今後のタブレットとHDR

iPadもFireも、どんどん進化していくのが楽しくてしょうがない私ではありますが、まだまだ進化を期待する部分もあります。

 

その中でも一番、今後に期待したいのは、「色域」です。

 

つまり、ハイ・ダイナミック・レンジ=HDRです。

 

HDRはおおまかに分けて2種類あって、ここで言うHDRとは、10年くらい前からデジカメで話題のHDRではなくて、映像技術における記録レンジの大幅な拡張を意味するHDRのほうです。

 

*三角形で示された色域が広いほうが、HDRの1つ、Rec.2020です。緑の色域が飛び抜けて拡大されているのがわかります。

 

 

現在、DVDやBD、ネットの映像の大半は、SDR=スタンダード・ダイナミック・レンジで、単位で表すと100nitです。しかしHDRは、300〜1000nitで、規格上は10000nitとその差は歴然です。

 

根本的なこと‥‥ですが、現在標準のRec.709やsRGBは、人間の目はおろか、フィルム時代の色域に遠く及びません。日常で見慣れている色域なので、「いつのまにか騙されて」いますが、テレビやネットの映像や画像は、肉眼に比べて著しく鈍い色彩です。

 

正直、私も数年前までは、「映像におけるHDR」と聞いてもピンとこなかったのですが、「HDRの使い方」を見たり聞いたり、自分でも意識するようになって、ようやく、HDRの有用性を理解できるようになりました。

*デジカメのHDRについては、ソニーのコンデジでHDR機能の有無で買ったり、PhotoshopのほかにHDR専用の複数のソフトを買ったりしてました。‥‥なので、映像の分野でHDRと聞いて、少々混乱したことを思い出します。

 

SD=DVDやVHSの時と同じく、SDRでも「今の色の見え方でいいじゃん」と思う人は、2017年現在はまだ大半だろうと思います。しかし、それは見る対象が「テレビやパソコンモニタ」で「テレビ放送やネット」の映像を見ているだけだからです。

 

今、映像はHDサイズが当たり前で、「SDサイズは小さくて絵がボケてる」と皆が思うでしょう。同じように、HDRの視聴環境が整ってくれば、「よくまあ、あんな狭いレンジの薄暗い映像を何十年も見てきたよなぁ」と、SDRを古めかしく感じる時代がやがて到来します。

 

要は、「テレビだから」「肉眼ではなく、映像だから」と手加減していた色域に、ようやく「改善のメス」「のびしろ」が与えられるわけです。

 

実際、4Kのメインモニタ、最新のiPad Pro、そしてRec.2020やDCI-P3の色域を日頃から見ていると、Rec.709やsRGBは「過去の色」です。

 

HDRだと四六時中キンキンに眩しい映像になる‥‥と誤解されやすいのですが、そうではなくて、今まで全く再現できていなかった緑の発色とか、どんなに明るい部分でも濁ったグレーだったりとか、「削られていた部分が削られなくなって、現物に近くなる」のです。

 

1000nitあるからって、映像をケバケバしい絵にする必要はないです。あくまで今までの絵作りの感覚で、旧来のビデオ機材の制限がなくなるだけです。そして、旧来の制限がなくなったことで、新しい絵作りも生まれるでしょう。

 

 

で、今後のタブレットは、HDRの色域をカバーするモニタへと進化していって欲しいです。カジュアルに毎日見るものだからこそ、高品質な絵が必要なのです。

 

そうなると、俄然注目されるのは、有機ELのパネルでしょう。作業場のメインモニタは液晶の4KHDRですが、色々な場所で有機ELの4Kテレビとかマスモニを見ると、「こういうパネルがどんどんモニタやタブレットに実装される未来が早く来ないかなぁ‥‥」と思います。

 

 

 

4KHDR60pが標準化して身近になってくると、外に出かけてiPhoneで気楽に撮影した映像が、自宅のテレビやiPadやFireで綺麗に映し出されるようになるので、「世界を歩き回るが楽しく」なります。もちろん、その時のテレビやタブレットは4K60pHDRに対応していることが前提です。

 

そして、今、私らが開発を進めている4K60pHDRのアニメーション技術も、そうした未来で威力を発揮することを前提としています。ぼんやりとボケて、白濁した薄い膜に包まれているような、現在の4K24(30)pSDRではない、新しい品質基準のアニメが、未来のHDR対応のiPadやFireやテレビで手軽に再生されるようになるでしょう。

 

「未来の映像の楽しみ」に向けて、全てのハードやソフトが徐々にリプレースされていく現在。

 

アマゾンもAppleもNetFlixも、最近、4KHDRの映像配信を宣伝文句として売り出してきています。となると、当然、Appleもアマゾンも、4Kはともかく(7〜10インチに4K解像度が有効かは検証の余地あり)、HDRに対応したタブレット端末をやがて用意する流れになると思います。部品コストの問題が製品開発のリアルな課題であったとしても、部品供給の状況は一年毎にどんどん状況は変わっていきます。

 

 

 

画面解像度、リフレッシュレート、その次は、いよいよカラーレンジです。

 

ディスプレイの宣伝文句もさ‥‥、「明るさ何%向上!」ではなく、「色域の豊かさをアピール」するようなものに変わっていく必要があるでしょう。そんな売り文句じゃ、イメージが伝わらないって‥‥。

 

今や、明るさを気にするユーザって、ほとんどいないような気もします。少なくとも、私の身の回りでは。‥‥むしろ「眩しい!」と言っている人の方が多いように実感します。

 

タブレットは今や、十分、綺麗な画質を有していますが、新世代の映像フィールドは、すぐそこまで迫っています。そのフィールドの恩恵を享受できる、新世代のタブレットの登場を、日々の技術開発の傍、期待しながら見守っていこうと思います。

 

 


Fireの運用

Fire HD、特に10インチモデルは、実物を手にとってみれば、そのディスプレイのきめ細やかさで、今までのFireとは違うことが一目で判る「高性能な安タブレット」です。私は先週末のサイバーマンデーでHD 7, 8, 10と全て買い足しましたが、実は、もう1台、10を欲しかったのです‥‥が、いくらなんでも買いすぎだろうと我慢しました。‥‥のですが、やっぱり買っとけばよかったかな‥‥とちょっと後悔もしております。

 

私は自宅と職場の2カ所で作業しますが、頻度の少ない自宅はどうしても「二線機=古くなった機種」の流用が多くなります。ゆえに、現在の自宅の作画環境は、iPad mini(初代)、iPad 2がメインのビュワーで、どちらも性能面で不足感が否めません。

 

iPad 2は画面こそ大きいものの、解像度が低いので、もさっ、ぼけっ‥‥とした画質です。Fire HD 10を見た後では精彩を欠きます。

 

さらには、iPad 2もiPad mini(初代)も、iOS 9.3.5で打ち止めで、最新のOSにすらアップデートできません。

 

まあ、それでも「画像が映ってれば良い」と自分を納得させれば、それなりに使えはします。でも、やっぱり、画質は綺麗なほうが良いです。ヒストグラムやオシロスコープの画像を見るのではなく、画像そのもの本体を見るわけですから。

 

HD 10は、10インチ幅に1920pxを詰め込んでおり、Retinaに匹敵する詳細感を誇りますので、運用さえ円滑に進めば〜つまり、Fire OSの機能不足を補う運用術さえ確立すれば、申し分ない、作画作業の「補助Pad」になります。

 

 

 

Fire HDを導入すれば、あとは作業環境を新機材に最適化して、性能を遺憾無く発揮できるよう整えます。

 

HD 7, 8, 10は、5GHz帯のWiFiに対応していますから、5GHz対応の今どき標準の高速ルータは必須となります。ただし、HD7と8を安定して5GHz帯に接続するには、W52の4チャンネル「36, 40, 44, 48」のいずれかに、無線ルータのチャンネルを固定しておきます。

 

タブレットは軽快なフットワークが身の上ですから、WiFiとBluetoothは作業環境の必須アイテムです。JBLのFlip 4などのBluetoothのスピーカーは、意外に活躍の場面が多いです。画面が綺麗になったら、音も良くしないと、釣り合いが取れませんもんネ。

 

 

オフラインムービーをプレビューしたり、参考映像を再生したりする際、音も相応に鳴って欲しいです。Flip 4は、前のモデルのFlip 3に比べて、音が「そつなく、聴きやすく」なりましたので、オススメです。Flip 3は低音が出過ぎてて、ちょっとバランスが悪かったのですが、Flip 4の音の感じは、JBL GOの聴きやすい音に近いです。 

 

運用の際のファイル形式は、

 

画像:JPEGやPNG

映像:M4V(MP4)

ドキュメント:PDF

 

‥‥あたりで統一しておけば、Fire HDだけでなく、iPadでもiPhoneでもMacでもWindowsでも、問題なく再生できます。

 

間違っても、AvidやProResでmovを持ち込まないように。‥‥試したことがないから判りませんが、おそらくコーデックが実装されておらず再生できないと思いますし、アホみたいにFire本体とSDカードの容量を喰うでしょう。

 

After Effectsとスクリプトを組み合わせれば、即席「mp4」変換プログラムができますし、その他、HandbreakでもCompressorでも使って、m4vやmp4へとササッと変換すれば良いです。ただ、4k60pにどこまで対応しているかは、まだテストしてないので判りません。まあ、コーデック自体が対応していない‥‥なんてこともあるので、2Kにダウンコンするのが今の所はお手軽です。

 

妙に色々なファイル形式やコーデックを乱用するより、標準環境の標準運用を意識して、JPEG、MP4、PDFあたりで統一しておけば、間違いも煩わしさも未然に回避できます。

 

作業フローで取り回す「中間ファイル」とは意識を変えて、様々な人が様々な環境で閲覧できるように、「切り分ける」のがコツです。

 

 

で、1番の要点は、ファイルの取り回しにおけるネットワークです。iOSにはAir Dropという、サーバ不要のローカル送受手段が用意されていますが、Fire OSには無いです。

 

ですので、一般的なアプローチですと、USBケーブルか、Amazon Driveなどのクラウドを使うことになりましょう。

 

各種クラウドや各種ネットワークファイルシステムを活用することで、ワイヤレスの快適環境は作れます‥‥が、その辺はこういう場所で色々とべらべら話すのもナニなので、触れないでおきます。

 

 

Fireは2017年現在の性能の許容ですと、あくまでビュワー用途ですから、自分のローカル環境において、快適にドキュメントや画像映像を閲覧できる目標を目指すのが肝要です。

 

iOSとmacOSが連携して云々‥‥という濃い内容は目指さず、あくまで既存の作業環境に参入して、「綺麗なビュワー」「机が紙で溢れないための」という意識で活用するのが、宜しかろうと思います。

 

 

そういえば、私は本体容量の少ない、安いFire HDを買って、後でmicro SDカードで増量する方法が定番です。その方法でトラブったことはないです。

 

SDカードを買う際は、昔馴染みでSandiskブランドを買いがちです。Sandiskで痛い目にあったことがないので、信頼しておるのです。

 


Fire HD増強。

サイバーマンデーでFire HDシリーズが、とんでもなく大安売り中。10インチで1920pxのHDディスプレイをもつ「Fire HD 10」が、プライム会員だと12,000円。「HD8」が5,980円。「HD 7」に至っては3,480円。

 

特に、ディスプレイの美しさが別格の「HD 10」は、「速攻買い」です。前にも書きましたが、Fireにありがちだった「低解像感」が否めない画質を根本から改善し、色々な閲覧用途に活用できる「高画質な安タブレット」です。12/11現在は売り切れで12/23の入荷待ちとなっています。

 

で、私は結局、今回のマンデーで、7, 8, 10と全部買ってしまいました。買い過ぎかとは思ったのですが、HD 10や8は、使い勝手が良いので、以前から買い足す計画でしたし、ついでに7も買っといたのです。1回呑めば酒代で消えていくお金で、7インチの補助タブレットが1枚買えるわけですから。

 

作画作業をする際は、「絵コンテ」「設定1(例えば主人公キャラ)」「設定2(例えば美設やサブキャラ)」「参考資料」と4つビュワーがあると申し分ないのですが、それをiPadで揃えるのは金銭的に中々難しく(10万円はかかりますわな)、今までは3つのタブレットでしのいでいました。

 

しかし、今回のマンデーで、以下の通りに。

 

*とりあえず、デモ用に、飛行機の画像を表示しときました。

 

立てて置いてあるのが左から、HD 7、HD 8、HD 10、iPad Airです。透過ガラスの上のは、作画用のiPad Pro 12.9(初代)。棚に置いてあるのは、新型のiPad Pro 12.9で、これも作画用です。

 

遠近がついているので、手前の7インチが随分デカく見えますが、7インチは絵コンテや申し送りメモの閲覧がギリギリの小ささです。

 

8インチは各種設定画も閲覧できますが、全身像はちょっとキツイかも知れません。ピンチ操作で寄ったり引いたりして見るのがメインです。

 

10インチは、決して大きいとは言えませんが、十分、各種設定画の内容を確認できるくらいの大きさです。Fire HD 10と隣のiPad Airは、その大きな価格差とは裏腹に、画質は互角です。マンデーだからと言うのもありますが、12,000円で10インチHDのタブレットを売られた日にゃ、Appleはどうやっても対抗できないですネ。まあ、iPadはビュワー用途以外の機能で大きくFire(=Fire OS)を引き離しますから、1台はiPadを置いておきたいとは思います。

 

 

iPhoneの広角寄りのレンズで撮ると、各Fireのディスプレイ面積比較は全く伝わらないですね‥‥。

 

この3つのFire HDを合計しても、サイバーマンデーな価格だと、11980+5980+3480=21440円という、無印iPad1枚より遥かに安いのが驚きです。

 

HD 10のディスプレイは(しつこいですが)ほんとに綺麗で、細密感はあるし、黒は締まっているしで、こんなのが12,000円で買えるとは、嬉しくてたまんないス。ただ、黒さの締まりを出すためか、光沢が強いガラスなので(上の写真のBf109Gが映っているのがHD 10ですが、他に比べて反射がキツいのが判ります)、気になる人はアンチグレアのフィルムかガラスを貼った方が良いです‥‥‥が、そうすると若干、黒の締まりも悪くなります。

 

 

ここまで充実すれば、後は運用のルーチンだけです。取り回す方法を洗練させて、紙の機動性を凌駕せねば。

 

ちなみに、「こんなに並べなくても、27インチのディスプレイを1つ置いて、パソコンから出力すれば良いんじゃないの?」と思う人もいるでしょう。‥‥それはもう、ずいぶん前に実際に実践してみて、通り過ぎて来て、現在、この形になっておるのです。

 

まず、キーボードとマウスを、ただでさえ狭い机に置きたくない! ‥‥そして、いちいち、マウスとキーボードに操作を切り替えたくない!‥‥のです。

 

実際、現在私が作画作業をする際は、マウスもキーボードも全く使いません。一応、ロジクールのBluetoothキーボードは置いてますが、作画作業では使ったことがないです。

 

手で鉛筆=Apple Pencilを持つ感覚の延長線上で、スワイプとピンチ操作で、設定や参考資料をめくります。iOSもFireOSも、キーボードやマウスを想定していない操作系なので、作画作業の流れと相性が良いのです。

 

それに、マイクロUSBかLightningケーブル1本で繋がっているだけなので、その気になれば、1分以内にどかして、机を広くもできます。作画机にディスプレイとキーボードとマウスを置いた場合、とにかく、机が極端に狭くなるのが嫌なのです。15年くらい前には既に、「PC機材は作画机に置くべきじゃない」と悟った次第です。‥‥15年前と今とで、PCの操作デバイスって、ほとんど進化していないですしネ。

*ちなみに、20年前だと液晶ではなくブラウン管のモニタが主流でしたので、よほど小さいモニタ(9インチとか)でもなければ、作画机に置くことは実質不可能でした。

 

どうせ机の面積を消費するのなら、「PC機材の都合」ではなく、「絵描きの都合」を優先したい‥‥ですよネ。

 

いきなりですが、例えば、ミロのヴィーナスさんの立体

 

*ヘッドライトとかで像に光を目一杯当てて、iPhoneで露出をぐっと絞れば、何の仕込みも必要とせずに、後ろをほぼブラックまで落とせます。

 

作画机やiMacの机に置いて、日々眺めています。

 

どうせ机の面積を消費するのなら、無遠慮に面積を占有してしまうキーボードではなく、様々な実品(現実に目の前に存在する参考の品々)を置くスペースにしたいと、常々考えています。どこかの誰かが撮影したWebの写真も参考になりますが、それだけでは「あくまで他人が撮影したかっこいい写真」であって、自分が(たとえプラモやレプリカであっても)実物を見た実感も欲しいのです。

 

安い模造品の彫像であっても、「角度や光によって、別人みたいになるなあ」と、改めて、しみじみ実感することも多いです。

 

コンピュータの環境を充実させてくると、コンピュータやインターネットでなんでも出来てしまうかのように錯覚しがちですが、現実の立体や実品を肉眼で見ることで、人間特有の記憶法で「現実が分解されて再構築」され、カメラで記録してデータ化した情報とは異なるカタチで認識して把握できるのです。

 

 

 

 

 

こういう彫塑のレプリカを眺めていて、ふと、アイデアが浮かぶことがあります。

 

コンピュータを自分のツールのメインに挿げると、実は、返って「コンピュータではできない、自分の持つ、ある意味、曖昧な感覚」というのが重要になってきます。

 

人間が記憶するイメージというのは、色んな画角を寄せ集めて、時系列を前後に作為的に組み合わせて、しかも光と陰を自在にマッピングします。とても「いーかげん」なわけですが、その「いーかげん」=「良い加減」がコンピュータには難しいのです。実写でも3DCGでも難しいフィールドに、絵は簡単に到達できるわけです。(まあ、その逆も然り、なんですけどネ)

*誤解され易いですが、初心の頃はこうした言葉を聞くと、「基本なんて覚えなくて良いんだ」なんて逃げの拡大解釈をしてしまいますが、それは全くの過ちです。基本をマスターしないで、「自分の感性が云々」なんて言うのは、言葉や文法を覚えないで詩を書こうとするが如しです。

 

だったら、創作の場は、コンピュータを操作する作業場としてだけでなく、「イメージのシンクタンク」としても機能させたいと思うのです。

 

 

あ、やばい。また、話が広がり過ぎた。

 

 

まあ、そう言うことで、Fire HDの大安売りで、環境が一気に充実した‥‥のでした。

 

 

でも、ここまで書いておいてナンですが、コンピュータ関連機材をいくら導入しても、文字書きや絵描きの生みの苦しみは、なーんも助けてくれないです。機材が機能豊富で便利になったからと言って、面白いストーリーや演出のけれんや、人々を魅了する絵が描けりゃ、誰も苦労などせんです。

 

しかし、便利で快適な環境は、ストレスを軽減して、発想を具現化する際の無用な負荷=「フリクションロス」を取り除いてもくれます。

 

なので、人間の生っぽい感性とコンピュータの強力なアシストが組み合わさる、理想の環境作りは、死ぬまで追い求め続けるような気も‥‥します。

 

 

 

 


iMac Pro、もうすぐ。

iMac Proが、12月に発売開始されるのは何ヶ月も前からの告知通りですが、最近12月18日に出るなんて情報も飛び交って、いよいよ発売日も迫ってきた感じです。

 

しかし、価格は5000(4,999)ドルスタートと、相当なお値段らしく、何だか、私がPowerMacintosh 8600を買った頃にお金の感覚が戻ったような気さえします。20年前は高かったからなー。

 

さらにA10チップ系をサブで搭載して、色々な処理にあたらせる‥‥との情報も見かけました。そりゃまあ、そんなに豊富な装備になれば、価格も50万越えになるのかも知れませんね、

 

一方、現在発売中の無印iMac 5Kは、DCI-P3のモニタを持ち、64GBまでメモリを積めるので、不足なく未来の4K時代にも対応できるスペックを持ちます。よほどの理由がない限り、iMac 5Kで十分なはず‥‥です。30万円で買えるしネ。

 

現在、私の自宅では初代iMac 5Kを3年使っており、あと2年は使う予定です。2K環境も併用していますが、その差は歴然。2Kはすっかり過去のものです。画面に映し出されたWebブラウザのフォントをみるだけでも、2Kはボケて見えて目が疲れますが(恐らく無意識にボケを補正しようと目の焦点を合わせてしまう)、5Kはぬぼーっと眺めているだけでフォントが明快に読み取れるので目がリラックスして疲れないのです。

 

ただ、私の持っている初代のiMac 5Kは、P3色域のモニタではないのは、ちょっと悔しい。残念。

 

その点、最新のiMac 5KはP3で、iMac ProももちろんP3をカバーしているようです。

 

職業柄、そして、4K関連に関わることも増えてきたこともあって、Rec.709とかRec.2020、DCI、sRGBを見比べることも多くなってきました。Rec.709やsRGBは「昔馴染み」の発色で安心しますが、一方で、もさっとして鈍く、抜けの悪い発色は過去の遺物に感じられるようにもなってきました。明らかに色域が大きく異なりますもんネ。

 

来年も多くの4K-HDR対応の製品が発売されるでしょう。新しい分野を開拓するには、2018年以降の流れは、色々と楽しみです。

 

 

 

 


パワーゲームをしない選択

海を見たことがなければ、海の広さや深さ、そして海産物の豊かさなど、実感を持って理解することは不可能です。その「海」にあたるのが、未来の映像フォーマットによる映像ビジネスのフィールドです。アニメ業界の多くの人々は、池や沼、広くても湖しか知らない人が多く、「海」を知らないがゆえに「海でビジネスする」イメージを持てないのは、アニメ業界の現状としてはしょうがないことだとは承知しています。

 

では、勝手知ったる池や湖で、どれだけ楽しく豊かに商売できているか‥‥と言えば、最近の報道〜業界のブラック事情からも解る通り、どんどん限界点が迫ってきているのを、少なくとも業界で作業している人なら実感しているはずです。今の状況は悪くなることは予想できても、良くなることは考えにくいです。それこそ、「乱獲」しすぎて、「死の沼」になることすら思い浮かびます。

 

池や湖での生活はどんどん苦しくなる。かと言って、海に乗り出す準備など全くしていない。

 

しかも、今まで力を貸してくれていた外国の労働力は、「自分の国で商売すれば良い」ことに気がつき始めた‥‥となると、至るところ、弱味だらけです。

 

 

でもね‥‥、「どんなに劣勢だと解っていても、もう止められない」のは、今も昔も同じ。まるで、太平洋戦争末期日本における断末魔の様相です。

 

戦争末期と同じ状況は、今のアニメ業界でも等しく繰り返されています。「神風(しんぷう)特別攻撃隊」「ゾンダーコマンド・エルベ」が編成される時点でその国の「負けが確定」するのと同じく、新入の人材が「若い時期に数年だけアニメ業界で働いて健康状態を著しく壊して辞める」というのは、アニメ制作の「特攻」による「戦死」であって、未来のアニメ業界の破綻を予言しています。はっきり申しまして、私が20代だった20〜30年前より、現在は格段に過酷です。

 

私はもう、そうした特攻作戦の指揮官になるのも嫌ですし、特攻部隊の隊長になるのも嫌です。ちゃんと任務完了して生還して、次の戦いで経験値を活かして、もっと強く闘える軍団を作りたいです。

 

ゆえに、血で染まっていない海=ブルーオーシャンでビジネスをしたいわけですが、自覚なしに今までと同じ戦い方をしたら、あっという間に海に血が流れ出してレッドオーシャンへと汚染されるでしょう。海をブルーなまま維持するよう、最大限の注意と努力が必要です。

 

そのためには、互いに相手の体を刀で切り刻み合って血だらけになる「パワーゲーム」に陥らないことです。

 

「正々堂々勝負しろ」と相手が刀を振りかざして突進してきたら、対人地雷とアサルトライフルで対抗すれば良いです。相手を近づけさせない戦い方‥‥です。なぜ、相手と同じ武器や戦法で戦わなければいけないのか、ビジネスや作品作りは「競技じゃない」んですから、自分らの強みと最新技術を駆使した武器を選択すれば良いことです。

 

それに‥‥です。為す術もなく累々と特攻の戦死者の屍を積み上げている当時者は、決して「正々堂々」とは言えない‥‥ですよね。

 

進め一億火の玉、一人十殺、一人百殺、海ゆかば水漬く屍、山ゆかば草むす屍‥‥が正義で力=パワーなのだとしたら、私はそんなパワーゲームではなく、現在と未来の世界的な技術進化を武器にした戦い方で勝ちに獲りに行きたいと思います。

 

大量生産、短期生産、作画枚数競争、値引きディスカウント競争‥‥と言ったパワーゲームに巻き込まれて久しい、現在のアニメ業界。

 

そうしたパワーゲームからいち抜けして、全く違うアプローチ・価値観で対峙する方法こそ、小国日本が選択すべき最善の道だと確信しています。

 

 

 


作画枚数、作業枚数

前回試算した「10分の短編」の「のべ枚数」の計算は、全ての工程を枚数でカウントするというかなり大雑把な計算でしたが、単純に「枚数のイメージ」を頭に思い浮かべるために、あえて計算してみました。口パクの1枚と街並みの背景美術の1枚が大きく異なることはご承知と思いますし、リテークを全くカウントしていないので、あくまで「作業の膨大さ」をシンプルにイメージするための計算でした。

 

ただ、たまに見かける、恐らく現場門外漢の人の、「分x24」が作画枚数‥‥という計算方法は、「絶えず作画で動かし続けるわけではない」「3コマ、2コマでシートを打つので、そもそも1秒間24枚ではない」「セル重ねを考慮していない」などの理由、しかも「動画しかカウントしていない」点で、甚だしく作業の実情とかけ離れます。

 

ゆえに、雑な計算ではありますが、現場の各スタッフの作業合計が少なく見積もってもどのくらいの膨大な枚数になるかを、計算してみた次第です。原画を枚数でカウントしたり、背景を枚数でカウントするのは、大雑把過ぎる計算方法ですが、それでも「10分で5000枚くらい」の数は合計で生み出しているのには、「そりゃあ、時間がかかって当たり前だよな」と再認識しました。

 

その他、絵コンテだって絵をいっぱい描きますしね。各工程のチェックもあります。キャラ設定、メカ設定、美術設定、プロップ設定なども、たくさんの絵を描きます。

 

今も昔も、動きを1枚1枚手で描いて動かすアニメ技法が、完成映像をそう簡単には作れない理由です。あれよあれよと言う間に、作業枚数が膨れ上がっていくのです。

 

「作画枚数」と、「作業枚数」は、違うのです。

 

巷で言う「1話の作画枚数何千枚」というのは、動画枚数のみをカウントしています。しかし、その裏側では、原画や背景や仕上げなど、「作画枚数」にはカウントされない「作業枚数」がひしめいています。

 

動画枚数で作品の作業の重さを計るのは、一定の目安にはなりますが、その「作画枚数」を完成させるためにどれだけの総体的な作業が発生するかまでは示せません。イニシャルコスト(設定画など)はまるで含まれていませんしネ。

 

でもまあ、一般の「ただ映像作品を楽しむ目的」の人々にとって、「原画と動画の違い」「動画枚数と仕上げ枚数の違い」などの内部的な知識や事情は、ぶっちゃけ、どうでもよいことです。制作現場の内部で、運用の如何を問う時に、当事者たちが認識していれば良いのです。

 

 

ただ、一般の人々にとって、「作画」とは「画を作る」ことであって、決して「作画工程」「作画セクション」を決め打ちで呼び示しているわけではない‥‥のは、現場の人間は重々承知しておくべきでしょう。

 

現場にいると、「作画」と聞くと、「レイアウトと原画と動画」周りのことだと無意識に受け取ってしまいますが、一般の人々にとっての「作画」とは「絵作り全体」のことを指します。でもまあ、そりゃそうだよね。「作」「画」と書き表す文字の通りに、一般の人は受け取って当然です。

 

これはすなわち、作品の絵は「絵作り全体で評価されている」ということを暗黙のうちに示しています。原画だけが良ければいい‥‥という話ではないということです。

 

作品作り全体で、作品は総合評価される‥‥のは、制作者なら絶えず肝に命じておくべき事柄でしょうね。

 

 

新しいアニメーション技術は、その辺も強く意識してワークフローを形成します。「原画」「動画」「仕上げ」「美術」「撮影」という隔絶されたセクションではなく、「作画系」「彩色系」「美術系」「コンポジット系」という「自分の専門分野+アルファ」でワークフローを上下左右に動き回るよう計画しています。

 

作業者が「マルチロール」「マルチシフト」に作業することによって、作品に対して限定された関わりではなく、広範に関わることが可能になります。それによって、「絵作り」の本質に近づけもしますし、「お金」的にも有利に作用します。

 

部分的に関わるだけで、果たして完成像はどうなるか判らない‥‥なんて、もう嫌だとは思わないですか。

 

自分の手空きの時間を、さらにアニメ制作に活用して色々な工程を兼任して、今以上に稼ぎたいとは思いませんか。

 

「そんなの大変じゃん。多少非効率でも、工程は区切った方が、」と思われるかも知れませんが、なんのためのコンピュータなのよ‥‥という話です。「IT」なんて言葉が出現してもう何年も経過するのに、未だ、制作管理にコンピュータを駆使しようとしないのも、アニメ業界のダメな部分ですよね。

 

横軸が工程の進行、縦軸が作業カットだとして、「作品を完成させるためのマトリクス」をどう1つずつ埋めていくかを考えるべきであって、旧来のセクショナリズムを固守するのは、2020年代の未来に果たして有効な手段だろうか‥‥と、私は考えています。

 

管理が面倒で煩雑になるのは解っております。しかし、管理を簡素化するために、作業者の能力と報酬が犠牲になっているのだとしたら、私は管理方法にメスを入れるべきと考えます。

 

 

新技術を導入しようがしまいが、アニメ作りは大変です。大変なことに生涯を投じるのなら、できるだけ良い出来の作品を作りたいし、その報酬としていっぱいお金を貰いたい‥‥ですよね。

 

 


本番

映像制作のいざ本番‥‥という大事な時に、「素人状態」なのは色々な面でマズイがゆえに、私は事前に色々と準備して「素人状態」から実質的に脱しておくようにしています。恐らく、昔の楽器演奏のトラウマではないかと思います。本番演奏の時にブザマなことにならないように、「まぐれで弾けた」のではなく、「いつでも弾ける」ように、本番前に入念に練習しておくわけですね。

 

私が最近意識的に、新しいアニメーション技術が‥‥とこのブログで平然と書くようになったのは、表に出すまでに事前の準備をして、「まぐれ」ではなく「確実」に技術が積み上がってきた実感があるからです。

 

新しいアニメーション技術を、始めて本番カットで使ったのは、2008年のテレビ作品でした。もう10年も前になるのですが、その時点では特に新技術を売り込むようなことはしませんでした。本番で自信をもって運用するにはまだまだ未熟だったからです。

 

でも、その2008年のテレビ作品も「本番」なわけですから、本番に用いる以前のさらに3〜4年前に自主研究制作のクローズドなフィールドでテストを開始していました。当時自宅のPowerMac 8600/250をG4に改造したマシンではいよいよ厳しくなり、PowerMac G4の最終モデル(=ミラードライブドア)を最後の「売り切り」の時(G5が登場して値段がぐんと下がった)に購入したのを覚えております。168,000円くらいだったような記憶があります。

 

そのG4で、髪の毛のレンダリングを2日がかりでやった記憶があります。3Dじゃなくて、2DのAfter Effectsで数十時間=2日かかっていたので、相当負荷が大きかったのだと思いますが、そうした「マシン運用の場数を踏む」のも「本番素人状態」からの脱出の一環でした。その当時はまだ未開の「HD=2K」にチャレンジしていたのも、過負荷の要因だったと思います。

 

思うに、事前に準備しておく行為は、「本番の度胸を事前につけておく」事なのだと思います。例えば、「髪の毛をこれだけ細かく徹底的に動かすと、こんなにも仕込みに時間がかかって、マシンに負荷がかかるんだ」と、「事前に驚いておく」ことで、本番ではパニックにならずにすむわけです。

 

人前で緊張して舞い上がって、「練習の時は上手く弾けてたのに!」と地団駄を踏んでもアカンのです。多少のトラブルがあろうと、余裕を持って弾きこなせるほどの充分な練習を積んでおく‥‥というのは、実は映像制作にも応用できるスタンスだと思っています。

 

なので、準備段階で上手くいっていないのなら、まあ、ほぼ確実に、本番でコケますよね。

 

ゆえに、4K60pHDRを「弾きこなせる」ように基礎から積み上げる日々です。‥‥まあ、弾きこなすなんて、まだまだなんですけど。

 

「まぐれ当たり」は当たったうちには入らないのは、どんなことでも同じことが言えるんじゃないですかね。確実に仕留める技術を順次標準化しないと‥‥です。

 

 

作業場に4K60pのモニタも導入できたし、来月にはiMac Proが発売されるし、来年あたりにはMac miniの新型も期待できるし、ソフトウェアも4K時代へとどんどん進化しているし、4Kテレビはどんどん安くなってるし‥‥で、周辺の状況は良いことのほうが多いので、後は粛々、粛々、粛々、粛々‥‥と、事を先にぬかりなく進めるのみです。

 

 

 

 

練習‥‥といえば、

 

以下は、パルティータ・ハ短調の最初の曲「シンフォニア」の対位法旋律部分を練習するグールドさんです。一旦演奏を止めて窓際に立つあたり、カット割りがちょっと嘘っぽいですけど、好きな映像です。(レーザーディスク持ってました)

 

 


APFS後の状況

APFSが理由かどうかはわかりませんが、High SierraのOSX Serverに更新して以来、しばらく鎮静していたパーミッション問題がまた荒れ始めました。‥‥こういうのがあるから、時々無性に、コンピュータがめんどくさくなるんですよね。

 

まず、APFSに更新したディスクはAFPでは共有できないようです。SMBで共有することになります。‥‥でも、私の作業場で使っているMac mini Server(室内の小規模ワークグループサーバで、基幹のサーバではないです)は一切APFSにはしておりませんので、それはあまり関係なさそうにも思えます。

 

ちなみに、High Sierra版のOSX Serverにしてから、なぜかAFP共有が知らぬ間にOFFになっているのは、この仕様のせいか‥‥と睨んでおります。再起動すると(室内のサーバだと簡単に再起動できるから良いです)、AFPが外れ、SMBに入れ替わっているのは、地味にムカつきます。

 

で、ファイル共有といえば、パーミッション(アクセスの権限)が最重要ですが、それがもう、もうめたくたです。

 

High Sierraにして、サーバ管理のツールからファイル共有設定が消え、システム環境に移動したのは、まだ我慢できるものの、パーミッションがごちゃごちゃぐちゃぐちゃに荒れて、まともに設定&運用できないのは、かなり困ってます。正直、仕事になりません。

*サーバ管理ツールからファイル共有が消えたのは、APFSの影響かなと勘ぐってます。サーバなのに、フォルダの「情報を見る」で共有チェックボックスをONにすると、ファイル共有される‥‥‥という何とも可愛いお子ちゃま仕様になってしまいました。OSX Serverが別体パッケージで「扱えん奴は買うな」的に10万円で売ってた頃が懐かしい‥‥。

 

新しいファイルシステムの導入に伴い、パーミッション周りの何かが変更されて、不具合でも出てるんかな‥‥と、今は想像するばかりです。High SierraにアップデートしたあたりでOSX Serverでパーミッションがトラブルが多発するようになりました。もちろん、クリーンインストールも試しましたヨ。

 

頼むから、昔のように、ファイル共有で設定した上位のパーミッションを下位に継承してくれよ‥‥。フォルダを作った本人しかアクセスできないんじゃ、ファイル「共有」の使い勝手がまるでダメダメじゃないか。

 

 

この、APFS後、High Sierraアップデート後の、ファイル周りの全体的な不具合に関して、アップルが改修して事態が収拾するのに半年くらいは平気でかかるんじゃないだろうか。アップルって昔からそういう感じだもんな‥‥。

 

まあ、絶望的に対処できないわけではないので、今は「カッコ悪い方法」で切り抜けますが、次のアップデートで治ってくれるといいな‥‥。

 

 


DaVinci

DaVinci Resolveの無償版を最近使い始めて、使い勝手が良かったこともあり、本格的に使い始めてみようとも思ったのですが、やはりそこは無償版。一歩踏み込んだ使い方をしようとすると、無償では済まなくなります。‥‥まあ、当たり前ですね。

 

昔のiMovie程度のこと=編集して出力するくらいなら無償版で十分なのですが、4Kのマスモニに別出力して監督・演出さんとやり取りしながら使おうとすると、まあ、そこそこのハードウェアや有償版のソフトウェアはどうしても必要になるようです。ミニディスプレイポートから手軽に出力‥‥というわけにはいきません。

 

でもまあ、そりゃそうだ。製品を売って商売するBlackmagic社として、当然の販売方針ですね。ちゃんと使おうとすると、Blackmagic社のあれこれを買うような仕組みになっています。

 

今すぐに使い始めるのはお金的に無理だとしても、DaVinci Resolve無償版をちょっと使った感じではとても使いやすく解りやすい印象でした。すぐに馴染んで使い始められそうです。アマチュア制作者がホームビデオ用途のiMovieとかを使うくらいだったら、無償版のDaVinci Resolveを使った方が編集とカラコレはしやすいような気もします。

 

ただ、仕事視点でのDaVinciの導入は、いわゆる「アニメ作業セクションの作業部屋」という概念を踏襲し続けていると、ちょっとウマが合わないような気もします。「アニメを作る現場」の意識をゼロからイメージし直さないとハマらないように思います。

 

ポスプロはともかく、アニメプロダクション内の作業セクションの一角に、下図のようなのがどでんと陣取っている光景って、日本のアニメ制作事情には無いですもんネ。

 

 

私の使用用途で言えば、写真に写っている10万ちょいの一番廉価なMicro Panelと4K対応のPlayBack機材があれば十分だと思われますが、‥‥まあ、写真のような作業環境は、日本人のアニメスタジオには無理だわなあ‥‥。場所代が高いもんね、そもそも。

 

ちなみに、机の両端に写っているスタジオモニターはヤマハのHS5ですね。Amazonでペアで27,000円(‥‥ただ、1つ12,700円でも売っているので、ペアではなく2つ個々に買った方が安いです)と廉価なので、作業場の音出し環境に揃えておきたい装備です。私らの作業部屋では、MSP3と共に使っています。HS5もMSP3も小規模ながら、頼りになるフラットな音を出してくれますよ。

*スタジオに適したスピーカーを選択する時、「心地良い音」「かっこいい音」「美しい音」である必要はないです。スタジオモニターは、各音の定位が明瞭で、そっけないくらいフラットなのが好ましいのです。スピーカーの「雰囲気に誤魔化されたら」、音のチェックがしづらいですもんね。

 

 

まあ、なんでもかんでも、欧米を羨ましがるのもミジメですから、揃えられるものは揃えて、揃えられないものは工夫でクリアして、最終的に他では作れない映像作品を作り上げればOKなわけです。狭い日本で暮らしてきた日本人の意地と底力を見せたるぞ。

 

狭い日本‥‥と言っても、意識次第でいかようにも変えられると思っています。漠然と事務机を並べてパソコン一式を置いた「タコ部屋」みたいな「日本のアニメプロダクションの慣例」から抜け出るべく、以前から色々と試行錯誤しています。

 

欧米風でもない、短期のポスプロでもない、作品作りに長期にわたって関わり続ける「プロダクション内部」の作業環境として、今までとは違うやりかたを今後も模索していきます。

 

 

すぐに使えるもの‥‥。それはAdobe CC。

 

貧者の味方、Mercury Transmitで、しばらくは切り抜けます。Mercury Transmitは、After EffectsでもPremiereでも使えますもんね。

 

とは言え、まだ4Kが難しいこの時期に、ちゃんとした4Kモニタを導入してくれただけでも、関係諸氏に感謝して余りあります。

 

 


HDMI

作業場に設置された4Kのメインモニタ(監督さんや演出さんに観てもらうモニタ)は、ディスプレイポートが2つ、HDMIが2つの4系統ですが、ケーブルによっては能力を発揮できないため、よく調べてから慎重にケーブル選びをする必要があります。

 

HDMIは、現在2.1まで規格が進んでいるようで、2.1規格だと8K60Hzや120Hz、そして10Kまで盛り込まれているのには驚きました。ビットレートも猛烈で、50〜100Gbpsを想定しているようです。コンシューマ向けで100Gbpsの時代を見据えているのか‥‥と思うと隔世の感がありますネ。

 

 

まあ、2.1はともかく、今必要なのは2.0規格のHDMIケーブルです。

 

‥‥で、これが色々とややこしい。ケーブル関係がややこしいのは、デジタル機器の常ではありますが。

 

まず「4K対応」を謳っているケーブルでも、「4K30pまで」のケーブルが存在します。出力機器も入力機器も4K60pに対応していても、ケーブルが未対応だと4K30pで伝送されます。

 

「ハイスピード対応」のケーブルでも、2.0規格で18Gbpsのケーブルを確実に買う必要がありますが、Amazonなどの製品紹介ページは必ずしも知りたいスペックが掲載されているとも限りませんし、ユーザーレビューによっては「4K60pで認識しなかった」なんていうのもあったりで、中々に悩ましいです。

 

4K機器(例えばUHD BDのプレーヤー)をHDMIで繋いだ時に、どうでるか‥‥は、もう少し先の話なので、今は色々と調べておこうと思います。

 

 

ちなみに、作業場で使用中のゴミ箱型Mac Proは初代モデルですが、2K、2.5K、そして4K(4096のほうです)をディスプレイポートケーブル(これも色々とバージョンがある‥‥)で繋いで、全て60Hzで問題なく「トリプルモニタ」で動作しています。

 

4KモニタにはAfter EffectsのMercury Transmitで出力しています。2Kでもアップコンして出力してくれる(画面が小さくなることがない)ので手軽です。

 

本音を言えば、波形を出力するサブモニタ以外は4Kにリプレースしたいところですが、それはおいおいです。来年以降も色々と機材メーカーの進展もあるでしょうし、そもそも初代ゴミ箱型MacProが合計10Kを越すモニタをぶら下げられるのかも危ういですし、今ある機材でベストを尽くすのみ‥‥です。

 

 

 

 



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