選択できて使えます。

 

 

 

iPad Proが描きにくいとかどうだの、Apple Pencilは何が使えないだの、文句ばかり言う人もおりましょうが、道具は「いいとこどり」をしてこそです。悪い点を論えば、完璧な道具なんてこの世に存在しないでしょうし。

 

ドローソフトも、インストールして何も調整しないでプリセットを使っていては、自分の思うような道具にはなりません。

 

自分の筆圧や手の速度に合わせてプリセットをカスタムし、同時に、ペンのプリセットに自分の手の動作を合わせて、相互に歩み寄ってこそ、道具は輝きを増します。

 

 

 

Conceptsはしばらく使っていますが、日頃からカジュアルにベクター線に慣れ親しめるので、オススメです。

 

たまにはアニメの作画から離れて、下書きなしでイッパツで、鉛筆線でなくインクペンのような線で描いてみると、絵を描く行為は改めて新鮮に感じられます。

 

アニメの線画だけで自分の絵の世界を封印しておくのはもったいないです。

 

他の画像お化粧ソフトで処理すれば、ちゃちゃっとこんな感じにも仕上げられます。

 

 

もとは、iPad ProとApple Pencil、Conceptsだけで描いた絵も、紙のテクスチャや滲みの効果を追加すれば、なんだかデッサン気分。

 

せっかく、絵を描ける能力を身につけたのなら、今の時代、色んな道具を使って、絵の世界を満喫しましょう。

 

138億年の一度しかない、自分の人生だもの。

 

 


iPad Proは清書に向かない??

‥‥というツイートを読みました。

 

なぜ?

 

できるでしょ。普通に。

 

なぜ、iPad Proで清書できないのかな?? 不思議だわ。

 

もしかしたら、10インチを使っているでしょうかね?

 

10インチの大きさでは仕事に支障が出るであろうことは、まず実物の大きさで判断はできますよネ。12.9インチが必須です。

 

 

 

私は、もう何年もiPad Pro 12.9インチをアニメの作画仕事に使っており、私の清書がそのまま映像になったカットが数え切れないほどあります。

*カットアウトは、版権イラストのように原画の線画をそのままペイントして(階調トレス+彩色)、それを動かすことも多いので、自分の描線がモロに画面に映し出されるのです。

 

「清書ができない」というのであれば、ただ単に清書の方法を知らないか、スキルが足りないだけだと思うんですよネ。道具の使いこなしのスキル。

 

 

 

TVPaintの話題もそうですが、TVPaintそれ自体に大きな問題があるわけではなく、16万円を捻出しないとプロ版が導入できない点、サブスクリプションが用意されていない点が、「実質、個人では無理でしょ?」というだけです。

 

会社に何でも用意してもらっている人は、その辺にあまりにも無頓着なように思います。

 

TVPaintに関して言えば、Auraの頃から知人がめっちゃ使いこなしているのを見ていますから、ポテンシャルが低いとは思っていません。むしろ、かなり優れたポテンシャルを有していると思います。私もMirage(TVPaintの前身)のライセンスを所有していますし。

*私は過去、TVpaintの性能に対して問題点を書いたことはありません。私がこのブログで書いているのは、TVPaintのプロ版は個人事業主であるフリーランスアニメーターが容易に導入できる金額ではないこと、そして日本の拠点(支社・代理店)の制限によるサポートの問題点です。性能に関しては、「どこそこが問題だ」とは一切書いていません。

 

 

 

ともあれ、風評被害は払拭していかんと。

 

 

 

iPad Proの問題点は12.9インチであることです。

 

ゆえに、デスクトップOSのように、ウィンドウをいっぱい並べたいソフトウェアをiOSで使うのは不利なのです。そこは風評でもなんでもなくて、事実です。

 

Wacomの16インチのCintiq(2Kのね)は安くて手を出しそうになるのですが、16インチだとツールウィンドウを並べた時に、結果12.9インチのiPad Proと大差ないので、21インチ以上は欲しくなります。なので、最近のCintiqは買わないまま、iPad Proでそれこそ数年前から通算でかなりの金額分の仕事はしていることになります。私の画業の稼ぎのほとんどはiPad Proベースです。

 

 

 

iPad Proでプロ作業に十分な清書はできます。

 

iPad Proをもっとマジメに使いこなしましょう。

 

落書き帳みたいに扱っていれば、そりゃあ、落書きしか描けないでしょう。思うに、PCと液タブとWindows版クリスタで描いた原画でも、落書きくらいラフな原画はいっぱい存在すると思いますよ。

 

 

 

少なくとも、私は「iPad Proで清書もプロの仕事もできる」ことを証明する生き証人みたいなものです。ずいぶんと、iPad Proでお金を稼ぎましたし、今後、4Kで私の描いた清書がモロに映像に表れる日も近いです。

 

でかい液タブは近いうちに欲しいです。Harmonyを使うには必須です。

 

だからと言って、iPad Proも十分活躍できます。ぶっちゃけ、iPad Proは絵描きにとって「金の生る木」です。

 

ツールを使いこなしましょう。絵でお金を稼ぐのですから、道具を使いこなしてこそのプロ。だと思います。

 

*アニメの作画作業において、紙を「最上位」の道具に据える人は、絵が成立する過程の一部にしか視点が向いていない人です。たしかに、紙のダイレクト感は無比で最強です。しかし、アニメ制作全体、ワークフロー全体の視野をもてば、ペンタブがどれほど有効な手段かを実感できると思います。


コンセプト:ベクターのドロー。

最近、新たに「コンセプト」というドローソフトをiPad Proで使い始めました。クリスタやHarmonyなどでベクター系のドローに慣れてきたこともあり、アニメだけでなく日頃の絵描き作業をベクターへと徐々に移行すべく、ラスターベースのProcreateに加えて、ベクターベースの「コンセプト」も標準ツールとして加えました。

 

https://concepts.app/ja/

 

コンセプトはまさに「コンセプト」を練るアイデアスケッチのために、様々な「直感的」なツールが用意されています。

 

例えば、カラーパレットは環状になっていて、指で回して色を探す操作自体が楽しいです。

 

 

 

試しに鉛筆っぽいタッチで描いてみましたが、全ての線はベクターになっているので、寄っても引いてもエッジが荒れることはなく(テクスチャは拡大されますけど)、後でグニグニとベクターの軌跡を変更することが可能です。

 

 

 

いかにもビットマップっぽい描線も、ベクターなので上図のように描いた後で変更が可能です。同じレイヤーに描かれていても、一本ずつ、線を取り出して変更できます。

 

淡彩風の淡い水彩のトーン、コンテパステルやインクのペン、寝かせて描いた鉛筆など、全てがベクターベースで管理され、全ての軌跡を個別に記録しているようです。

 

こうしたベクターベースの絵は、まずクリスタのベクターレイヤーで慣れ始めて、Harmonyのベクターブラシでさらに慣れ、今回のコンセプト.appでは、日頃のお絵描きにもベクターに馴染んできました。実際、ビットマップの時と、差はほとんど感じずに絵を描けます。

 

コンセプト.appで描いた描線は、Harmonyのテクスチャ付きベクターブラシで再現可能と思われますので、アニメーション化も視野に入れたスケッチも可能でしょう。日本のカットアウトの夜明けはまだ先でしょうが、コンセプト.appでどんどんアイデアを貯められますネ。

 

 

 

コンセプト.appは「ベクターなのをいいことに」、キャンバスのサイズ設定がありません。縦何ピクセル、横何ピクセルという、キャンバスの設定なしに描き始められます。

 

*ポースが思いつかなかったので、下半身は描いていません。すまんス。

 

 

筆記具は様々なプリセットが用意してあり、ペン先とテクスチャの画像を自分で用意して、フルカスタムすることも可能です。ペン先が筆跡ごとに入れ替わる「ペン先のアニメーション」的なこと(Harmonyにもあるヤツ)も可能です。

 

 

 

まだまだ自分にピッタリ合ったプリセットは作れていませんが、基本のプリセットでも使い勝手が良いので、色々と遊びながら描けますヨ。

 

ペン画風のペン、鉛筆画風のペン、ベタ塗りなど、色々と試しているうちに、ココロの謎を映す絵を描きました。この描線が全部ベクターだというのは、中々面白いですよネ。

 

 

 

他にも色々描いてみました。気軽に描けるので、どんどん描いてしまいます。

 

*スクリーントーン・網がけみたいなこともできますヨ。

*ベクターなので、回転や拡大縮小の修正をしても線のエッジがボケません。

 

*極細マーカーみたいな線も全部ベクター。

*ツールの占有率が低いのも、iOSのAppらしくて好印象です。クリスタはデスクトップ版との差を最小に抑えるため、どうしようもないのでしょうが、気軽に絵を描くなら、Procreateか、このコンセプト.appですネ。

*‥‥しかし、こういう「マズルが長め」のキャラは昔から苦手なんスよ。どうしても前方への突き出しが控えめになってしまいます。

 

 

実際のインクや鉛筆と同じく、ペンの寝かせや速度、筆圧の強弱は、モロに描線に反映されます。そこが何とも楽しくて、ついつい描き続けてしまいます。

 

もちろん、軌跡を綺麗にスタビライズする機能もあります。

 

ただ、キャンバスサイズを気にせず、あまりにも自由に描けるので、グリッドを表示させておかないと水平感覚が無くなります。‥‥この記事のサンプル絵も、つい、斜めに描いてしまいました。

 

描くときには、グリッドは表示させておいた方がよいですネ。ちなみに、水平にちゃんと戻したい時は、水平位置まで二本指ピンチ回転で戻すと、スナップして0度になります(Procreateと同じ)。

 

 

使う上で一番重要なこと‥‥ですが、ジェスチャーはProcreateと基本は同じで、

 

指先=消しゴムに割り当て可能

長押し=任意の機能に割り当て可能

ピンチインアウト&二本指ドラッグ=画面の拡大縮小・回転・移動

二本指タップ=UNDO(任意の機能に割り当て可能)

三本指タップ=REDO(任意の機能に割り当て可能)

四本指タップ=ご自由に。

 

‥‥のようなジェスチャー操作が可能です。

 

消しゴムをいちいち切り替えるのは面倒ですよネ。指先消しゴムはiPad必須の機能です。

 

また、消しゴムは画面の拡大縮小に関係なく一定サイズなので、大きく消したい時は画面を引いて、細かく消したい時は画面を拡大すれば、消しゴムのサイズを変更することなく、思いのままに修正できます。

 

 

 

コンセプト.app

 

UIの設計にかなり心血を注いで考え抜かれている様子が、使っていてヒシヒシと伝わってきます。

 

どうすれば、アイデアをストレスなく描きとめることができるのか、作り込まれたAppのように感じます。

 

買取もサブスクリプションも両方用意されているのも、現在のユーザのキモチを反映していて好印象です。

 

私はサブスクリプションにしました。こうした優れたAppは、どんどん開発を応援したいので。

 

 

 

その昔、ベクターの描線といえば、「無表情」「無機的」の代名詞みたいな印象がありました。

 

しかし今は、この通りです。生々しい鉛筆線みたいなものも描けます。淡彩の塗りすらも、何もかも全てベクターです。

 

 

 

今どきはもう、こういう線がベクターで、かつレイテンシーも気にならないほど、ペンの使い心地も良くて、自由に描ける時代なんスね。

 

いやはや。

 

iPad ProとApple Pencil。

 

Procreateとコンセプト.app。

 

どんどん可能性が広がりますネ。

 

今の時代に生きてて良かったと思います。正直なキモチで。

 


年間ライセンス。

昨日、遅ればせながら、iOS版のClip Studio Paint EX(つまり、iOSクリスタのフル版)を年間ライセンス割引に切り替えました。

 

もうiOSの定番ソフトにしても良いと思ったので。

 

ちなみに、自腹で購入した自宅用です。個人仕事用のアカウントで買いました。

 

 

 

ファミリー共有ってどうだったかな?‥‥と思って検索したら、別の話題の「サブスクリプションはキツいので買取で」とか、「Apple  IDの縛りは面倒。TVPaintのほうは切り替えやすい」とか、色々な意見がセルシス本家のQ&Aに書き込まれているのが検索にヒットして、アニメ業界の状況や意識を改めて垣間見た次第です。

 

前から書いてますが、クリスタは相当安価な価格設定ですヨ。プロ用のドローソフトとしては。

 

クリスタのフルバージョンのEXは、iOS版で年間7800円です。大まかに1年8千円として、10年で8万円。20年で16万円。

 

一方、TVPaintのProバージョンは1250ユーロ。1ライセンス16万円です。

 

つまり、iOS版の20年分の使用料と、TVPaintの現バージョン使用権買取は同じ値段です。

 

両方ともフラッグシップのバージョンですが、かなりの開きがありますよネ。

 

iOS版のクリスタを頑なに「高い高い」という人は、どういう計算で、高い・安い‥‥の試算をしているんだろうか。

 

これから絵を描き続けて商売する際に、クリスタの年額7800円は、本当に法外に高い価格設定でしょうかネ。‥‥私は、散々ソフトやハードに自腹を割いてきたので、クリスタは天国並みに安く感じます。CS時代のAdobeのAfter EffectsやPhotoshopを購入して更新し続けるのにどれだけお金を貢いできたか、クリスタなど及びもしないほどの金額の高さ・多さでした。

 

Procreateに至っては、本当に1200円で使用権買取で良いのか、安過ぎるほどコワいものはないとすら思います。

 

 

 

おそらく、クリスタは当人のiPadで使うので自前(自腹)、TVPaintは会社に席を借りるがゆえに会社持ちなので出費はゼロ‥‥という、かなり状況の異なる設定での金銭感覚だと思われます。

 

クリスタを自腹で買った人は多いと思いますけど、TVPaintのプロ版16万円をクリスタと同じように皆さん自腹で買ってるんでしょうかね‥‥? どうなんでしょう? その辺。

 

クリスタはサブスクリプションが高いと叩かれる一方で、TVPaintってなぜ叩かれにくいんでしょうネ。その辺は、単純に不思議です。

 

クリスタは仕事で使うソフトウェアとしては、冗談のように安いです。もしクリスタが業務用として「高い」というならば、他の業種の業務用ソフトウェアの価格を知って、腰を抜かしてほしいです。(まあ、他の業種は、フリーランスで支える業態ではないので、ソフトウェアは会社が購入することがほとんどでしょうけど)

 

 

 

また、Apple IDとの紐付けも、自分所有のマシンは自分のID、会社で席を借りて一時的に使うのなら会社の用意したIDで、IDを切り分けた運用で制作可能です。実際に運用しているので実感があります。Clipファイルの受け渡しに、Apple IDの縛りなんてないですしネ。

 

アニメ現場の制作事例としてApple IDの運用事例が少ないので、どうするのかイメージが湧かないこともあるでしょうが、Appleに限らずAdobeも社用と個人とはアカウントを切り分けての運用がアニメ会社も必要になるでしょう。例え、フリーランスのアニメーターフロアでも。

 

アクティブディレクトリのユーザを取っ替え引っ替えして(ログイン&アウト)、同じマシンのAdobe IDを使い回すことは契約上禁止されているようです。昔と違って、CCのライセンスの内容は変わってるみたいですヨ。

 

 

 

もう、世の中は、パソコンソフトを店頭で箱で買って、光学ディスクからインストールするような「2000年代」とは大きく離れています。アニメ業界のコンピュータ作業環境に対する基本認識は、相当カビが生え始めています。

 

今は、ソフトウェアの開発会社と共存していく時代です。

 

一度買ったら、できるだけお金を使わずに、OSの世代交代も御構い無しに、無償のサポートやアップデートを要求する‥‥なんていう感覚は、もう未来には通用しません。

 

ゆえに、個人も会社も、ちゃんとコンピュータの機材運用を報酬や制作費にIncludeするのです。机と椅子と筆記具だけあれば済んでいた過去の慣習のまま、お金を取り扱う意識を根底から考え直しましょう。

 

 

 

であれば、クリスタのEX。

 

年間7800円は、超安い。不安になるくらい、安い。

 

実際、「そんなに安くて、ちゃんと開発やサポートを継続できるのか」と考える人もいますヨ。

 

 

 

おそらく、多くの学生、少年少女たちが自宅で使うのは、クリスタやメディバンペイントやProcreateでしょう。TVPaintやHarmonyを自宅のパソコンで使う人は、相当少ないはず。

 

私は新しいアニメーション技術による、新しいクリエイティブを考えているので、人材の育成は目の前に突きつけられた直近の達成課題です。

 

世代を貫く縦軸視点でも、人々のつながりで広がる横軸視点でも、「新しいエコシステム」が必要だと考えます。

 

そのエコシステムに、ぴったりフィットするのは、老若男女を問わず導入可能な、安価で高性能なApp群です。学生の頃から、iPadのクリスタでイラストやアニメを作っていれば、プロ現場のペンタブ作画にもカットアウトにも技術を繋げていきやすいです。

 

 

 

年額7800円は、月当たり650円です。

 

この値段が本当に高いと思うのか。

 

未来を試算して、「進む」か「立ち止まるか」を、真剣に考える時期が、まさに「個人それぞれの2020年代」だと思います。

 

 

 


バッテリーの切れ時が、作業の止め時

iPad Proは結構消費電力が大きいので、常時電源供給しないと、作業が1日もちません。

 

Apple Pencilも、書きっぱなしだと4〜5時間前後、ゆっくり〜普通のペースで8時間くらいでバッテリーが切れます。

 

「ふがいなし」‥‥とか思いがちですが、いやいや、「ちょうど良いタイミング」だと思っています。

 

アニメーターが絵を描く集中度から言って、

 

Apple Pencilのバッテリー切れは人道的

 

‥‥とすら思います。

 

Apple Pencilのバッテリーが残り10%くらいになった頃に、仕事を切り上げるか、1時間ほどの休憩を入れた方が良いのです。1時間も充電すれば、結構バッテリーは復活するので、残りのノルマを達成して1日を終了できます。

 

 

 

1日のスタート。Apple Pencilが満充電状態から作業をスタートし、ちょうどバッテリーが切れるくらいで作画作業を切り上げ、もし早めの切り上げだったら、マウスでmacOSでの仕事(After Effectsとか)を進めて、1日全体のバランスを取れば良いです。

 

もし追い込みなら、Apple Pencilは4時間くらいでバッテリーが切れますので(相当酷使するので‥‥。チップ(ペンの先)はあっという間に消耗して削れて、1週間もたないこともある)、1時間休憩を入れてその間に80%くらいまで充電し、最後0%になるまでを1日の区切りにすれば、追い込みと体力の目安になるでしょう。

 

Wacomとかのタブレットはさ‥‥。USBで繋いでいる限り、際限なくペンで絵を描けちゃうので、ちょっと怖い感じがします。極端なスケジュールに立たされた場合、強制的なピリオドがないまま、延々と描き続けたあげく、数日でミイラみたいに干からびちゃうんじゃないですかね‥‥。無理をした反動が怖い。

 

 

 

Apple Pencilのバッテリーは1日24時間もちませんが、「24時間戦えます」なんてアニメ業界とて未来社会では愚も愚ですから、ちょうどいいバッテリー容量だと感じてます。

 

 

 

私の使っているApple Pencilら。

 

もちろん、これらを入れ替わりで使っているのではなく、iOS作画用のiPad Proは1本だけです。macOSのAstroPad用iPad Proで1本、アニメとは別ジャンルの作画用iPad Proで1本、雑事の無印iPad用が1本、打ち合わせなどに携帯するiPad mini用が1本です。そのほか、もう1〜2本あるはず‥‥です。

 

ペンに貼り付けているシールは、ペアリングしているiPadにも同じシールが貼ってあり、どのApple PencilがどのiPadとペアかをすぐに判別するためです。

 

最近、動物シールが底をつき始めたので、猫と金魚のシールが届く予定です。

 

 

 



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